34.さて、これからだが-今回の事で少し情勢が変わった気がしたのだよ-
全47話予定です
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「さて、これからだが」
作戦は終了したとはいえ、まだ部隊は展開したままだ。その後始末をどうするか、それを話し合わねばならない。
「帝国の提案を飲んだ時点でこれ以上の侵攻や事態の急転は無いだろう。とすればまずは艦隊についてだが」
そこで出た提案。
それは米州の太平洋側から出した空母群はそのまま帰還させるとして、新たに空母群を日本経由でリオ・ガジェコスタ海軍基地に向かわせる、というものだ。
現在、日本には同盟連合の空母群が展開している。先の日本奪還作戦の際に参加した部隊である。その部隊と交代して、今日本にいる空母群を世界をぐるっと一回りさせて目的地まで向かわせる、そんな計画である。
日本に現在駐留している空母群は、一度戦闘を経験している。そんな彼らがリオ・ガジェコスタ海軍基地に向かえば、経験があるだけ応用も効くというものだ。それに現在、リオ・ガジェコスタ海軍基地に展開している艦隊は、元々はエルミダス基地が母港の艦隊である。
また今度、何処に敵が出現するとも限らないこの状況で、艦隊をエルミダス基地に戻さないわけにはいかない。もちろん損傷しているから修理をしなければならない、というのもある。ただし、直ぐに対応出来るだけの能力は残しておきたいという面から、現在、艦載機である三五FDI一機はそのまま日本に駐留、となった。
米州からは、機動艦隊を南米の近くを避けるルートでエルミダス基地に移動させるというのも決定した。これはイージス艦の補充と共に、損害を受けた船の補充も兼ねるし、戦力増強という意味合いも持つ。
エルミダスという土地に、万が一でも敵のレイドライバーが出現されては、同盟連合としては非常に困るのだ。理由はもちろんグランビア市との挟撃になるというのが一点、あと最大の懸念は研究所の存在である。これだけはどうしても死守しなければならない。
「よし、艦隊については以上だ。次に航空部隊だが」
航空部隊については、やはり敵の最新鋭機であるM三一DIの存在が大きいので、戦闘は無いといってもここにはこちらの最新鋭機である三五FDIを配備すべき、という意見で一致した。だが、停戦している場所に大戦果を挙げた兵を置いておくのはもったいない、との意見から現在、リオ・ガジェコスタ空軍基地にいるカレルヴォ大尉の乗る機体は、アルカテイル基地に戻す方向で話が決まった。
その代わりにエルミダス空軍基地にいる三五FDIを一機、こちらに寄越すという話になったのだ。どのみちカレルヴォの機体は修理が必要である、そんな状況もこの交代案を後押しする結果になった。
今回消耗した航空部隊の補充はエルミダスへと順次送られる運びになっている。現在の同盟連合の重要拠点、それがアルカテイル基地から後方にあたる、軍港のあるエルミダス基地なのである。
「最後に、レイドライバーの扱いについてだが」
と向こうが切り出してきたのに対して、
「は旧エストニアに続き、今回も被害が出ました、すみません」
とカズは謝る。
しかしながらその言葉は、
「いや、撃破率は今回で言えばイーブン。敵のパイロットを逃したのは確かに痛いところではあるが、それにしてもよくやってくれていると考えている」
それ程にカズに信頼を寄せてくれている、という証拠なのかそんなねぎらいの言葉が出る。
「それで今後なのですが」
というカズの言葉で回線が切り替わる。アルカテイルとの直接回線、しかも秘匿回線だ。こちらも別室に基地司令と共にカズが移動する。
向こうが提示した案、それはレイドライバーを一旦引き返させるというものだ。体勢を立て直して再度攻略するのか、それとも別の場所で戦火を挙げるのか、どちらにせよ一旦立て直して再編成せよ、との内容だ。
「それから、レイドライバーの増産についてだが、先日きみに話した通り、近いうちに三体分の二足歩行の機体を製造しそちらに供給する予定だ。だが、損耗もある。それに、今回の事で少し情勢が変わった気がしたのだよ」
向こうの声はそう続ける。
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