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2-6

おいでいただき、お読みいただきありがとうございます。

いつの間にかお気に入りが70件を超えておりました。

うれしくてコサックダンスを更新後踊りたいと思います。

身辺が騒がしいためなかなか定期的に更新できません。

ただでさえ遅筆なのにすいません。

なんとか、あと1話は今月中にあげたいです。

2ー6


昼食の時間になりました。


私の部屋にはアルシェスからつれてきた人たちが勢ぞろいしています。

もちろん出される料理はロムレ対決でこの国の料理長に勝ったエリンのもの。

材料はあんまりにも恐れ多いことと、タンジールにバレたら大変と言うことで、神国産ではなくタンジール産のものをつかっております。


目の前に並ぶのは、エリンの苦心策。

結婚式後の晩餐会で出す予定のもの。


ロムレ対決のついでに料理長に晩餐会のメニューを相談していたらしい。


でも未だに何となく肉々しい。

お皿の上が茶色っぽい。

それでもかなり脂っぽさはなくなってる感じはするね。


エリン、苦労したのね・・・・。

どんなにメニューを考えたところで、作るのはこちらの料理人。

「ごちそう?肉だろ、肉!それにこってりの脂と塩!!ほかになんかいるのか??」

っていう野蛮もとい、粗野いや、がさつじゃなくて、ええとなんていえばいいのかしら。

そう・・・・男性的!!

そんな頭しか持ってない料理人に野菜で繊細な味付けの料理を作れって言ったとしてもできるわけないし。それ以前に料理できないと思う。

だってあつかったことなさそうだし。


昨日の脂まみれの料理に比べれば今日のは食べられそう。

だって今日朝起きたら肌がテカっているのよ。

信じられないわ。

どれだけ脂まみれだったのよ、昨日の晩餐。

ほっぺおしたら油しみでてきそうよ。


あれで、美食の国末裔を騙るのは無理がありすぎよね。

少しはまともな料理が今夜から食べられるのかしら?


さて、それぞれの仕事を終え、今この部屋に集まっている面々といえば。

まず、私。

アルシェス王女、目下タンジール王太子殿下の婚約者(仮)

「典礼の姫」「魔術師殺し」のアーシェラーナ。


従兄弟の身分と名前を借りて、溺愛する妹姫の婚礼についてきちゃった

シスコン第三王子。ヘルムート殿下。

今はいとこの名前である、エリオット。

「八方美人」「情報通」の超絶美形イケメン

「本気出せば強いんだよ?」(本人談)


それから、アーシェラーナ姫の乳兄弟にして最強侍女

「透視能力者」「空気読ませたら国一番」のアンナ


世界の管理者にして創造主、暇を持て余す世界王、エルリック(以下略)

今はアーシェの近衛騎士のリック

「面白いこと大好き」「偏愛の王」「世界の知識蔵」


神王の臣従にして神獣、人間プラナリア

「いったい何人いるんだ?」のエリン・エレン


サカタヒラの協力者にして、官憲。

犯人検挙率ナンバーワンの実績(すべてサカタヒラからの横流し)

「寡黙な刑事」「情報提供者」 のケイブ・カリヤー


以上の7人がエリン作のお試し昼食を囲んでいます。

あらかた食べ終わるまで表面的な話しかしてません。

だってあんな話なんかしたら、作ってくれたエリンに失礼じゃない。


ようやくデザートまで食べ終わった頃、

私はあたりを見回して、音の結界を張り巡らせた。

そして何事もなかったかのように話し始めた。


「さっきさ、ナガルが来たの、採寸しにね。」

だれに語りかけるわけでもなく、話し出す。

未だに思い出すとすこーし鳥肌。


「ナガルが採寸するの?」

とエリックが突っ込んできた。


「ああ、ごめん、さっきね魅了をかけられたんだけど効かなくて、

その反動で相手の偽サカタヒラが私にはナガルに見えたの。

だからさっき、アンナと面倒くさいから、いっそのことあいつらをナガルって呼んでやろうかとおもって」

そう説明する。


「うん、それで?」

小兄様がかるーく相槌をうつ。


「私に魅了とかをかけようとしたのよ。」

少しむくれながらもう一回そう言った。


「うわー、ばかでー」

今度は小兄様がスパッと切って捨てた。

その軽い調子にちょっと落ち込んでいた気分がだいぶ回復する。


「うん、バカでしょ?

