虹色のカード
「それにしてもアレクシス様はお強いですね。」
「ええ、誠に。あのバウンドロックを瞬殺とは」
しばらくその場で唖然としていた一行であったが、とどまる理由もなかったので、王都へ向かっていた。
「いえ、そうでもありませんよ。」
アレクシスは周りの皆が大袈裟に見ていると思って、適当に流して答えた。
それを聞いて一人の兵士が目を輝かせながら近づいてくる。
「なっ、なんだ。」
少し引きぎみでこたえる。
「いえ。実は僕、兵士をやりながら冒険者をやってまして、そっその、Aランクが夢なんです。」
言いにくそうにそれでいて、決意を感じさせるような声でいった。
「そうか、」
ポツリと呟いたようにかえす。
アレクシスに、努力を積み重ねている者に励ましのことばはかけられなかった。
「それで、その、ギルドカードを見せてくれませんか?一度でいいからAより上のギルドカードを見てみたいんです❗」
なんとか振り絞って発したその言葉に、アレクシスは眉を寄せた。
俺はまだランクひくいよなー。?
多分、まあいいか。
「ああ。いいよ。」
そういって取り出したカードは虹色に輝くカードになっていた。
そこには、exランク アレクシス
とかいてあった。