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森の奥へ


「あ〜ダメだ!!できないな。」


「そうそう簡単にはできんじゃろ。練習あるのみじゃ。」


 魔術を学び始めて数日が経った。なんとなく概念としてはわかってきたけど、全くできる気がしない。ただ、それはロッテも、フィリアも同じようで、3人とも全く魔術ができないでいた。


 なんなんだろうな、ただ才能がないだけなのか、焦りすぎなのか、それとも……。


「魔術って、魔力があるとできないのかな?」


「私もそう思いました。確かに学んだ通りにやってますし、初歩的な魔術と伺ってますし、何も出ないのは何かがあるとしか。」


「ふむ、ワシはこの身体になってからも魔術は使えておるが、元々使えていたという所が大きいかもしれんの。」


「む、無意識に魔力を使おうとしてしまって、魔術の邪魔をしてしまうとかありませんか?」


「確かに、魔族は魔力を使う事が基本じゃからの。その可能性は大いにある。魔力を使わないように訓練するか、魔術の方を改良するかじゃの。どちらにしてもすぐには使い物にならんの。」


 リンクしている僕も、無意識に魔力を使おうとしてるのかもしれないな。

 ちなみに、魔法の方もしっかりと練習している。

 どんな感じかといえば、

「みんな、ちょっとウインドカッター使うね。」


「「はい。」」

「うむ。」


 ヒュン!!


 うん、うまくいったようだ。10メートルほど先の木の枝を切り落とした。といっても細い枝ではあるが。

 ただ、下からの風はどういう訳か最初と同じく吹いてしまう。だから、戦闘中でもないし前もって言っておけば、ロッテたちも対策ができるというわけだ。

 魔法の効率は少しずつ良くなっているようだが、調子に乗って使うとすぐにはバテてしまう。まだまだ、練習が必要ということだな。


「さて、そろそろ森の奥の方へ行ってみようか。」


 あれから何度か森の奥へと行ってはみてるのだが、出てくるのは一角ウサギと大イノシシのみ。もっと奥に行けば強い魔物に出会えるのか、そもそも生息地が違うのか。


 「だいぶ奥まできたけど、強い魔物も出ないし、暗くなってきたし戻ろうか?」


「そ、そうですね。あまり遅くなっても、夕食の準備もありますし。」


 最近は、自分たちの分だけは料理するようにしているが、他の魔族の分は料理班に任せっきりである。自分達で考えて色々試してるらしい。いい傾向だ。そのうち大会でも開いて味比べでもしてみようか。


「ふむ、こんなもんかの。今日の所は。」


 バキ!!


 バキバキ!!


「アイリス危ない!!」


 木をへし折りながら黒い大きな腕、大きな爪が振り下ろされる!!

 とっさにアイリスを抱き寄せ、背中でその攻撃を受ける。もちろん背中には大剣を背負っているが……。


 ドンッ!!


 木にぶつかり、凄い衝撃が全身に走る。どうやら吹っ飛ばされたらしい。攻撃を受けた一瞬意識が飛んでいたようだ。


「「アキノさん!!」」


 ロッテとフィリアに手を振って答える。


「アイリス…だ…大丈夫か?」


「なんとか…の。おぬしのおかげでな。」


 よかった。

 

 しかし、今の攻撃はいったい?


 見ると、黒い大きな塊が立っている。いや、熊か?4m位か?でかい。爪が異様にでかく鋭い。倒せるのか?こんなやつ。いや、倒すしかない。

 ロッテも、フィリアもすでに戦闘態勢をとっている。


 やっぱり、鼻が弱点なのか?それとも目を狙えばなんとかなるのか?


「ロッテ!!アイリス!!目を狙って!!フィリアはいつでも回復に回れるようにしておいて!」


 デカすぎて大剣では頭に攻撃は届かないだろう。それに、今回は運がよかったが、次に吹っ飛ばされればどうなるかわからない。


 どうする!?


 ヒュン!!シュ!!


 ロッテと、アイリスが攻撃を仕掛けたようだ

。ロッテのウインドカッターは熊の腕に阻まれてしまったようだが、アイリスの矢は、ウインドカッターを防いでいた腕をすり抜け、片目に命中する!!



