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王城
ここは王都の中心にある王城。
(あー。かっこよかったです。いつもフードを取ればいいのに!)
「・・・・・・・~」
「あら、ずいぶんとご機嫌ねヒスイ」
「ええ、こんなに機嫌のいいヒスイを見るのはいつぶりかしら?」
王城の王の間へ続く廊下を歩いていたヒスイは突然声をかけられ、思考の邪魔をされるも特にきにした様子はない。
「あらお姉さま、やっぱりそう見えます?」
そういって首をかしげるヒスイを見て「姉たち」も微笑む。
「ええ、多分私達じゃなくてもわかると思うわ」
それもそのはず、普段のヒスイはあまり笑わない。
そんな妹がいま笑顔で廊下を歩いていれば、そう思わないほうがおかしい。
そんな姉妹の会話は終わりを告げた。
それは目の前に大きな扉が現れ、その前にいまにも泣きそうな顔をした王、否、父がいたからだ。
「おお❗戻ったか。心配しておったぞヒスイ。」
両手を広げて迫ってくる父を見て、無意識にアレクシスの顔と手を思いだしてしまい、咄嗟に避けてしまったためそのまま王は壁に突っ込んだのだった。