第2話 姫
白い光に包まれながら目を閉じていた僕は、雰囲気が変わったのを感じてぱちぱちと目を見開いた。
そこには薄暗く長いローブを着た老人が立っていた。その老人は「おおー成功じゃ。さっさと王に伝えよ」と騎士に向かって言い放った。命令を受けた騎士は慌てて部屋を出ていった。その後に他の部屋に案内され待機しているようにと言われ、僕は大きめのソファーに腰かけた。
偽神からもらったカードをすっかり忘れていた。魔力を込めると発動するらしい。魔力を出すどころか感じ取ることができない。気合でやるのか?それとも何かコツでもあるのか?気になるが、使える時間はあと二、三分しかない。考えているうちに誰かが来てしまうだろう。後々誰かに教えてもらうしかない、と色々考えているうちに、騎士から「準備ができましたこちらへ。」と声がかかった。
騎士に連れられて、いよいよ国王と謁見だ。ここに来て、僕はまともに敬語が使えるかどうか怪しく、不安になってきた。扉をくぐると、手前には騎士たちが並び、正面の玉座には国王と隣には王女様が座っていた。その後ろには冒険者の格好をした女性も立っていた。僕は指定された場所まで行き、ひざまずき頭を下げた。転移されたのはいいものの、待合室にいる間中追放ものではないかと心配していた。しかし、周囲は険悪な雰囲気ではない。むしろその緊張感は僕ではなく他の誰かに向いているようだった。
「頭を上げよ、召喚された勇者。そなたの力で魔王の侵略を止めてくれ。**だが、**ここに来て間もない。常識やお金の件で色々戸惑うこともあるだろう。**そこでだ、**私の娘のアイラ・リッチモンドだ。すべてのことは彼女に聞くといい。来て早々申し訳ないが、出発に取り掛かってくれ。旅の資金と防具もこちらで取り繕おう。何か質問はあるかね?」
「それは、かなり危機的状況なんでしょうか?」
「そうだ、侵攻が思っているほど速く、いくつかの国が滅んでいる。」
「分かりました」僕は納得し、国王から頂くものをもらった。
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