「よし!!片目をやったか?さて、どう動く!?」


 熊は片目を両手で押さえ、その場でバタバタと暴れ回っている。ウインドカッターを防いだ腕は、浅く切れているが致命傷には程遠い。

 木の枝を軽く切り落とす威力があるのにこの程度しか効果がないのか……。

 やはり大剣でいくしかないか?どれだけ通じるかわからないが。


「ロッテ!!もっと魔力を使えば威力を上げることできる?」


「は、はい!!可能です!!」


「じゃあ、腕を切り落とせるくらい強力なのを頼む。アイリスはもう片方の目を!!」


 フィリアは、近くに来てさっきのダメージを回復してくれている。


「ありがとうフィリア、突っ込んでくるから、回復の準備しておいて。」


「ロッテいけるか?」


「はい!!」


 ヒュン!!


 熊は攻撃に気付き腕でガードを試みるが、今度のウインドカッターは流石に防ぎ切れないらしく、腕の半分以上に亀裂が走る。

 そこに合わせてすでに走り出している。


「うおおおっ!!」


 亀裂が入った腕めがけて大剣を振り下ろす!!


 ドスン!!


 熊の腕が切り落とされる。が、凄まじい咆哮とともに、もう片方の腕が飛んでくる!!


  ゴッ!!


 ぐはっ!!


 吹っ飛ばされて、思い切り木に打ちつけられる。すかさず、フィリアが近寄ってきて、回復魔法をかけてくれる。


 また、意識を飛ばすところだった。


 アイリスも隙をつきながら矢を放つが、流石に警戒されてるらしくうまく当たらない。


「ロッテ、もう一発撃てる?」


「な、なんとか……。ハァハァ、あと…一発が限界ですが…。」


「了解、次で仕留めよう。次は足を!!」


「はい!!」


 こっちへ向かってくる熊の足をねらって、ロッテがウインドカッターを放つ!!


 ヒュン!!


 スパッ!!


 威力の上がったウインドカッターは熊の足をキレイに切り落とす。突然片足を失った熊は、勢いはそのままバランスを崩し倒れこむ。


 そこに間髪入れず、アイリスが目に矢を、僕は首に剣を突き立てる。



 ……………。


 やったか?


 ビクンビクンと体が跳ねる。そして、徐々におさまっていく。


 ……………。



 ふう、なんとか倒したようだ。しかし、ずっと強い魔物が出てこないと思えば、いきなりこんな強敵が現れるなんて。

 しかも、攻略法がわからないから新手が出てくる度にかなりの苦戦を強いられる。


 もっと、強くならないと。


「ロッテ、無理させてごめん、大丈夫?」


「は、はい。なんとか。」


 と言いながら、足はフラついている。かなりの魔力を使わせてしまったからな。よし。


 ロッテをお姫様抱っこする。


「え?え?え!?ア、アキノしゃん?」


 顔も真っ赤だし、噛んでるし。


「いや、フラついてたから、回復するまでこのままで。嫌だとしても、このままここにいるのも危険だし、我慢してくれるかな。」


「い、いえ。嫌だなんて思わないです。む、むしろ……。あ、いえ。すみません。」


「ロッテ、大丈夫?相当魔力を消費してるみたい。」


「本人は、それどころじゃなさそうじゃがの。」


 



 屋敷に帰る頃には、ロッテもだいぶ回復し、普通に歩けるようになっていた。ちなみに、さっきの熊の爪と、肉を一部持ってきている。

 もちろん、肉は食用。爪は加工できれば武器にできるかもしれないと思ったからだ。

 しかし、魔物っていっても、なんか想像してたのと違うな。もっと悪魔みたいなのとか妖怪みないなのを想像してたんだけど、出会った魔物はみな動物を強化して凶暴化させたような………。

 まだ出会ってないだけかもしれないけど。


 熊肉どうなんだろ?イメージでは癖が強くて臭い感じかなと想像してるんだけど。爪も加工できるのかな?武具の製作なんかもできるかどうか相談してみるかな。


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