目が覚めたら異世界だった。
はじめまして、悠月と申します。小説の投稿は初めてで右も左もわかりません。誤字脱字等あるかもしれません、温かく見守って下さると嬉しいです。よろしくお願いします。
「ふぁー、よく寝たなっと。」
朝日を浴びて、気持ちよく目を覚まし、いつものようにリビングに向かうおうとするが………。
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あれ、昨日残業して遅くなって、疲れてはいたが確かに部屋のベットで寝たはず……。
「ここどこだ?」
確かにベットでは寝ているが、部屋の様子が全く違う。
部屋の広さはだいたい20畳くらいか?
洋館の様な作りで、ベットもそうだが、部屋に置いてある装飾品やタンスなど明らかに高級そうなものばかりだ。
ここは自分の部屋でないのは間違いない。
だが、家で寝たのは間違いないはず。
んー、夢?
とりあえず、部屋を出てみようか。
ガチャりとドアを開けると左右に長い廊下、やはり廊下もずいぶんと豪華な作りになっている。
とりあえず状況を知るためには誰か見つけて話をしてみないことにはわからないな。
警戒をしつつも、廊下を歩いていると掃除?をしているらしき人影をみつける。
「あの、すみません。」
声をかけるとメイド服を着た女性が振り返る。
「あ、はい!!って、ひゃーーー。」
こちらを見るとビックリしたのか、へんな声を上げるとバタバタと走り去ってしまった。
えーと……角?
メイド服にばかり目がいってしまっていたが、振り返った時、確かに頭に小さな角のようなものが付いていた。
えっ、なに?コスプレ?
何かのドッキリ企画?
ブツブツ言いながら廊下でこの状況について考えていると、パタパタと足音が聞こえてきた。
目をそちらに向けると、先ほど走り去っていったメイド服の女性が戻って来た。
「ハアハア、あ、あの、わ、私にハアハア、つ、ついてハアハア」
「いや、何言ってるかわかりづらいし、息を整えてからしゃべって?」
…………。
そう言われて息を整えるメイド。
さっきは一瞬でよくわからなかったが、よくよく見ると、身長は155cm位、年齢は18歳前後?
顔は目が大きくクリクリしてて、かなり可愛いと言ってもいい、瘦せ型ではあるが、出るところはかなり出ている。
そして、ボブでゆるふわなエメラルドグリーンの髪に、やはり角?がついている。
作り物、だよな?
「あのさ、その角?って偽物だよね?」
「こ、これは、その、違います!!」
ん?違います?
意味がよくわからない。
「これって、コスプレ?ドッキリかなんか?」
「コス…ドッキ?す、すみません、わかりません。」
とぼけてるのか?なんなんだろう。
スッと手を伸ばして角を触ってみる。
パチッ
ん、静電気?
「ひゃっ!!」
メイドの娘は変な声を上げて飛び退く。
「あ、ごめん。」
思わず触ってしまったが、硬さがあり、骨の様な感触。よくできてるなとは思う。
ドッキリにしろなんにしろ、話をしてみないとわからないな。
「ここはどこ?屋敷みないな所だと言うのはわかるんだけど、なんでここにいたのかを知りたいんだけど?」
「わ、私はその質問に答えられません。案内するようにとだけ言われているので、つ、ついてきて下さい。」
んーと、この屋敷?の主人の所に案内してくれるってことか?
とりあえずついて行ってみるしかないな。
それにしても、広いなこの屋敷。1人だと迷子になりそうだ。
しばらくついていくと、ある部屋の前で立ち止まる。
「こ、こちらへどうぞ。」
中へ入るとそこは食堂のようだ。
10人程度が使えるテーブル、そして、奥には主人と思われる渋めのおじ様が1人座っており、その横にはスラッとした長身の女性が立っていた。
「ようこそ、よくおいで下さいました。私は、この辺りを治めるガイゼルと言うもの。隣は娘のフィリアです。」
2人とも 席を立ち品のある仕草で一礼すると、席へ促される。
「はい、えーと、状況が全くわからないのですが、説明していただけますか?」
「そうですね、我々魔族の事から話さな…」
「は、魔族!?」
何言ってるの、このおっさん。
そういう設定のドッキリ?
一般人にそんなドッキリ仕掛けても、自分の場合は特にリアクション薄いから、撮れ高でないよ?
いや、しかし流石芸能界、隣に立ってるフィリアさん?身長は170cm位だろうか、モデルさんなのかな、スラッとした細身で、レースの刺繍が入った白いワンピースがものすごく似合っている。
顔も整っており、綺麗と可愛いのいいとこ取り、髪はピンクのロングでサラサラ。
そしてやはり、頭に角が付いている。
ガイゼルさん?の方は、とある超人の様に上に向かって立派な角が付いている。
フィリアさんはガイゼルさんと比べると角は短く前に向かって付いており、少しうねっている様だ。
芸が細かい事で。
ちなみに、メイドの娘は短めの鬼の角の様なものが頭の真ん中少し前に付いている。
「ドッキリですよね?もうバレてるんで、家に帰してもらってもいいですか?」
「ドッキリというものがどんなものかよくわかりませんが、我々魔族の事について、説明をさせて頂きます。」
んー、話が噛み合ってない?
バレても続けるつもりなのか?
それならそれで、こうするだけだ。
「ちょっとごめんね。」
そう言って、自分の斜め後ろに立つ案内をしてくれたメイドの娘の角を取ってしまおうと試みる。
「ひゃあ!?」
が、ぬっ抜けない!?
いや、こんなのカチューシャかなんかでつけてるだけだろ?
さわさわ、、さわさわ。
メイドの娘の顔が真っ赤になっている。
さわさわ、さわさわ。
それらしきものか無いどころか、どう見ても生えてるとしか言いようがない。
「あ、あ、あの…く、くすぐったい、です?」
ふと我に返り、急いで離れる。
ほぼ初対面の異性にいきなり頭を触られまくったら、失礼だよな、ってかドン引きだよな。
「ああっ!ごめん、ごめん!!」
やってしまったと思いつつもどうしようもないので逃げるように席に座り直す。
「続きを話しても?」
「は、はい。お願いします。」
わざわざこのやりとりが終わるまで待ってくれていたようだ。それとも、直接触らせる事で納得させたかったのかもしれない。
とにかく、話を聞くことにする。
「長くなりますが、どうか聞いて下さい。なぜあなたがここにいるのかが理解できるはずです。」