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第八話 「普通じゃないヤツ程普通を求める」

 また大事な人を失った。

 俺は部屋に引きこもった。

 前世でもこんな感情だったのを覚えている。


 あぁ、もう3日魔術訓練と素振りサボってるな。

 毎日やろうってノルマにしてたのに、今日まとめてやればいっか……。

 あぁ、そう考えるとさらに面倒くさくなってきた。


 そうだ、今日までの魔術と素振りのノルマは一旦リセットしよう。

 今日は休んで明日からやればいい。

 そう、明日。

 明日から頑張ろう。


 明日……


「…………はぁ」


 そう思っても次の日にはやる気を失う。

 経験談だ。

 高校時代、英単語を毎日100個覚えようと思っても、1日やらないとずっとやらない。

 あれ?今週やってないよな?

 なら土日で500単語やっちまうか!

 え?500も?土日の分も合わせて700?

 そんなできねーよ。

 みたいな。


 レオンとウルが心配して何回か声をかけてくる。

 鬱陶しい。

 ほっといて欲しい。

 干渉しないで欲しい。

 人と話すと精神が削られていく気がする。

 イライラするんだ。

 やめてほしい。


 ここが自分の家じゃなかったなら暴れてたかもしれない。

 法律がなければ数十人は人を殺してるかもしれない。

 そうだ、森で暴れよう。

 いや、あの森はあの男のせいで無くなったのか。


 リオナによると、ルナリア王国に迷宮があるらしい。

 あそこなら暴れても誰も文句を言わないのでは?


「……」


 動けない。

 たぶん、家から出ようとすると、レオンかウルがどこに行くの?って聞いてくると思う。

 でも答えれないな。


 てか、なんで聞いてくるんだろう。

 ウザいよ?そういうの。

 俺が外に出て人を殺せば自分達親のせいになるからだろう?

 結局自分のことじゃねぇか。


 いや、まぁ自分でも分かっている。

 めっちゃ自己中な感情を抱いてるってこと。

 けれど、そうやって自分を正当化しておかないと生きているのも無理かもしれない。


 俺って生きてる意味あんのかな……?

 分からん。



 生前、俺は澪を目の前で失った時切り替えれていただろうか。

 いや、しばらくは寝込んで、動けていた記憶がある。

 なら今回もしばらくすれば元気になる。


 リオナが言っていた

他人ひとを許した数が人の強さだよ」

 ってそういうこと?

 復讐はするなってこと?

 けど無理じゃない?

 復讐しようと思わないと生きるのも嫌になってくるよ?俺。



 せっかく異世界に来たんだ。

 色んなことを経験しておかないと損だ。

 この世界に来た時、そんな気分で頑張ろうと思っていた。

 けれど、新しい環境に身を置いてもしばらくすると飽きる。

 結局俺は頑張れない。


 何度も立ち上がった。

 けどその度に扉の前で立ち止まった。

 頑張って何かを残しても結局人間いつかは死ぬ。

 なら何も残らなくないか?


