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戦い終わって


 巨大化したゴブリンを倒した後、ツバキさんを抱えて中央へ。

 どうやらこっちも戦闘は終わっているようだ。中央付近の被害は、巨大化したゴブリン……巨ゴブによる被害は出ているが、それ以外は大きな被害はないようだ。

 てことは、1番被害を出したのはツバキさんなんじゃ……。


「ア、アキノさん、ご無事でしたか!!爆発があったので、心配してました。……そちらの女性は?」


「なんとか無事だよ。この人はツバキさんといって、巨大化ゴブリンを倒すのを手伝ってもらったんだ。」


「まずは、アキノさんの治療をしますね。この女性……ツバキさんも怪我されてるのですか?」


「ありがとう、フィリア。いや、ツバキさんは怪我はしてないと思う。魔法?能力?の使い過ぎなのかな。」


「そんなになるまで戦ってくれたということかの。」


「ん〜、なんて言えばいいんだろ。とりあえず、痛い人?」


「「「?」」」


「ア、アキノさん、そ、そのツバキさん?どこかに降ろさないんですか?」


「確かに。どこか休めるところを探そうか。あと、今の状況も知りたいし。」






 中央の社自体は意外にも損害も少なく、広さもそれなりにあるのでそこで休むことにした。

 そこで、ツバキさんの事をみんなに話したのだが……。


「封印してるってことは、それなりに理由がある事位わかるじゃろ。悪霊の類だったらどうするつもりだったんじゃ。」


「い、いや、切羽詰まってたし、話してる感じでは、そんな風に感じなかったし……。」


「無事だったからよかったですけどね。被害は出てしまったようですが……。」


「む、村の人達は大丈夫だったからそこはよかったですね。」



 そう、爆発により家々は吹っ飛んだが、みんな逃げていたおかげで、村人達に被害はでなかったようだ。中央付近での戦闘で、怪我人もでていたようだが、フィリアが治して回ったおかげで、こちらも大きく被害はでていない。


 ゴブリンを倒して回った事、回復して回ったおかげで、村人の対応がガラリと変わった。よそ者扱いがなくなって、とても親切にしてくれる。だが、ツバキさんに向ける視線には恐怖が混ざっているようだ……。


 とりあえず、被害についてはそんな感じだが、巫女がさらわれたという事について詳しく事情を聞きたいところである。こんなバタバタしてる状況で魔石を下さいなんて、流石に言えない。うまく助ける事ができれば、魔石をもらう事もできるかもしれない。


 しばらくすると、老婆が1人がやってきた。


「これはこれは、皆様、話は聞いておりますじゃ。村を治めてるものの1人、ウメと申す者でございます。村を救って下さってありがとうございました。なんでも、傷まで治して頂いたとか。1部余計な事まで……。」


 ?最後ボソボソいってたから、聞き取れなかった。ま、いいか。


「いえ、当然の事をしたまでです。それよりも、巫女がさらわれたというお話ですが、状況はどんな感じなんでょうか?」


 ウメさんの話によると、やはりゴブリン達に、巫女のボタンさんがさらわれてしまったらしい。そして、魔石も一緒に持って行かれてしまったという事だ。護衛もいたが、ゴブリンの数が多く、食い止める事が出来なかったと。また、近年の狐人は戦闘をあまりしないらしく、強い者がいないというのも原因の1つだろう。ちなみに、巨ゴブは2体のみで、門からの進入は確認できていないという。

