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第2話 姫その2

 城の重い門が音を立てて閉じた。俺は振り返らず、商店街へと足を向ける。**アイラによると、**魔道具やポーションなど買いそろえてから出発するらしい。そして、その買い物は俺に任せるとのことだ。これが本当に冒険の始まりなのか、まだ実感が湧かない。


「いや...いいけど。金の価値知らねえよ。いいのか?」俺は不安げに尋ねた。初めての異世界で、通貨の価値もわからないまま買い物をするなんて無謀だと思った。


 アイラは髪を軽く払いながら答えた。「金なら腐るほどある、買い物ついでに覚えたら。大まかなことだけ教えておくわ。銅貨が一番安くて、銀貨が中くらい、金貨が一番価値がある。日用品なら銅貨数枚、宿泊なら銀貨一枚程度ね。」そう言って、彼女は小さな袋を俺に手渡した。中には金貨が数枚と銀貨が十枚ほど入っていた。


 これ以上何を言っても変わらないと悟り、大きな文字の入った木の看板の店に入った。「魔道具店アルカナ」と書かれているようにも見えるが、文字は異世界のものなので、正確なところは推測でしかない。石畳の床の店内には、様々な魔道具が所狭しと並んでいた。杖や水晶玉、奇妙な形をした装飾品、色とりどりのポーションの瓶など、よくファンタジーRPGの店に来た時の高揚感が湧いた。この子供のような胸の高鳴りを抑え、買い物に集中しようと決意した。


 「何かお探しですか?」老店主が優しげな笑顔で尋ねてきた。 「あー、実は冒険に必要な魔道具とポーションを探してるんだけど...」俺は困ったように頭をかいた。


「字は読めないので、適当に見繕ってもらえませんか?」


「なるほど、外国からいらしたのですね。では、初心者の冒険者向けにセットしてみましょう。」


 店主は棚から様々なアイテムを取り出し始めた。 振り返って窓の外を見ると、アイラの姿が見える。彼女は店の前で腕を組み、警護するためなのか通行人に鋭い目付きで睨みをきかせていた。さっきの城での謁見の時もそうだった。国王と話す際も、どこか冷たい表情を崩さず、その威厳はプロの騎士そのものだった。


「お待たせしました。回復薬が3本、解毒剤が2本、一時的に身体能力を高める強化薬が1本。それから、初心者向けの魔法書と魔力測定の水晶です。全部で銀貨8枚になります。」


  店主の提示した金額に頷き、アイラがくれた袋から銀貨を取り出して支払った。商品を革の袋に詰めてもらい、店を出た。 「はい、これ」と彼女に手渡すと、アイラはそれを素早く確認してから自分の荷物に収めた。彼女はついてこいと言わんばかりに無言で歩き始めた。石畳の通りを行き交う人々を縫うように進む後ろ姿は凛として美しいが、近寄りがたい雰囲気を纏っていた。 5分くらい歩くと、どこに向かっているのか流石に気になってきた。不安を感じた俺は思い切って質問してみた。


「なあ、今度はどこに行くんだよ。不安なんだ。」


「宿よ。なぜ不安になるの?」アイラは足を止めずに答えた。 「俺を殺すとか? どこかやばい場所に置き去りとかじゃないだろうな? 結局、俺がなんで選ばれたのかもわからないし...」不安を隠せず言葉を続けた。

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