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Morbid relations  作者: SATSUKI
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-2-

 その封筒は周りの者が白色のレターセットの様な可愛らしいものであるのに対し、赤い色をしていた。真っ赤だった。

 持ってみた感じ、どことなくパリパリとした乾いた紙のような印象を受ける。また、結構な枚数の紙が入っているのか他と比べて少し重みを感じた。


 「何か明らかに異質な雰囲気があるよな。ハートのシールで封をしているところなんかは同じなんだけど…」


 なんかな…と言いながら、悠は紙を触った手の指を指同士で擦り合わせている。

 俺も同じことをしてみると赤い色をした垢のような物がでてきた。更に、多少の決して気持ちの良いものではない匂いまでする。どうやら指にこびりついてしまったらしい。

 悠も同じことを思っていたらしく、なんか百円握りしめてた時みたいな匂いがする、と言っている。


 まぁそれは置いといたとして問題は中身だ。幸いにも悠の席は俺の前の席。話をするにも手紙を見るにももってこいの席だ。

 今は5月入って間もない頃で、数日前に席替えをしたばかりだが、こんなに早い頃に席替えをしたことには驚いたが、悠の席がすぐ近くにあるのはやっぱり嬉しい。くだらない話でも気兼ねなく話せるし、相談事とかものってくれる。

 つくづく思うがとても良い奴だ。


 「さて、始めますか!早速だけど読んでみようぜ!」

 席に着くなり、悠は後ろを向いて身を乗り出してくる。

 その勢いにつられて俺も気分が高揚する。


 慎重に、破けないように、と封を開く。


 ホームルームが始まるまで20分程度。まだクラスは賑やかだ。

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