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狐人村での戦闘



 村に入り、急いで中央に向かうが、すれ違う村人がいちいち驚いたり、悲鳴をあげたりする。他種族は村に入る事がないのと、この騒ぎによって余計に敏感になっているのだろう。さっさといかないとこっちでも無用な混乱が起きてしまう。


 中央に近づくと、あちらこちらで戦闘をしている。狐人自体もあまり戦闘経験もないらしく、ゴブリンといい勝負をしている。

 このままだと、戦える人数の多い方が有利になる。もともと戦闘をしない種族なのか、狐人全体の中でも、戦える人数は少なそうだ。


 こちらも敵と認識されたのか、ゴブリン達が襲いかかってくる。近くに狐人もいるので、大剣は振りまわせないため、ダガーを両手持ちし、ゴブリン達に応戦する。

 僕らの実力からすれば、ゴブリン達は弱い部類に入るらしい。特にてこずることもなく倒す事ができるが、数が多い。どれ位の数がいるのかは把握できていないが、社にたどり着くのは、時間がかかりそうだ。

 ロッテ達の様子を見てみると、やはり同じように進むのに苦労している。


 そんななか、巫女がさらわれたという声があちらこちらで聞こえてくる。社をなんとか視界に捉える事ができる時にはすでに遅かった。ゴブリンが巫女をさらっていってしまったようだ。急ぎ追いかけようとするが、ゴブリンが道を塞いでくるため、思うように進む事ができない。しばらく戦闘は続き、もう追いつかれる事もないと思ったのか、少しずつゴブリン達が退いていく。


「フィリア、怪我人がいるようなら、大怪我している人を優先に回復してあげて!!」


「はい!!」


 ゴブリンの数がだいぶ減ってきたため、少しずつ余裕がてできた。とりあえず、状況の確認と、今後の対策を考えたいところだが……。


 なんだ!?


 収束しつつある騒ぎが、またいっきに大きくなる。みると、巨大化したゴブリン?3mほどの大きさになり、見た目にもゴツく凶悪な風貌になっている。

 腕を振るだけで、狐人は吹っ飛ばされていく。よくよく見ると、まだ残っていた普通のゴブリンも吹っ飛ばされてる?


 自我を失ってるのか?


 とにかく、巨大化したゴブリンをなんとかしないと、村の被害がとんでもない事になってしまう。狐人では、束になってもかなわないだろうから、僕らでなんとかするしかない。


「ロッテ!!フィリア!!アイリス!!あいつを仕留める!!」


「「はい!!」」

「うむ!!」


「狐人のみなさん!!ここは僕らでなんとかします!!村人の避難を!!」


 状況を見て動いてくれる狐人もいるが、中には、

「よそ者に任せておけるわけがないだろ!!さっさと出ていけ!!」


 と言って戦おうとする狐人もいる。


「現状を見て判断してくれないか?あなた達では、到底かなわない。無駄死にして、村も破壊されて終わりだ!!」


「し、しかしここは我々の村だ!!」


「だからこそ、できる事をして欲しいと言っている。村を守るために!!それに、あなた達がいると、邪魔なんだ。早く逃げてくれ!!」


「ぐっ……。わかった。」



 狐人の避難が進んだおかげで、気を使わずに戦う事ができる。開けた場所に行ければ大剣も使う事ができるんだが……。少しずつ誘導するしかないか。


 先制攻撃はアイリスだ。離れた所の高台に登り、矢を放つ!!


 ゴツくなった腕に刺さるが、致命傷には程遠い。だが、痛みは感じているらしく、連続して射られる矢を嫌がっている。

 続いてフィリアが長い髪をなびかせ、ショートソードで巨大化したゴブリンに斬り込む!!

やはり、太い腕に邪魔をされるが、血しぶきが舞う!!

 かなり深く入ったようだ。

 さらにその血しぶきを風の魔法で自分達にかからないように飛ばしながら、懐に入り込みロッテが棍によりみぞおちに強烈な一撃を入れる!!

 さらにロッテは、棍に魔法を付与し、棍の先に風でできた刃を作り出すと、先ほどフィリアが斬りつけた腕を刈る!!



