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パート・タイム・バッド・レイディ(日帰り悪役令嬢)  作者: 焼ミートスパ
第一章 婚約破棄された直後に入れ替わったちゃったよ
3/39

3 父親の公爵から婚約破棄してきたと言われた公爵令嬢

朝食の場で


「昨日の夜、第一王子とお前との婚約を破棄してきた」


と公爵家当主である私がそういうと娘は


「ふへっ?!」


と突拍子もない返事を返してきた




どうやら公爵家当主わたしの行動が予想外だったらしい





王家からの(おそらく言葉だけの心が籠っていない)謝罪で「仕方がない」と言って許す情けない父親だと思われているのだから当然だろう




なにせ昨日、学園から帰ってきて婚約破棄の顛末を語った後、どうしようと試案した公爵わたしに呆れ返り


「公爵家は完全に舐められているがそれでいいのか?」


と父親への尊敬をどこかに捨ててきたとしか思えない事を言ってきた娘だからな





今までは当主と父親ということもありすべて丸投げしてきたがここにきてもう限界だということで口を出すことにしたらしい


娘が蔑んだ目をしながらそう言ってきたのだから本当だ




王家だけならいざしらず(いやそれでも悪いが)


騎士団長の伯爵家、魔法士長の侯爵家を筆頭に学園にいたすべての貴族の子息が公爵令嬢を見下していたというのだ





「とっくの昔に公爵家とその一門の権威は失墜していると言って良いだろう、それでいいのか公爵様」


呆れているのを態度と口調とセリフで隠すことなく伝えてきた公爵令嬢むすめ


呆れ果てたのか口調が男になっていた





「良いのか、悪いのかの返事すらできないのか」


すぐに返事が出なかったらさらに追撃が来た


よっぽど我が娘は腹に据えかねていたらいい





「さっさと城に行って婚約破棄してこい」


自分の父親を諫めるなり指導するなりすることを諦めたようでため息交じりに命令が来た




「あ、あと、婚約破棄は向こうの有責だからしっかり慰謝料を分捕ってこいよ」


一から十まですべて言わないと動けない新人のような扱いだった



「それから公爵家を蔑ろにした件も忘れるなよ?王家と騎士団長と魔法士長だけでなくすべての貴族にしっかりと手袋を投げてくるんだぞ?」


・・・もはや新人以下だった




「大丈夫だ、敵はオレがすべて殲滅してやるからな」


公爵わたしを安心させるように言ってきたが、安心できなかった




騎士団長の息子の目を抉り、魔法士長の息子を殺し(てません)、男爵令嬢の顔を焼いた人間の言うことのどこに安心できるところがあるのか?と言いたい



いや言えなかったけど


拒否なり、文句を言ったらこの場で殺してやるぞとばかりに殺気を向けていたから






「まあ、せいぜい頑張ることだ」


公爵わたしの返事を待たずして書斎を出ていた娘


去り際に片手で手を振ったのはエールなのだろうか?


実に男らしい娘だった



・・・娘だよね?

いや中身が違います(笑)

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