はじまり
時系列順にはなっていません、何話から見ても大丈夫です。
各話が短いので好きに読んでください。
アズサは中学一年生、朝起きるのが苦手だった。
今日も母親が焼いてくれた小倉トーストを片手に玄関から飛び出た。
「いってきまーす!ああッもう、急がないと遅刻だよ~」
ダッシュで何度か住宅地の角を曲がると
「あっ、イテ、つつッ…あ小倉トーストッ!」
地面には小倉トーストが、小倉が塗ってある面が下になって落ちていた。
アズサはなにかにぶつかって転んでしまったのだ。
後ろを振り返ると、小型の柴犬が一匹
「なんだ、ワンちゃんか気をつけてよねッ!」
「それは君も同じだろう?アズサ」
「え…」
聞き間違えではない、確かに目の前にいる柴犬が喋ったのだ!
「あわわわわッ」
慌てるアズサ、当然だろう。
「落ち着くんだアズサ、説明するね僕は魔法王国から来た妖精マスコットの芝太郎だ、何日か前から魔法少女適合者をさがしていたんだ、それが君さ、今日から君は魔法少女マジカルゼンザイになるんだ!」
「ちょ、ちょっと待って、そんな急に色々言われても・・・、私何をすれば?」
「君には人間のネガティブを解決してもらう事になる、それに応じて魔法力が貰える」
「魔法力?」
「そう、解決するネガティブが大きければ大きいほど、たくさんの魔法力がもらえるよ、魔法力はある程度貯まったら景品と交換できるんだ!」
「へえ…、すごいね景品てどんな?」
「どんなでもさ、魔法力の量に応じて、10万、50万、100万円分の景品があるよ!」
にわかに信じ難いが本当のことだった。
アズサは現在体験している出来事にある程度耐性ができていた、そして自分がすべきことを思い出す。
「そうだッ、学校!」
アズサは走り出す。
「待ってくれアズサ、それに鞄を忘れている」
鞄を咥え走る芝太郎、すぐにアズサに追いつき併走する。