 日本の武士は、死より恥を恐れるらしい。

 変な話だ。

 死んだらどうせ何を感じなくなるだろうに。

 それだけのプライドがあれば俺も動けるかもしれない。

 いや、死より重いプライドってなんだよ。



 ただ近くにいたいだけなのに、

 ただ前に立ってくだらない話をしたいだけなのに、

 目が合うと相手が生きてるんだな、て実感できて、

 相手とコミュニケーションが取れると安心できて、

 え?求めちゃいけねぇのかな……

 なんで俺のそばから消えちゃうんだよ。

 嘘でもいいから返事してくれよ。

 俺って強欲なのかな……


 あの人がずっと大事に持っていた剣。

 俺はそれを持ってきていた。

 改めて見るとめっちゃカッコいい剣。

 黒と赤の細長い刃は、シンプルなデザインなものの、彼岸花のような力強さを感じさせる。


 大切な人の物を見ると悲しくなってくる。

 澪からもらった飴は、死ぬ瞬間までポケットに入れていた。

 たぶん腐ってドロドロになっていたと思う。

 なんだろう。

 持っていなくちゃいけない、みたいな。

 けど、包装された飴を見ると悲しくて涙が出そうになる。



 コンコンとノックされるドア。


鬼族オーガの村に用事があるけど、一緒に行かないか?」


 扉の向こう側からレオンが言ってきた。

 なぜ俺を誘うのだろうか。

 アランとかと行けばいいだろ。


 また無視を続けようか。

 そうしよう。

 鬱陶しいし……


 そうやってシカトしようとすると、レオンは無断でドアを開けて入ってきた。


 驚いておこうか。

 いや、めんどくせぇ。


「いいから来い!」


 無理矢理俺を引っ張り出す。

 引きずられながら、小さく足だけ抵抗しておいた。

 葛藤があったからかもしれない。


「ほら!外の空気は気持ちいいだろ?」

「窓から顔出せばいつでも吸える」

「外に出て吸うのとでは違うだろ?」


 俺はため息をつきながらそっぽを向いた。


 レオンは、俺が鬼族の村まで付き合わないと帰してはくれないだろう。

 俺は観念するように言った。


「早く用事を済ませましょう」

「そうだな!」


 と、レオンは微笑みながら言った。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 鬼族の村は、想像より豊かそうな街並みをしていた。

 鬼族と言っても、見た目はほぼ人族で、少し体が大きくて、ツノが生えているくらいしか違いがない。


「俺は用事を済ませるからその間あの子供達と遊んでこい」


 おいおい、もう俺は30代だぞ?

 そんな俺が知らない人達と仲良く遊べると思うか?


 仕方なく返事はしておく。


「……はい」


 おそらく用事は、俺の入学祝いパーティーのことと、軍関連だろう。

 なんとなく会話で分かった。


 適当にその辺で時間を潰しておこう。

 魔術練習くらいしておこう。


 と、その時だった。


「…………ん?なんだろう」


 鬼族の子供達が屯っている。

 どうやら騒ぎらしい。


 近くに寄って見てみると、一人小さい子がより小さくうずくまっていた。


 うえ、いじめかよ。

 …………ん?


