ゴブリンとの死闘2
2匹の巨ゴブを倒したあと、残りの巨ゴブも思いの外あっさりと倒してしまった。ゴブリン達が時間を稼いでくれていたおかげで、大きな被害は出ていないようだ。
残るは、1番デカイ巨ゴブのみだが……。その辺り一帯はすでに跡形も無くボロボロなっている。破壊力も桁違いということだ。
覚悟を決めて、向かおうとするがそこでまた、新たな巨ゴブ達が現れる。
これじゃきりがない、巨ゴブはどれだけ増えるんだ?巨ゴブが出てくるたびに倒しに行くのは、時間のロスになる。それに、デカイやつを倒さないと、被害は増すばかりだろう。かといって、3m級の巨ゴブを放置する訳にもいかない…………。
「待タセタナ!!」
そんな時、5人?5匹?のゴブリンがやってきた。なんとなくそれっぽい装備は固めているみたいだが。
「我ラタツヤ様、ショクギョウモラッタ。ココハ任セロ。」
タツヤが、応援をよこしてくれたらしいな。職業がついたとはいえ、ゴブリンはゴブリンだからな。
「それぞれの職業は?」
「オレ、勇者。ソレカラ、戦士、魔法使い、僧侶、武闘家。」
マジか!?いや、そういう職業つけれたらいいだろうなとは思ったけど、まんま出来るとは……。タツヤ何気にチート能力では?
てか、ゴブリンの勇者ってなに?自分で言ったんだけど。他の職業は分かるけど、実際勇者って職業ってなんなんだろう………。
それはともかく、実力がなければ任すことも出来ない。とりあえず、近くの巨ゴブを任せてみる。
まず、勇者が巨ゴブに向かって攻撃を開始する。大ぶりの巨ゴブの攻撃をなんとかかわすと、持っている剣で斬りつける。深くはないがダメージを与えているようだ。
そこへ、もう片方の腕が飛んで来るが、予想済みとでもいうように、戦士らしきゴブリンが、盾でそれを受け止める。フラついてはいるが、なんとか耐える。そしてその隙に、武闘家が攻撃を重ねる。
ある程度時間を稼いだ所で、一旦巨ゴブから距離をとると、魔法使いによって詠唱の終わった魔法が放たれる。
効果はバツグンだ!!とはいかないが、膝をつかせるほどのダメージを負わせたようだ。
その間に、戦士は回復し、勇者、戦士、武闘家が一気に攻撃を仕掛けると、巨ゴブはなす術もなく倒された。
ゴブリン達は、ドヤ顔をしてこちらを見ている。……たぶん。
……………。
……………。
なんだこいつら。
いや、強さはわかったけど、能力上がり過ぎじゃないか?連携もぎこちないながらも取れてるし。パーティのバランスがいいのは分かるけど、なんか……なんか……うん。
まあいいや、3m級の巨ゴブは彼らに任せよう。
「ここは任せるよ。僕らはあのデカイ巨ゴブの相手をしてくる。」
「ワカッタ。ゴブウンヲ。」
え、ゴブリンだけに?
流石にそこまでは考えてないか。
さて、どうするか……。
デカイから、動きが遅い分なんとか隙をついて攻撃をするしかないか。だが、一発でもくらえば、かなりのダメージの負うだろう。
……ごちゃごちゃ考えないで戦ってみないとどこまで通用するかわからないか。
臨機応変、その都度考える。
「みんな、行くぞ!!」
まずは、僕とフィリア、ロッテで攻める。デカイ敵はまず足を攻めるのがセオリーだろう。膝をつかすか、倒してしまえれば、一気に有利になる。問題は、こいつの硬さだな。
3人ともなんとか攻撃をヒットさせるが、大きなダメージには至っていない。巨ゴブの拳が振り下ろされるたびに地響きと共に、地面が割れ足場が悪くなる。
アイリスも光の矢で援護をしてくれているが、ダメージとしては期待できない。だが、矢のおかげで、攻撃が散漫になっているのは確かだ。
「ロッテ、フィリアと2人で時間を稼ぐから、ウインドカッターをやってくれないか?強めのやつを頼む。」
「わかりました。」
威力を高めたウインドカッターなら、ある程度の深手を負わせれるはず………。フィリアと2人、なんとか攻撃をかわしながら時間を稼ぐ。
「アキノさん!!」
「フィリア。」
「はい!!」
ロッテの周りに一瞬風邪が吹くと、巨ゴブに向かって風の刃が向かう。
シュッ!
