街外れの変わり者?
「おはようございます。朝から集まってもらってありがとうございます。」
朝食を作るため、またみんなに集まってもらっている。
美味しいものを食べれる、作れるようになるとあって、皆不満もなく寧ろこっちが気圧される位やる気に満ち溢れている。
大イノシシは朝食としては重そうなので、朝食は別で作る事にする。大イノシシは昼食用に作っておくつもりである。味見はしてみるが。
やっぱり、臭いが気になるな。ハーブを使ってなんとかなるといいが………この辺りは色々試していかないとダメだろうな。とりあえずは、不味くない程度に仕上がればいいだろう。何事も一度で上手くはいかないものだから。
さて、どうだ?
「うん、まあ悪くはないかな。ロッテ、フィリア、どうかな?」
「そうですね…。美味しいですけど、昨日の料理と比べると……。」
「そ、そうですね。癖がありますね。今まで食べていたものに比べると美味しいんですけど。」
「味の問題は今後研究していくとして、魔力の上がり方の方はどう?」
「魔力上がり方が凄いですよ!!昨日の料理…一角ウサギの料理に比べて倍以上上がってる感じがします。」
「そ、そうですね。わ、私も同じ感想です。」
他の魔族の反応も同じような感じだ。確かに、自分自身もウサギ肉の時より力が湧いてくる感じがする。これが魔力ってことか?それとも別の何か?
魔力の増加量は、魔物の強さに比例するってことか………。他にも検証してみないと、確証は得られないが。
さて、今日はどうなることやら。期待半分、不安半分ってとこだな。
街の外れまでロッテ、フィリアと共にやってきたのだが………。
変わり者と言うだけあって、街中には住んでないみたいだ。道中で聞いた話によると、街には一切来ないらしく、実際のところどういう人物であるかもよく分からないらしい。家の周辺で老人を見ただとか、はたまた若い女を見ただとか、噂ばかりが広がって誰が住んでいるかも分からないという。
ただ唯一、魔法と人間に詳しいという噂だけは何故か広まっているらしい。
いやいや、誰が住んでるかも分からない時点で、その話も信用性薄いと思うんだけど。
他に情報もないし、しょうがない。なんとか話だけでもできるといいけど。
「すみません、いきなりで申し訳ないですが、あなたが魔法と人間に詳しいと聞き、やってきたのですが。」
……………。
留守か?
「アキノと申します。異世界から召喚されて右も左も分からない状態で……この世界に詳しい方に是非お話を聞きたいと思いまして。」
…………………………。
「ふむ、召喚者か……。よかろう、鍵は開いている入れ。」
おじいさんのような声、どことなく威厳のある感じの声だ。とりあえずは、入れてもらえるってことだな。
「す、すんなり入れそうですね。」
「「「失礼します。」」」
家に入ると、テーブルを挟んで老人が椅子に座ってこっちを見ている。老人はローブを着ており、まさに大魔導士のような容姿、シワが多く、髪とヒゲが白く長い。とある魔法学校の校長先生のようだといえばわかるだろうか。
「はじめまして、アキノです。」
「フィリアです。」
「ロ、ロッテです。」
「うむ、よく来たの。ダンベルドアじゃ。」
えっ!?なんかすごく惜しい感が………。てか、もしかして知ってる?名乗る時少しニヤっとしたような気がするし。でも、ありえないよな……。
「魔族と、人間か、なかなか珍しい組み合わせじゃな。」
「ええ、色々と事情がありまして……。」
「まあ、そうじゃろうな。本来、人間と魔族が一緒にいる事はありえないからの。もしよければ聞かせてくれるか?」
話すらできないかと覚悟はしていたが、思いのほか食いついてきてくれている。事情を話せば協力してくれるかもしれないし、話してみるか。
「………なるほどの、事情は分かった。"リンク"といったか、興味深い……。どれ、見せてもらおうか。」
そう言うと、僕とロッテ、フィリアを交互に見つめていく。
「これはこれは…。見事に混ざっとるな。」
「混ざってる?」