 進入を確認できていないという事は、魔法か何かの力で巨大化したという事だろうか……。だが、制御はできていないのか味方にも攻撃してたように感じたが……。


 それより、まずボタンさんと、魔石を取り返さないと。


「ボタンさんをさらった目的はわかりますか?」


「わからない、と言うのが正直なところですじゃ。いままでゴブリンが攻めてきた事もないですじゃ。」


「村の占拠が目的なら、ボタンさんをさらう意味がないですしね……。巫女という事は、神に仕えて何かの儀式をしたり、神託を授かったりそういう事ができるのですか?」


「祭りの時に儀式をしたりはしますが、ここ最近では、形だけ受け継いでいるだけですじゃ。昔はもっと強い力があって、そういう事もできたと聞いてますじゃ。」


「じゃあ、巫女の力を狙ったというわけではなさそうですね。」


「魔石を持って行ったのは魔力が必要だったから?」


 これはフィリア。


「もしかしたら、魔石が元々の目的で、ボタンさんはたまたま連れて行かれたとか?」


「も、目的がはっきりしないですね……。」


「魔石が狙いだったというのは、わからんでもないがの。」


「目的はわからないけど、助けに行く方法を考えないと……。ウメさん、ゴブリンたちの住処はわかりますか?規模なんかもわかるとありがたいのですが。」


「ゴブリン達の住処は、この村の北の方にあると聞いてますじゃ。規模までは分かりませんが、廃墟のような所に住んでいると。」


「規模は不明か……。どちらにせよ、僕らだけで動いた方が良さそうだな。ボタンさんの安否が気になるけど。」


「それなら、大丈夫であるぞ。」


「ツバキさん、目が覚めた!?大丈夫って?」


「今のところ、ボタンは平気だといっておる。妾と、ボタンは繋がりが深い。お互いの状態がなんとなくではあるがわかるのだ。」


「繋がりが深い?」


「妾とボタンは双子であるからな。……そやつらは、そなたの連れか?」


「そういや、僕も名乗ってなかったな。僕はアキノ、それから、フィリア、ロッテ、アイリスだ。」


「ふむ、誰が本命なのだ?」


「いや、そういうのじゃないから。」


「そうか、妾の夫になるんだったな。」


「え?え?ア、アキノさんほんとですか?」


「おぬしも、なかなかやるの。」


「いや、違うから。ツバキさんの冗談!!」


「まあよい、まずはボタンの救出をしなければな。妾も当然ついていくぞ。この村にとってもその方が都合がよいだろう。」


 まあ、封印されてたぐらいだから、色々事情があるんだろうな。


「ツバキさんの火力は心強いけど、魔法?使った後に倒れられても困るんだけど……。」


「ぬ、確かにさっきは力の加減を間違えてしまったが、今度は大丈夫だ。」


「ほんとかな。戦闘中に倒れられても助けれないかもしれないから。それだけは覚えおいて。」


「わかった。気をつけよう。」


「北のゴブリン達の住処を目指すとして、移動手段はやっぱり歩きしかないのかな?」


「ゴブリン達が出て行ってからかなり時間も経ってしまいましたし……。私達だけなら、ある程度走り続けても問題ないですけど。」


「妾は走り続けるというのはちと、きついのう。だが、移動手段ならあるぞ。」


「ほんとに?どんな?」


「村の西に行くと、大きな湖がある。そこに現れる黒い鳥……通称ブラックランナーを捕まえれば、移動時間は大幅に短縮できるぞ。」


「ブラックランナー?人が乗れるって事?」


「うむ、但し、やつらの背中に乗る事が出来なければ話にならぬがな。やつらは、用心深くすぐに逃げ出す。だが、なんとかして背中に乗り主と認められれば、乗り回す事が出来るようになる。」


「ランナーってのに認められれれば、移動手段は確保できるって事か……。しかし、封印されてた割には物知りなんだな。」


「社の中はやる事がないからな、書物を読み漁っておった。知識だけはそれなりにあるぞ。あまりに退屈で、ある程度なら外を見渡せる能力も身につけた。狙った所を見るというのは、なかなか出来ないがな。」


 凄いのか凄くないのかよくわかりらないな。この人。


「今から追いかけるよりも、ランナーを捕まえて移動した方が早いんですか?」


「そなたらの移動速度は知らんが、森の中でも通常の移動速度の何倍も早く移動できる。らしい。実際に乗った事はないからな。」

 

「そ、それならランナーを捕まえに行った方が良さそうですね。」


「無駄骨になる可能性もあるがの。」


「なんにしろ、移動手段ができるのはありがたいし、ツバキさんがゴブリンの住処に行くというなら、捕まえに行くしかない。もし、無駄骨になるようなら、ツバキさんを置いていくって事で。」


「う、うむ。まあよかろう。」


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