王のため息
「ほう。そうか大義であった。」
ばたんと扉を閉めて大佐が王の間を出ていくとそれまでの王の威厳とでも言うようなピリピリした空気がやわらぐ
「それにしてもexランクとはな。実在していたとは驚きじゃ。」
少し延びてきた髭を鬱陶しそうにさわさわとなでながら何かを考える王に第2王女であるヒスイの姉は
「それだけでなく、ヒスイはその殿方に惚れ込んでしまった模様です。いかがいたしましょう。」
と、面白がるようにつけくわれえ、ビックリした顔をしたヒスイをみて満足そうな表情を浮かべる。
「お、おお父様、そのわたひはべつにその、、にゃにもそのようなことはいっておりましぇん!」
顔を真っ赤に染めて、珍しく噛みまくるヒスイのその言葉には説得力の欠片もなく、すぐに黙ってしまった。
その様子を見て王は溜め息をつきた。
「気持ちはよくわかった。下がれ」
そういって王は亡き母の像をみあげるのだった。
フロートキャスト城、その頂きに一人の男が座っていた。
青い髪をたなびかせ、細身だが引き締まったからだをもち、やさしそうでありながら、力強さを感じさせるような目をもつ男、アレクシスである。
前は異世界にはしゃいでいたアレクシスだったが今では考え方も変わり、この世界に生きる男になっていた。
「俺の体は変わり、考え方も少し変わった。
だが、俺は俺のままだ。やりたいことをやる。」
自分に言い聞かせるように呟いたアレクシスの声には力がこもっていた。