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05.ライニアの過去

−−−−−次の日−−−−−


 「おはようございます。」

 「おはよう。ライニア。」

 朝起きると先に起きていたらしいライニアがあいさつしてくれた。

 こういう何気ない日常が私の心を癒やしてくれる。

 それにどうやらご飯を用意してくれていたみたいだ。

 ライニア。お前、完璧か?


 「それじゃ一緒に食べましょうよ。」


 机の上を見ると、見ただけで頬を落としそうな色とりどりの数々の料理が並んでいた。


 「わー。ありがとうライニア。」

 「いえ。クラシルさんもおつかれだろうと思いまして張り切ってつくっちゃいました。」


 ちょ、あなたそれは女子力の暴力だから。

 私に効果抜群だから。


 私は一番手前にあったトーストを手に取るとライニアと他愛のない会話をした。

 そして、一番気になっていた質問を投げかけた。


 「あのさ、なんでライニアは私にここまでしてくれるの?覚えてるかわからないけど、昔初めていじめの

  話をしたときも私に優しくしてくれたし、今もここまでしてくれる。 

  いくら仲がいいからって普通ここまでできないよ。」


 そう言うとライニアは驚いたような顔をしてその答えを語ってくれた。


 「あのですね。私虐待もどきみたいなことをされてたんですよ。お母さんには日々マナーが悪かったら叩 

  かれひどいときはご飯を抜かれたりもしました。

  お父さんは騎士団に入っていてなかなか帰ってこれなかったのでそんな状況がクラシルさんと会う一年     

  前くらいからずっと続いていて当時6歳だった私にはとてもきつかったんです。

  でも、ある時お母さんに友達の家に行くからついて来てって言われたんですよ。

  その家がクラシルさんの家だったんです。

  自分でもなんであのとき初対面の女の子に悩んでいる理由を聞けたのかは今でもわかりません。

  でも、クラシルさんの話を聞いているとなんだか落ち着けたんです。

  クラシルさんの話し方でしょうか?

  なんだか自分よりも大変なことを考えてる人がいるのに私なに考えてるんだろって思えてきて。

  そしてその時同情でもなんでもなく、この女の子を助けたいって思ったんです。

  その後も虐待もどきは続きましたが、今までよりもがんばれました。

  いままでされるばかりだった私が、口論で勝って叩くのをやめてもらったりすることが出来ました。

  そうやってクラシルさんは私を成長させてくれたんです。」


 私は言葉を失った。

 いままでずっと一緒にいた友達が虐待を受けていたっていうことにも、私が成長の鍵となっていたことも。

 私は何も知らなかった。


 「だからクラシルさんに恩返ししたいとおもって助けてあげてるんです。

  それに、友達と一緒にいるのが一番楽しいですしね。」


 この女、性格も完璧だった。


 「ありがとう。ライニアも頑張ってるんだし私も頑張らなきゃね。」

 「あ、別に無理しなくて良いんですよ。静かに…」

 「違うの。私今まで逃げてばっかだった。

  だから今回はしっかり頑張ってみたいの。」


 そして私は学校へ行った。

 新たな思いと共に。


《学校》


 やっぱりというかいじめは終わっておらず、また机にいたずらされていた。

 まあそんな可愛いものなら別にやられなれてるからどーでもいいけどな!

 ……なんか悲しくなってきた。


 そしてそんな平和とは言い難いけど、ライニアとの楽しい日常もやっぱり長くは続かなかった。


−−−−−1ヶ月後−−−−−


 なんか、貴族の女たちが凸ってきた。

 話の内容を要約すると、


 「マルロ様を誘惑するのやめて」


 っていう内容だった。

 で、この内容を教室中に聞こえる声で言われた。

 もちろん誰も本気で耳は貸していない。

 貸していないけど、言っているっていう事実がコイツらには大事なんだろう。

 これを言うことで共犯者意識を芽生えさせ、告発しにくい雰囲気を作り出せるからね。

 まあ別にこんなことしなくても告発できないんだろうけど一応の保険みたいなかんじかな?


 で、この頃からいじめの階級?が上がった。

 何かというと、間接的なものはもちろん直接的なものも増えた。

 まあ、実例をだすと、なんか呼び出されて悪口言われまくったり、授業中に色々とされたりね。

 授業中の件はもう色々ありすぎてもう説明省略で。


 でもね。ここまではね。  

 いじめ(いじめられ)マスターからしてみたら余裕ですよ。 

 精神的にはくるけど。

 それに前までは一人だったけど、今は仲間がいるからなんとかなってるのもあるかもしれない。


 そんな日常を送っていたある日の夜。

 いつもどおりライニアの部屋に戻ると、ライニアの部屋に貴族の女がいた。

 ほんとにいきなり不法侵入してる人がいたから思考が一瞬止まった。

 その間にその女には逃げられたけど顔は見ることが出来た。


 そのことをライニアに伝えると驚いていなかった。

 どうやら私と一緒にいることでライニアもいじめられていたらしい。

 いくら大丈夫って言ってくれていてもこれはどうしても気にしてしまう。


 どうすることもできないもやもやした気持ちの中私は眠った。


−−−−−次の日−−−−−


 なぜか今日は私へのいじめがない。

 なぜ?


 その答えはすぐに分かった。

 他のクラスメートがいじめられていた。

 そのクラスメートは、一言で言うと陰キャ。

 背が小さくメガネの女の子。

 見ると机の上になんか置かれてるくらいのいじめが起きていた。


 なんかいじめられてる人女多くね?

 まあ偶然だろ。うん。


 まあ別にそこまでひどいいじめではないけどこれからひどくなっていきそうだなと思う。


 そして不謹慎だけどやっと仲間ができそうだ。

 やっと時はきた。

 これからはじめるのはいじめられた人間からの復讐だ。


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