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異世界で柔の道を行く  作者: パド
序章
6/16

6話「女の子を助けたら」

これまでの話は、少し短すぎたかなと思って、少し長めに書いてみました。これからもこんな感じで進めたいと思います。

それと、柔道の用語は、後書きの方で説明させていただきますので、※がついてるもので、わからないものがあったら、後書きの方を見てください。

 受け身を取り損ねたのか凸(デコボココンビのでかい方)は、地面でうずくまっていった。

 畳ですら痛いのだから、固い地面に受け身も取れずにたたきつけられたら、しばらくはまともに動けないだろう。

 まるで、背中から腹を貫くかのように痛みが駆け抜け、そして、呼吸がまともにできなくなる。しばらくして立てる様になっても、周りはモノクロにみえて、耳も全然聞こえなくなる、そして、足がおぼつかずふらふらになる。

 哲也も、柔道を始めたばかりのころは、何度もこの状態になったことがあるので、こいつはもう向かってはこないだろうと判断できた。

 そして、凹のほうを見る。

 凹は、ありえないものを見たかの様な顔をしていた。


「おい!まだやるのか?」


すると凹は、ハッ!っと我に返って、


「くそ!覚えてやがれ!」


と言って、まだうずくまっている凸を引っ張って、まるで矢のように逃げて行った。


「何だったんだあいつら。てか、覚えてやがれとか言う奴本当にいたんだな」


 しかし、ああいうことをする輩なのだから、もっと喧嘩慣れしてるのかと思ったら、全くの素人だったな。パンチもぜんぜん遅いし威力もない。あんなの、軽量級との組み手争い(※)に比べたら、よけるのもいなすのも簡単だった。

 しかも、一見でかいなと思っていたが、投げるときに腕を担いでみると、自分の腕より二回り以上も細いんじゃないかと思うくらい全然細かった。

 そんなことを考えていると、襲われていた女の子が近づいてきた。


「あの、助けていただいてありがとうございます!!」


と、深々と頭を下げてきた。


「い、いや、そんなことないよ!困っている人を助けるのは当たり前のことじゃないか!」

女性慣れしていない哲也は、つっかえながら、答えた。


すると女の子は顔を上げて


「是非何かお礼をさせて下さい!それほど大したことはできませんが、このままでは私の気が収まりません!」


「いやそんな悪いよ」


と断りを入れようとした瞬間、哲也の腹がぐぅ~と音を立てた。

 稽古の後、そのままここに飛ばされたので、来た時から若干空腹ではあったが、すこし動いたせいで、さらに空腹度が増してきている。

 その音を聞いた女の子は、


「お腹が空いているのですか?それなら、私の家で食べて行ってください!この道をまっすぐ行ったところにあります。『村野』という表札があるので、すぐにわかると思います。絶対に来てくださいね!!」


とだけ一方的に言うと、女の子は走って行ってしまった。

哲也はその勢いに気圧されてただただ、女の子が走っていく後姿を眺めることしかできなった。

女の子の姿が見えなくなって我に返った哲也は、


「つい勢いのせいで、断りきることができなかった…。これで行かないのはさすがにまずいよな。」


と言って、近くに置いてあったリュックを背負い、女の子が走っていった方向へ歩き出した。

 歩きながら哲也はこれからのことを考えていた。


 まずは、寝床だよな。それから、金も必要になってくるし。そもそも、ここに貨幣なんていうものはあるのかな。ていうか、ここは何処なんだ。何時代なんだ。あんな城、教科書でも見たことないぞ。

 それに、さっきから気になっていたけど、この時代の髪型っていうのは、ちょんまげとか、舞妓さんみたいな髪型をしているんじゃないのか?そんな人は全然いなかったけどな。さっきの女の子も、短めの茶髪だったし、大通りですれ違う人も、みんなそれぞれ違う髪型をしていたな。実際に来てみると案外こんな感じなのかな。

 しかも、刀を持っている人もいないようだったな、武士の魂と言われているものだし、ちょっと見てみたかったな。たまたま、お侍さんがいなかったのかな。

 まあ、その辺のいろいろなことはさっきの女の子にでも聞いてみるか。


そんなことを考えながら歩いていると、結構立派なお屋敷の門の前に来ていた。その門の表札には、「村野」と書かれていた。


「もしかして俺が助けたのって、いいとこのお嬢様だったりするのか!?」


と内心、うれしいような、ちょっと怖いような感じで、門をくぐる。


※組み手争い・・・自分の有利な組手になるように、相手の襟や袖と取る、又、相手の組み手が有利にならないように防ぐ攻防のこと。実力が同等の相手だと、組手が有利な方が、その勝負の7割以上を制したといえる。

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