「グゴアァアアア!!」


 片腕が無くなり、巨大化したゴブリンは堪らず声をあげる。


 てか、強いなみんな。僕の出番ないんじゃないか?ロッテも、棍に魔法付与して、鎌みたいにして使ってるし。ゴスロリに鎌。似合い過ぎてむしろ恐怖すら感じる……。



「うわぁぁぁぁぁ!!」

「きゃあぁぁぁぁ!!」


 悲鳴!?村人達は逃げたはず……。見渡すと南の方に巨大化したゴブリンが目に入った。


 もう一匹いた!?


 さっきまで、そんな巨大なゴブリンなんかいなかったはず……。どこから?いや、とにかくまずは、倒す事を考えよう。


「みんな!!こっちは任せる!!僕は南の方のゴブリンを相手してくる!!」





「ここは任せて逃げて下さい!!」


 村人達に避難を促す。

 幸い、ここは大通りであるため、大剣を振り回しても問題ない広さがある。ダガーから大剣に持ち替えて、巨大化したゴブリンと対峙する。


 でかいな、こいつ……。


 先ほどのゴブリンもデカかったがこいつはさらに一回り程大きい。て、事はパワーも?


 ゴブリンがこちらに向かって腕を振り下ろしてくる!!

 大剣を構えて受け止めるが、あまりの衝撃に吹っ飛ばされてしまう。

 くそ!!こんなんばっかだな。

 吹っ飛ばされはしたが、ダメージ自体は少なく、まだまだ戦えそうだ。


 そうそう簡単に、やられてやるわけにはいかない。ゴブリンは吹っ飛ばした僕に向かって、追い打ちをかけようと、まっすぐに突っ込んでくる。


 「光よ!!」


 一瞬強烈な光が辺りを照らす。アイリスに教えてもらった、光の魔術である。光に目を焼かれたゴブリンは堪らず両目をふさぐ。その隙を狙って大剣で胴を薙ぐ!!

 が、少し浅かったようで、致命傷には至らなかったようだ。


 硬いなこいつ。パワーもあるし、1人だとキツイかもしれない。

だが、基本的に攻撃は単調。腕を使っての攻撃か、突撃くらいしかできないようだ。


 他の魔法も使えたら楽になるのだろうが、あいにく、動きながら魔法を使えるほど上達はしていない。吹っ飛ばされた時に描いた魔法陣で、目潰しができただけでも、充分である。次は警戒されるかもしれないから、今回のようにはうまくいかないだろう。


 ゴブリンは、完全に標的を僕に絞ったようで、執拗に攻撃を仕掛けてくる。大剣でなんとかしのいではいるが、ジリジリと押されている。いくら鍛えたからといっても、こんな筋肉バカのような化け物にはかなわない。


 隙をついて斬りこむが、太い腕に邪魔をされて、大きなダメージを与えられずにいる。このままだとまずいな……。みんなはまだ中央のゴブリンと戦闘中だろう、なんとか時間を稼げれば、こっちに来てくれるとは思うが……。状況はよくないな。

 こっちもダメージを少なからず受けているが、小さな傷であれば自己修復ができるらしく、ある程度の傷までは勝手に回復する。フィリアの回復魔法は使えないが、リンクした時すでに、自己の身体にのみ自己回復の能力が身についていたようだ。厳密に言えば、能力ではなく魔法。当然、回復をすれば魔力は消費されていく。

 どちらにしろ、ダメージを受けるのは魔力にしろ体力にしろ削られていく。


 とはいえ、どうする?


 考えてる間も攻撃を仕掛けてくる。

 しまった!!と思った瞬間にはもう遅かった。腕を振り回す単調な攻撃から急に蹴りを出してきたのだ。大剣で防いだものの見事に吹っ飛ばされる。

 ゴブリンも蹴った時、大剣が深く入ったらしく、追い打ちをかけてこれないようだ。


 何回吹っ飛ばされるんだよ!!と、自分にツッコミを入れれるくらいにはまだ余裕があるらしい。


 吹っ飛んで叩きつけられた所は、社らしい。どうやら南の社まで、来てしまっているようだ。中央には、巫女がいたんだよな……。


 じゃあ、ここは……?


「そこの者、妾をここから出してくれぬか?」






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