 いじめられていた子は、ツノがなかった。

 人族なのだろうか。

 だとしたら俺もいじめられるな〜


「ツノがないヤツは鬼族じゃねーだろ!」

「親が人族と浮気でもしたんじゃねーのか?」

「ありえるわ〜!」


 けれど、俺の中には助けないといけない、

 そんな義務的な感情があった。


 あの日、弟が死んだ日。

 澪をいじめていたクズ共。

 弱いヤツは群れる。

 虫酸が走る。


「なぁ、」

「あぁ?」


 どこのチンピラだよ。


「俺も鬼族だけどツノないぜ!けど困ったことなんてない!え?お前らのそれは飾りなんだろ?」

「なんだとコノヤロー!うちの兄ちゃんバリこえーからな!呼んでくるから待ってろ!」


 他力かよ。


「お兄ちゃん!アイツが俺のこと殴って来たんだ」


 嘘つけ。


「そうか、お前がうちの弟可愛いがってくれたのか〜」


 10歳くらいの鋭い2本角を持つお兄ちゃん(草)が指をポキポキ鳴らしながらやって来た。


「あぁそうだぜ!かかってこい!」

「クソガキ!」


 お前もだろ。


 単調な殴り攻撃を軽く受け流し、その回転の勢いのまま、回し蹴りを腹に入れてやった。


「『ノクターン流 脚術 影豹えいひょう』」


 あ〜、これは肋折ったかもな。

 まぁいいか。


 俺の回し蹴りで一発KOされたクソガキ。

 自信満々で登場して来たのに……笑えるぜ。


「さぁ早く立ち上がってもっと打ってこい!鬼族も大したことねぇぇなぁ!……あ」

「お前!やっぱ人族かよ!てか、貴族のところのお坊ちゃんじゃねーか?貴族が、ツノ無し鬼族庇うのかよ!」

「庇う?まぁそうだね」

「お兄ちゃん倒したからっていい気になるなよ!」


 お前は何もしてないだろ。


「ねぇ、もうめんどくさいから全員殺していいかな」


 喧嘩において大事なことは勝つこともそうだが、それ以前に舐められないことも大切である。


 全員が顔を青くさせ、散っていった。


「貴族がツノ無しと仲良くしてたってバラしとくからな!」


 やっぱ他力だな。

 てか、久しぶりに人蹴ったな。

 やっぱり気持ちがいいぜ。

 いや、違う。

 俺は落ち込んでいたんだ。

 何やってんだ俺は……。


「大丈夫ですか?」


 いじめられていた少女を見ると……


 めっちゃ美少女だった。

 瞳でっけぇ!

 髪めっちゃサラサラ!

