4話「裏路地で…」
「こんな所で助けを呼んだって、誰も来やしねーよ!」
「そうだそうだ!おとなしく俺たちについてくればいいんだよ!」
と、デコボココンビは、女の子を無理やり連れて行こうとする。
哲也は、「おいおい、勘弁してくれよ。」と内心思いながら、声を出した。
「おい!何やってんだ!」
すると、デコボココンビがこちらに気付いた。
「何だお前!」
「なんだこいつ、変な格好してんな」
「格好は関係ないだろ!それより、その子嫌がってるようだけど?」
変な格好と言われた哲也は、少しイラつきながら言った。すると女の子が、助けを求めてくる。
「助けてください!!この人達に無理やり乱暴されているんです!!」
「と言ってるようだから、離してやりなよ」
と言いながら、哲也はデコボココンビに近づいて行った。
「うるせぇ!邪魔するなら、容赦しねえぞ!」
と言いながら、でかい方が殴りかかってきた。
大振りなパンチが、大きな弧を描きながら哲也に襲い掛かる。とっさのことに反応できず、哲也はそれを食らってしまう。全然体重の乗ってない素人パンチだったので、ダメージはほとんどないが、少し後ろによろけてしまった。
「これ以上痛い目に会いたくなかったら、とっとと失せろ!」
という相手を視界の中心にとらえながら、哲也は背負っていたリュックを降し、「ふぅ」と小さく息を吐いた。
ここで哲也は、臨戦態勢に入った。