「うむ、普通の人間は本来魔力というものを人間は持っておらん。そもそも魔力自体が人間にとって毒だ。力の強い魔族が近くにいるだけで魔力に当てられてまともに立っていることもできぬ。ましてや、体内に魔力を入れるなぞ、自殺行為に等しい。」
おっと、マジでか。魔族達の中にいても何の影響もない上に、魔物まで食べちゃったぞ。
「じゃが、おぬしの場合、体内に魔力を宿しているのにもかかわらず、そうはなっていない。魔族に召喚されたというのも影響があるのかもしれぬが……。リンクしたのはそこの2人という事じゃな?」
「はい、そうです。ただ、どういう理由でリンクができるのかわからないですね。他の魔族にも試してみましたが、できませんでした。」
「条件はワシもわからんが……。そこの2人の魔力がおぬしの中で混ざり合っとる。というより、お互いのエネルギーが循環しあっとる。おぬしのエネルギーが、フィリア、ロッテに流れ込み魔力になり。フィリア、ロッテの魔力がおぬしに流れ込んでおる。リンクとは上手く言ったもんじゃな、まさに繋がっておる。」
「僕の中にも魔力があるって事は、魔法も使えるって事ですか?」
「訓練すれば使えるようになるかもしれぬが……。実際にやっていかないとわからぬ。さっきも言ったように、人間は魔力を持っておらん、という事はつまり、魔法は使えぬ。魔法を使う人間というのがそもそもおらんのじゃよ。」
「えっ、人間は魔法を使えないんですか?」
「魔法のようなものは使えるが、魔力による魔法は使えないという事じゃな。人間が使うのは魔術、法術や精霊術、呪術など、物や精霊などを使って魔法のような事象を起こしておる。」
「結局、魔法のようなものは使えるって事ですね。ただ、僕の場合はどうなるんでしょう?」
「はっきり言ってわからん。まずは、基礎を知って、試していくしかないじゃろうな。」
わからないか。でも、可能性はあるってことだよな。色々と試していくしかないか。
「魔法の基礎ってのを教えてもらいたいのですが……。もちろん、何かお返しはしたいと思っています。」
「そうじゃな……ワシとリンクしてみるか?」
………………。
「今、こんなじじいとリンクするのは…とか思ったじゃろ?」
「い、いえ、そんな事はないです……。」
いや、ちらっとでも思ってないといえば嘘になるけど。
まあ、そもそもリンクできるのかってのもあるが。リンクする事自体にデメリットがないのであれば問題はないだろうが、ダンベルドアさんが信頼を置ける人なのかが、すぐには判断できないところだな。
…………。
「ふむ、色々考えてるようじゃな。よし、教えてやろう、ただし、ワシもセリアとやらを助けるのについて行くぞ。」
「えっ⁉︎教えて下さるのは嬉しいのですが、ついてくるんですか?」
てか、セリアとやらって。
「こんな年寄りでは不安か?」
「いえ、そんな事はないです………とは、言い切れないですね。やはり、道中戦闘もあると思うので不安というより、心配ですね。それに、ロッテとフィリアの意思も聞かないといけないですし。」
「私は大丈夫ですよ、アキノさんにお任せします。」
「わ、私もアキノさんにお任せします。」
「2人の娘はおぬしに任せるらしいぞ、ほれどうする?」
…………。
「そうですね、いざという時は命の保証はできないという事を理解して頂けるなら、という条件でどうですか?」
「こちらが条件を出しておるのに、条件付きで返すか、本来なら交渉決裂じゃな。じゃが、ワシはおぬし達に興味がある。今はもう大した魔術も使えぬが、自分の身ぐらいは自分で守るよ。」
ん、魔術?まあ良いか、しかし、おじいさん連れて本当に大丈夫なんだろうか。
「「「よろしくお願いします。」」」
「うむ、よろしくの。」
まだ、キャラは増やさないでいようと思ってたんですが、なんかついてくることになってしまいました(笑)
初めてアクセスみたのですが、自分が思ったよりだいぶ読まれているようで、とても嬉しいです。ありがうございます。ブックマークもありがとうございます。