 サファイアのような瞳がこちらを覗く。


「う、うん……だ、大丈夫」


 身体中ひどい怪我だ。

 治癒魔術が使えたら治してあげたい。


 水色のショートヘアの彼女は首が丁度見える。

 縄が当たっていたような後があった。

 想像しただけでゾッとした。

 触れないようにしておこう。


「なんでやり返さないんですか?」

「怖いもん……いつもはもっと大きい人いるし……」


 本当に嫌なヤツらだ。

 周りと違うってだけでいじめるって残酷だな。


 澪は耳が聞こえなくて、ウザがられていたからいじめられていたけど、ツノがないとそういう影響もあるのだろうか。


「逆になんでそんなに強いの?」

「うちは体術を代々継いでいるらしい。それを父から習っただけです」

「そうなんだね」


 家系に感謝だね。


「大変……」


 可哀想や、大変だね、は言わない方がいいかもしれない。

 煽りに聞こえる。


「……いや、ツノってそんな大事なんですか?」

「ツノは鬼族が魔力を蓄えるためにあるし、ツノがないと力も弱くなっちゃうから……」


 なるほど。

 鬼族にとってツノは大事なものなのか。

 日本から来たせいか、どっちでも良くね?と思ってしまう。

 いかんいかん。


「じゃあ、返り討ちにできるように魔術教えましょうか?」

「魔術?あーうん」


 ちょっと嫌そう。


「魔術ってこんなこともできるんだよ?」


 線香花火を再現した魔術を見せた。

 飛び散る火にあちっ!とか言ってて可愛いかった。


 ちなみにそんな魔術は存在しない。

 無詠唱魔術だからこそできる。

 自由に形作れるのが無詠唱魔術のいいところだ。


「夜の方が綺麗なんだけどね」

「私にもできるかな?」

「できますよ」

「あーけどね、鬼族は魔術師にはならないんだって」

「ふ〜ん、まぁ出来てて損はないと思いますよ」

「そうだね」


 と、俺は適当に思い付く限りの初級魔術を教えた。

 基本、無詠唱で魔術を使うので、詠唱を覚えている物を中心に教えてあげた。

 ツノに魔力がどうとか言っていたけど、魔力の量も初期の俺よりあるだろう。

 すぐにでも俺を追い越すと思う。

 俺も頑張らないと。


 やることがあると時間が進むのはあっという間だ。

 いつの間にか夕方になっていた。

 レオンも心配するだろうし、早くこの子を家に送り届けよう。


「よし、帰りましょうか」

「うん!」

「君の家はどこなんですか?」

「あっちだよ」


 そんな指さされても……


「家、教えてもらえませんか?」

「え?付いてくるの?」

「え?うん。またあのクソガキくるかもしれませんよ?」

「そ、そうだね」


 ああいうクソガキは、仲間を引き連れるなり、待ち伏せするなりして、また何かしてくるだろう。

 その時はもう一度ボコボコにしてやる。


「そういえば名前はなんですか?」

「私はネム。えーと……そっちは?」

「フィンです」


 名前の割には目はぱっちり。


 ネムの両親にはしっかりツノが生えていた。

 二人とも立派な一本角が額から生えている。

 うつ伏せで寝る時邪魔そうだ。


「こんにちは、フィン・ノクターンです」

「ノクターン……あぁ、貴族んとこの子?」

「はいそうですたぶん」

「礼儀正しい子だね」

「……どうも」


 鬼族は人族を良く思っていないのだろうか。

 俺と話すのは少し嫌そうだ。

 もしくは、ノクターン家が嫌われているとか。

 まぁ、どちらにせよ、ネムの親と会うのはこれっきりだろう。


「ネム……今日はいじめられなかったか?」

「大丈夫、フィンに助けてもらったから」

「そうか、よかった……」


 う〜ん、妙だな。

 よかった……?はちょっとおかしくない?


「フィンくん、ありがとう」


 ネムの父がそう言い、ネムの両親は深々と頭を下げた。


「僕はそんなにたいそうなことはしていません」


 一応謙遜しておく。


「いやいや、恩人だよ」


 と、両親は泣きながら言う。

 そ、そんなに?


「僕は自己満足でしただけです。いじめを見て見ぬふりできるほど性根は腐っていませんし」

「そうか。というか言葉遣いが大人びているな」

「そうですか?そんなことはないと思いますけど」

「さっき君のお父さんがうちにも来てね、フィンくんの話ばっかりするんだ!優秀な息子で羨ましいな〜」


 ガキ痛ぶって遊んでるヤツが優秀なわけねぇだろ。

 なんか皮肉言われてるみたいでイライラしてきたな。


「あの……父様が心配するのでもうそろそろ帰ります」

「あ、あぁそうかい?気を付けて帰るんだよ。ほら、ネムもバイバイ言って」

「また、遊んでくれる?」

「もちろんです」


 俺は、3人に手を振りながら背を向けた。


「もう、勝手に出て行ったりしないでね」

「そうだぞ、お願いだからもう死ぬなんて言うな」


 俺は横目で両親がネムを抱きしめているのを確認すると、足早で離れた。

 ふと、首にあったロープの後を思い出した。


 そういえば生前、俺も同じことを言われたような気がする。

 空襲の前だ。


 女手ひとつで育てていた母に、俺が死ねば弟の治療費が貯まるのかと聞いた。

 けれど、母は死ぬなんて二度と言うな!この親不孝者!とキレていた。


 俺は親になったことがないから分からないけど、親は自分の子供が死ぬと悲しいものなのだろうか。

 全く分からない感覚だ。

 俺が死ねば母さんも楽だろうに。


 もしくは、師匠が俺を守ってくれたように、自分が育ててきた物を壊されるのが嫌なのだろうか。

 作った泥団子を壊されてもそこまで怒らないけどな。

 積み上げてきたゲームのデータを消されるみたいな。

 いや、それでも泣けはしない。


 くそ、分からん。

 難問だ。


 考えていると、レオンの元に着いた。

 怒っている。

 なんでだろう。


「父様、少し遅くなりました」

「なんで怒っているか分かるか」

「分かりません」


 即答してやった。

 怒られることをした覚えはない。


「さっき挨拶回りをしていたらな、サラさんのところキドウくんを蹴ったそうじゃないか!」


 たぶんあのガキ共の中の誰かだろう。

 一瞬で分かった。


 自分がやられたことだけを報告しやがったな?

 まぁ人間誰でもやる。


「父様がどんな話を聞いたかは知りませんが、僕はそんなことはしていません」

「そんなはずはない!確かにキドウくんは怪我していた!」


 ちぇ、嘘は無理だったか。

 てかなんでお前はキレてんだ?

