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パート・タイム・バッド・レイディ(日帰り悪役令嬢)  作者: 焼ミートスパ
第二章 気が付いたら断罪が終わっていてお城の地下牢でした
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37 王妃様が泣いてお願いしてきますが何の事だか判りません@聖女目線

聖女に憑依していた人は時間になったので帰ってしまいました


後に残される聖女様は大変です


・・・ご愁傷様

「お願いだから許して頂戴!私達は知らなかったのよ!」


見知らぬ宿に泊まっていたら御貴族様の使いという方に王城まで連れていかれ王妃様から泣かれました


・・・一体何が起こっているのでしょうか





いえ本当に判らないのですよ


朝起きたら本当に知らないベッドに寝ていてびっくりしました



ここはどこ?


わたしは誰?


本当にそう思いましたね




聖女に認定されて教会の診療所で働いていたという記憶が実は勘違いだったのか?とマジで焦りました


アイデンティティの喪失に恐怖して冷や汗で全身がビッタリになりましたね




まあ宿の一階の食堂で食べている人達に聞いてようやく事態がわかりました


・・・昨日のわたし、なにやったんですか!と言いたいです





昨日の記憶がまったくありません


たぶんですけど虐待されている私を不憫に思った女神様が私の身体を操られたのだと思います


証拠はありませんけどそれ以外考えられませんからね





なにせ口にするのが小さなパンと具がほとんでないスープだけです


ガリガリなのでそのうち死ぬんじゃないかと思っていました




女神さまもそう思ったので私の身体を操ってご指導されたのだと思います




とまあそんな訳なのが判った所で朝食です


柔らかいパンと具が一杯のスープ


大変美味しいです




「ごちそうさまでした」


手を合わせてそう言うと宿の女将さんと厨房から目だけ出して覗いている旦那さんがほっとしていました


・・・周りにいるお客さんもほっとしているのはなぜでしょうね(汗)




お腹がいっぱいになったところで御貴族のおつかいだという人が入って来ました


そして聖女わたしに一緒に来るように懇願してきました


・・・御貴族様と聖女様に挟まれる中間管理職の方は大変ですね




聖女とはいえ元は平民です


仮にも御貴族様であるお使いの方のお願いを無視できません





御貴族様のお願いは命令というのはこの世界の常識です


断ったら路地裏に死体で転がっているというのが封建社会アルアルです




という訳で馬車に乗せられました


行先はてっきり御貴族様のお屋敷だと思っていたらなんとびっくり王城でした


そして招き入れられた(連れ込まれたとも言う)部屋にいたのはなんと王妃様でした




・・・今までしわ取りとかシミ取りとかで何度も治癒魔法を使っているので顔見知りなんですよ


嫌な顔見知りですね




そして言われたのが冒頭の台詞です




まあそうでしょうね


年齢を感じさせない少女のような輝くようなお顔というのが王妃様の二つ名でした


今では見るも無残なお顔になっていました


完全に老婆でした




・・・40歳でこのお顔というのは計算が合わないと思いますがまさか女神様の報復が入っているのでしょうか





なんでも昨日、聖女わたし


「やられたらやり返す、倍返しだ!」


と高笑いしていたそうです




・・・女神様、私の評判が地に落ちていますよ(涙)





聖女様、勘違いしていますね


あ、でも憑依は女神様の思し召しかもしれませんね

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