セリアと魔族
ロッテと共に屋敷内を案内し、屋敷周辺をブラブラと歩き、今日の所はそれぞれ休む事にした。
久しぶりのベッド。
目が覚めたら、いきなりここにいたんもんな。ついこの間の事なのに、それも懐かしい。
ロッテを初めて見たときは、どこのコスプレ美少女かと思ったが。魔族だったもんな。
……この世界に来てから色々あったけど、この世界の事は極々一部しかしらないんだよな。そういう事もあって、旅をして世界を知りたいってのもある。元の世界に戻る方法もあるかもしれないし、ずっと世話になるってのもなんか違うかなと。
自分にやれる事を探しながら、旅をするのも楽しそうだし。
せっかく異世界に来たんだし、異世界を堪能しないとな。
落ち着いたらどこへ行こうか?情報を集めたいけど、詳しい人いるかな。ガイゼルさんに聞いてみるか。あと、タツヤの所にも行って……ゴブリン限定だけど、あの能力凄いよな。
それぞれの街と村の考えたかにもよるけど、少しずつ交流をしていってもいいかもしれない。
……能力といえば、リンクもよくわからないよな。
相手の特定の場所に触れるとリンクする時がある。発動条件は不明。
リンクすると、相手の能力や魔法が使える。または使いやすくなる。ただし、ある程度使えるようになるには練習が必要。
リンクした相手とのエネルギーが循環する。リンクした場合、相手の回復力が高まる。
こんな所か。まだ、隠された能力とかあるのかな。アイリスの時のおでこにキスも、目が覚めたわけだし、何かしらの効果はあったんだろうな。入れ替わってしまったけど……。
これも、能力の影響なのか?
明日また落ち着い……た…ら……。
スースースースー………。
ガバッ!!
「はっ!?夢か!?」
目を覚ますと、いつもの見慣れた部屋……。
全部夢だったのか………。問題が解決したから、元の世界に戻されたのだろうか?
……なーんて、戻れるわけないか。
どうやら考え事をしながら寝たらしい。いつもの見慣れた部屋は、元の世界ではなく、異世界の屋敷の一室だ。
コンッコンッ!!
「ロッテです。アキノさん、起きてますか?朝食の準備ができました。」
「ああ、うん。今起きたところ。すぐ行くよ。」
「はい。」
もう朝か……。結構寝てしまっていたんだな。
「お待たせ、ロッテ。」
「は、はい、おはようございます!!」
ロッテと食堂へ入ると、すでに他のみんなは席に座っていた。ガイゼルさんに、もちろんセリアさんも。どうやら、最後だったらしい。
「お待たせしてしまったようで、すみません。」
「気になさらないで大丈夫ですよ。こちらで勝手に待っていただけですので。」
「ありがとうございます。」
「あなたが、アキノさんね。昨日はごめんなさいね。話は夫と、フィリアから聞きました。いい男じゃない?フィリア?」
「そうですね。アキノさんはいつも真剣に私達の事を考えて下さいますし、いい人ですね。」
「そういう意味じゃないのだけれど……。アキノさん、皆さん、この度は私のためにありがとうございました。皆さんのおかげで、元気になりました。」
みんなに向かって頭を下げる、セリアさん。ただ頭を下げただけなのに、その一連の動きが、凄く洗練されている。動きの一つ一つが美しいのだ。
なんか少し照れるな。
「いえ、セリアさんを助けることができて、良かったです。僕を召喚するために倒れてしまったという事でしたので。」
「さて、そろそろ食事にしましょうか?ロッテが用意してくれた朝食が冷めてしまいます。」
ガイゼルさんが食事を促す。
食事をしながらもたわいもない会話をつづけているが、フィリアの表情が変わっている事に気づく。影が抜けたというかなんというか……。
セリアさんが目を覚ました事で、心の中にあった不安が消えた事によるのだろう。
以前も綺麗だっだが魅力が一気に増した気がする。
「凄く綺麗になったな……。」
「「「え?」」」
しまった!!無意識に口にてでたらしい。しかも、フィリアを見つめながら……。
「アキノ…さん?」
フィリアも顔を赤くして、手で顔をぱたぱたとあおいでいる。
ツバキはニヤニヤしてるし、アクアは興味津々、ロッテは目が泳ぎ、ガイゼルさんは見守るスタンス。セリアさんは
「あらあら、良かったわね〜、フィリア。」
「いや、あの、違うんです!!あ、でもフィリアが綺麗だってのは違わないんですけど……。あの……。」
ああ。自分でも何言ってるかよくわからない。
「フィリア、アキノさんと一緒になっちゃったらどう?それとも、ロッテが一緒になる?」
「ちょっ、セリアさん!!一緒になるって!?」
「お母様!!」
「わ、私が、ア、アキノさんと……。」
「母君、アキノは妾の夫になる予定であるぞ。」
ツバキもまた余計な事をブッ込む!!
「あらあら、アキノさんはそっちもやり手なのね。フィリア、ロッテも負けてられないわね。」
「違いますって、あれはツバキの冗談ですから!!」
たまらず、ガイゼルさんに視線を送るが……。温かい目で見守っているだけで、助ける気はないらしい……。流石魔王というべきか、こんな事では気にも留めない懐の深さ。いや、止めてほしいな。
「さて、っと。冗談はこれくらいにして、食事を終わらせてしまいましょう。」
セリアさん、想像とイメージが違うな。
……もしかして、わざと僕の感情を動くようにして、魔族に対する魔力の回復の量と質を確認したとか?それは考え過ぎか?
「からかわないで下さいよ。セリアさん。」
「ごめんなさいね、でも色々とわかって良かったわ。」
「色々……ですか。」
「こっちの話だから気にしないでね。それから、後でフィリアと2人で部屋に来てくれるかしら?話があります。」
「わかりました。」
話ってなんだろうな。