ウインドカッターは巨ゴブの腕に当たり、深く傷をつけるが、ダメージは思ったより少ないようだ。
魔力を込めたウインドカッターであれだけしかダメージを与えられないのか……。何度もできればかなり違ってくるが……。
「ロッテ、今くらいのウインドカッターどれ位使える?」
「2、3回が限界ですね。3回使うと、動くのにも支障がでてくると思います。」
「そっか、ありがとう。実質2回か、使い所が難しいな。」
「しばらくは、削っていくしかないか。」
確実にダメージは与えていってるものの、致命的なダメージは与えられず、攻め続ける事で体力もだいぶ消費してしまった。
そんな時、巨ゴブの拳がロッテを捉える。
「ロッテ!!!!」
割れた地面に足をとられた隙に巨ゴブの拳がヒットしたようだ。ロッテは吹き飛ばされ壁へと激突し、辺りに土煙を上げる。
「ロッテ、大丈夫か!?フィリア!!」
「はい!!」
言うが早いか、すでにフィリアはロッテに向かって走り出している。
くそっ!!
どうやら、ロッテはかなりのダメージを負ってはいるが、なんとか大丈夫そうだ。
強いな……。あれを使うしかないか。
「ツバキさん、あの魔法つかえる?倒れない程度で!!」
「完全に回復しておらんから、威力は落ちるが使えるぞ。」
「時間を稼ぐから、お願い!!」
「わかった。」
言うと、ツバキさんは胸元から扇子を取り出し詠唱のようなものを唱え始めた。
威力は落ちると言ってたが、どれ位通用するか。そのまま吹き飛んでくれればありがたいが……。倒れないようにって言ってあるし、今回は倒れないであろう。たぶん。
巨ゴブと対峙し直撃を極力避けているが、どうしても受けなければならない時もある。攻撃を受けるたびに、かなりの衝撃を受ける。
このまま受け続けるのは流石にやばいな。
そこへ、回復したロッテと、フィリアが加勢しに戻ってきた。
「ロッテ、大丈夫か?」
「は、はい。なんとか……。」
「ぶつかる前に風のクッションを作ったみたいで、思ったよりダメージは少なかったですが、かなりのダメージは受けてます。今は回復しましたが。……単調な攻撃とはいえ油断できないですね。」
ツバキさんの方を見ると、いつでもいいぞとコクリと頷く。
「ロッテ、ウインドカッターをあいつの足に。動きに支障が出ない程度にギリギリで、強力なやつを頼む。フィリア、2人でロッテの準備ができるまで時間を稼ぐ。」
「「はい!!」」
フィリアは、回復役の自分がやられてはいけないという事を自覚しているからか、不用意に飛び込んだりしない。引き際と見極めが優れている。
巨ゴブの攻撃を華麗にかわしながら、攻撃を重ねていく。
僕も負けてられないな。
できるだけ、フィリアに攻撃がいかないように、派手に立ち回る。
そして、ロッテの魔法が完成し、ウインドカッターを巨ゴブに向かって放つ。
見事に足に直撃し、膝をつかせることはできなかったが、足止めするには充分だった。
「フィリア、できるだけ離れて。ロッテももっと離れて。でかいのがくるから。」
多少、ロッテがフラついている。魔力の消費が激しいのだろう。急ぎロッテのもとに行き、肩を貸す。
「ツバキさん!!」
「任せろ!!」
扇子の先端をを巨ゴブの方へとゆっくりと向ける。すると、ツバキさんの周りの青い炎が巨ゴブに向かって飛んでいく。
ドゴォォォォォォォォォ!!!!




