使者
「はっはい!ありがとうございました!」
レイヤーは珍しく緊張していた。
初めて会ったときから強いとは思っていたけど、まさかexランク冒険者様だったなんて、、、
それにカッコよかったし。
「あーあ、ちょっと狙ってたのになぁ」
この声は誰にも届かない筈であったが、レイヤーの前に並んでいた冒険者に聞こえていたため、このあとギルドでは大騒ぎになったとかならないとか。
その頃フロートキャスト城には王宮から使いが来ていた。
「こっこちらが大公爵様のおっお住まいでよろしいでしょうか?」
「ああ、私は大公爵軍三番隊隊長のアイン=シュタインゲートだ。
よろしく頼む。主はしばらくしたら帰って来るはずだ。しばし待たれよ。」
「はっ、こちらこそよろしくお願いいたします。」
フロートキャスト城にきた王宮からの使者は空に浮いている城にどうやって入るのか疑問に思っていたが転移門で移動してからは常識的な考えはもう捨てようと葛藤していた。
そんなとき、城が一瞬ざわめいた。
シュタインゲートはなにかを察しそして呟いた。
「主のお帰りだ。頭を下げよ。」
段々と近づいてくる足音は、使者にとっては覇王の凱旋にしか聞こえなかったに違いない。