たぶんあいつ等私のことなーんにも知らないのよ」

そう言ってにやりと笑った。


「で、どうだった?」

それは、術を跳ね返した感想でしょうか?

それともあいつ等の印象でしょうか?

とりあえず、感想から、ね。


「最悪。向こうは何とかして魅了しようとしてどんどん魔力を込めてくるし。そのたびにこっちはどんどん嫌いなものに見えてくるし。

最後には等身大のナガルに見えたくらい。

ものすごく気持ち悪くて。

その上触ってくるもんだから、思わず叫んで追い出しちゃった。」

魅了は術者のレベルより対象のレベルが高くてかからないときは、

術者の隠し情報まで個体情報がかけようとした相手にばれる。

掛けられた方は、魅了の反対の効果が現れる。つまり大嫌いなものにみえるのだ。

私にはあの詐欺師が等身大の巨大ナガル(ゴキブリ)に見えてきた。

ああ、気持ち悪っ。


「うへ・・・それは・・災難だったね。」

私の話を聞きながら小兄様まで鳥肌をさすっている。


補助えげつない魔法使いであったことにこんなに後悔したことないわ。まあ、なんとかあいつ等の個体情報ステイタスは手に入れたわよ。」

まあ、収穫といえばそれだけなんだけどね。


「おお、すごい。」

いままでどんなに調査しても情報が出てこなかった詐欺師集団の個体情報だし、有効活用しなくてはね。


「王女様。発言をしてもよろしいでしょうか。」

いままで、だまって私たちの会話を聞いていた、カリヤーが口を開いた。


「そうね、ここにいるのは身内指定するわ。

直答を許します。カリヤー、噂は聞いているわ。今回貴方の活躍を期待しているわね。」

普通、警備兵が主任とはいえ、警備対象の王族に直接会話できることは緊急事態でもない限りありえない。

手順をきちんと踏んで話しかけてくるだけでも、この男が義理堅いことが

うかがわれるというものだ。


「ありがたき幸せ。王女殿下、早速ですがご報告があります。いと尊き神王猊下のご尽力をいただくことができ、サカタヒラ一行の準備が出来次第、こちらに来ることができることになりました。」

そう言って一礼する。


「え?」

何のことかわからなかった私は、聞き返してしまった。

「どういうことなのですか?」


「特別にアルシェスの杜からこちらまでの人転送を許可していただけました。」

平然と答えるカリヤー。

びっくりしてなにもいえずに神王を見つめる私。

その視線に平然と神王は言ってのけた。


「だって、探偵のいない探偵物語なんて面白くないでしょ?」


「ですけど!出入国の手続きとかはどうするんです?」


「そんなもの、幻影に手形持たせて、明日にでも関所通らせればいいでしょ。忘れてない? ワタシは神王だからねー。国内法なんかには縛られないんだよ」


面白いか面白くないか。

それが神王このひとの判断基準だって知ってはいるけれどまさかここまでとは思わなかった。

なんて言えばいいかわからないままでいる私に神王の声が追い打ちをかけた。


「ああ、荷造りが出来次第、こちらにくるそうだよ。

明日の朝には転送するつもりだから。」


「エリック。無茶ついでに、ここにある紅茶カップのなかに、水鏡を作ってくれないかしら。

二度も三度も同じこというのいやだし、サカタヒラにもいま手に入れたばかりのあいつの個人情報をここで聞いてもらった方がはやいとおもうのよ」


「ああ、いい考えだね。さすがだ。

いまつなぐから待っててね」


そうして、音声と映像を映す水鏡なんていうとんでもない高度な術をあっさりとティーカップの中に作り上げた神王様のおかげで混乱の作戦会議はますます混迷の度を深めていった。


どうしてこうなったんだろう。

プラナリアとは切ってもさいせいするだけでなく、切った方もまた再生する、

マドハンドやペーパーマン的な生き物のこと(実在)

理科の実験でやりませんでしたか?



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