 別にお前が何かされたわけじゃねぇだろ。


 生前、母は怒らなかった。

 俺が学校で悪いことをしても笑っていた。

 けどコイツはキレてる。

 なぜだ?


「なんでそんなに怒っているのですか?」

「お前がキドウくんを……」

「いやそうじゃないんです」

「どういうことだ……?」

「それは向こうが僕に言うことでは?」

「何を言っているんだ?」


 レオンは困惑している。

 俺の言っているのとは間違ってるのか?

 いや、間違ってないはずだ。

 意見すらまともに述べられない弱者が大人を通じて伝えてもらうなんて……反吐が出る。


「お前が将来、他人ひとを傷つけても何も思わない人になってほしくないから言っているんだ」


 なるほど、親は子供を教育するために怒るのか。


「そうか……よく分からないな〜」


 怒っているのか困惑しているのか、眉をハの字にする。


「父様は、アイツを蹴ったから怒っているのか、父親の威厳を保つために怒っているのか分からんなぁ」

「なんだと……!?」


 ゴツンと殴られた。

 そりゃ、こんな喧嘩腰だと殴られても仕方ない。

 喧嘩しても今の俺ではレオンに勝てないだろう。


「なぁ、今殴ったよな?」

「……え?はい」

「やっぱり父親としての威厳守るためじゃねぇか。帰るわ」


 その後はレオンを見ないようにしておいた。

 喧嘩で勝てないと判断したなら、許しを請うのではなく、相手が手を出せない状況を作り出すのが得策だ。

 そして、敬語をやめることによって自信満々の様子を相手に見せつける。


 勝った……。



 その後、家でのレオンは、目に見えて落ち込んでいた。

 しょんぼりして、肩を落としていた。



---レオン視点---




 俺は何をやっているんだ。


 息子が珍しく怒っていた。

 昔から我儘を言わずに、誰にでも敬意を払って接していたのに、ついに敬語をやめてしまった。


 そりゃ、こんな父親は尊敬に値しないだろう。



 昼下がりの時間帯。

 鬼族の村を順々にまわり、挨拶と入学祝いの誘いをしていた。


 サラの家では、怒鳴られてしまった。

 鬼族の村ではワルガキとして有名なキドウを連れており、みぞおち辺りが青くなり腫れていた。

 奥方の話は要領を得なかったが、要するにフィンがキドウを蹴ったらしい。


 鬼族は元々力が強く、人族より魔力量も多い。

 フィンは人族というハンデがありながら、鬼族より強いだろう。

 5歳にして、無詠唱魔術が使えて、体術や剣術で体は鍛えられている。


 実力はあれど、フィンは子供だ。

 喧嘩もするだろう。

 フィンがキドウを蹴ったと聞いて、

 正直安心していた。


 リオナが死んで、無気力になって閉じこもっていたフィンが、元気良く友達と喧嘩。

 いいじゃないか。


 けれど、フィンは並こ大人より実力を持っている。

 手加減はしろよ程度で怒るつもりだった。

 けれど、フィンを見ると無償に腹が立ってきた。


 蹴ったことを叱ろうとしたのに、こちらが手を出してしまった。


 呪いのせいでもあるだろうが、俺の気持ちの問題でもある。

 もっと冷静でいられるように努力しないといけない。


 憐弱正化れいじゃくせいかの呪い。

 弱い者を見過ごせなくなり、気持ちや力を増加させる呪いだ。


 一見良い呪いに思えるが、クソだ。

 俺が弱者、つまり被害者と判断した方を無意識的に庇ってしまう傾向がある。

 フォレストグリズリーが庭まで来た時、アメリアに必要以上に怒ってしまった。


 フィンの言い訳を聞いていれば呪いも緩和されていただろう。


 呪いとも上手く付き合わなければならない。

 明日、フィンにちゃんと謝ろう。

憐弱正化の呪い

本文の通り、弱いと思った方を過剰に庇ってしまう呪いです。

冒険者時代苦労してそうですね笑

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