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パート・タイム・バッド・レイディ(日帰り悪役令嬢)  作者: 焼ミートスパ
第一章 婚約破棄された直後に入れ替わったちゃったよ
10/39

10 記憶がない公爵令嬢2

家にいて腫れ物のように扱われます


ですから心の平穏を得るために毎日学園に行っています





でも馬車を下りたら生徒達が距離をおくように離れていきます


馬車から学園の校舎の入り口まで生徒がいなくてわたくしの前には一本の道ができますわ


それも毎日です





あと廊下や教室でも同じですわ


廊下を歩くと真ん中に人が居なくなり壁際に生徒が並び頭を下げますのよ?


心が折れそうになりますわ





第一王子との婚約が破棄された傷物の令嬢は公爵家の人間であっても距離をおくよう言われたのかしら?


そう邪推してしまいます





でも公爵家の人間として弱みを見せることはできません


ですから空いた道を胸をはり通りましたわ


・・・わたくしにこんな度胸があるとは思いませんでしたわ(苦笑)





教室に行くと約半分くらいの生徒が欠席していました


婚約破棄された令嬢とは一緒の教室で勉強をしたくないということでしょうか?


・・・思わず涙があふれ出そうでした





先生が来ると


「ああ、欠席が多いな」


と教室を見渡しながらおっしゃっていました





見事な嫌味に身がすくむ思いでしたわ




所詮婚約破棄された傷物令嬢


自分の立場を実感して逃げ出しそうになりましたわ





先日わたくしに先生は


「生徒達が出てこないんだがどう思う?」


と聞いてきましたの





まさか卒業式で第一王子から


「婚約を破棄する」


と言われた傷物令嬢と一緒の教室で学びたくないからなどという予想を言う訳にはいきません


公爵令嬢わたくしにだってプライドがありますからね






もっとも婚約破棄の宣言をされてからの記憶がありません


よっぽど衝撃的だったからでしょう


辛すぎて忘れるということがあるという本の知識を実体験で身に染みましたわ





なにせ気が付いたら朝で、自分の部屋のベットで寝ていましたの


絶対に辛すぎて記憶がなくなったの一択でしょう


・・・お父様たちには心配をかけるから絶対に言えませんね





という訳で先生から「昨日の婚約破棄騒動のせいか?」と聞かれても答えることはできません





ですから


「何をおっしゃっているのか判りませんわ」


ととぼけて答えましたわ




先生は困惑されたようですが公爵令嬢わたくしだけでなく公爵家でのメンツもありますので仕方がありません


ここは黙って騙されて下さいね


そう思い無理矢理笑顔を作りました


・・・頑張ったわたくしを褒めてあげたいです





なお記憶がなくなるほど衝撃的だったと愚痴は言えません


言えば多分騒ぎになります





「被害者ヅラしやがって(意訳)」


という心無い言葉で切りつけられることでしょう


貴族なんて人の弱みに付け込んで傷つけることが仕事のようなものですもの


いや皆自分が可愛いのです





人が弱みを見せたら全方位から責めに来ることでしょう


ですから公爵令嬢として毅然とした態度をするしかありませんわ




・・・これから一体どうなるのでしょうね(ため息)

公爵令嬢には入れ替わった時の記憶がありません


身体を乗っ取った主人公が上位で、乗っ取られた公爵令嬢が下位だからでしょうね


とご都合主義の理由をでっち上げました


そうしないとこの話が成り立たないですからね


何も知らない公爵令嬢が恐れられるというのが柱ですというのは皆さん御存じでしょうが念のため書いておきます

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