04.二度目のいじめ
《寮》
さーて私が求めていたもの。
私だけのテリトリーに来たぞー!
前までは、自分の部屋はあったけどそれでも、自分だけのものには程遠かった。
普通に鍵なかったから普通に入ってき放題だったし、自分だけっていう感じがなかったからね。
だから、私だけの部屋を得たのは初めてだった。
でも、一人になれる場所ができたー!
さて、とりあえず落ち着こう。
えっととりあえずここまでをまとめよう。
っていっても別にそこまで大変なことはなかったんだけどね。
しいていうなら、いじめが起きてるっていう話は本当だったみたいってことと、要注意人物が何人かわかったっていうくらいかな。
やはりというか、要注意人物はマルロ・サンクの周辺の人物だった。
サンクの周りの人物は全員貴族で、その中でもサンクはもう最高級の貴族みたいなところの子供らしい。
うん。なんか、どうやっても権力行使してくるような奴とこれから戦っていかなければならないわけだ。
まあ別にいじめられるって決まったわけじゃないけど今日の時点で一回失敗して怒られちゃったからな。
それに、多分私みたいな陰キャは陽キャの格好の的だろうしできるだけ関わりたくないな。
−−−−−次の日−−−−−
「こんにちはクラシルさん。ちょっといいかな?」
放課後、マルロに捕まった。
え?なに?
もしかしてフラグ回収しちゃった?
あとなにこいつ?
なんか、ナルシストな感じするんだけど。
え?単純に嫌なんだけど。
ここはね。大人の対応を見せてやりますよ。
「えっと?誰ですか?すいません。全然私名前覚えてられなくて。」
「え?」
どうやら、まさか自分の名前を覚えていないとは思っていなかったらしくマルロは戸惑っていた。
ザマァww
っていうか多分今までこんな経験なかったんだろうな。
だからプライドも高いんだろうな。
「えっと、僕はマルロ・サンク。サンクって読んでもらって構わないよ。」
呼ぶわけねーだろ馬鹿w
あと、構わないよじゃねーよ。
もうツッコミどころ多すぎる。
腹いてえw
「で、このあと体育室裏に来てくれないか?」
え?なにw
告白っすか?
やめて。
もうわたしの顔が持たないw
やめてくれw
顔にでちゃうw
「それじゃよろしく」
そう言うと。マルロは何処かへ行った。
まあ、今の所面白いっていうのしかないけど、普通に考えたらいじめっ子になりそうな男に呼び出されてるって普通に考えたらやばいよね。
うーん。どうするか。
行ったほうがいいのか?
でも行ってなんかされたら嫌だしなー。
どうするか。
………よし行くか。
っていうか行くしかないよね。
行かなくて逆ギレされても嫌だし。
さて。いきますか。
《体育室裏》
来たは良いけど、誰もいない。
まあ、私も隠れてるから人のこと言えないけど。
よし、隠れててもしょうがないし出ていきますか。
そして、出ていくと相手が丁度来た。
「こんにちは、クラシルさん。早速だけど、僕達の仲間にならないかい?」
「え?」
ほんとになんで?
別に私貧困層でも何でもないし。
「で、なってくれないかい?」
「なぜですか?あと、仲間になったらわたしにどんな利点があるんですか?」
「利点?利点なら僕達と一緒にいられるっていう利点があるじゃないか。」
さも当然みたいな事言われてもw
「それなら大丈夫です。別にあなた方と一緒にいる必要もないので。」
「え?本当かい?僕達と一緒にいられるんだよ?」
え?なに?ほんとに馬鹿なの?
自分に自信ありすぎだろ。
ほんとに断られるっていう選択肢なかったの?
「ふーん。わかったよ。」
え?もしかして私こいつ怒らせちゃった?
「それじゃ」
そう言うとまたもや何処かへ行った。
えっとーもしかして、地雷ふんじゃった?
とりあえず寮に帰りますか。
今日はつかれた。
《寮》
ふー疲れた。
きょうはもう寝るか。
おやすみ。
−−−−−次の日−−−−−
おはようございます。
なんかものすごく目覚めが悪い。
とりあえず、ごはんたべよう。
うーーん。やっぱ体調わるい。
今日休もうかな?
でも、まだ学校に入ったばっかりだしさすがに行かないと。
《教室》
え?
自分の机をみると、落書きやら花瓶やらいろいろ置いてあった。
もしかして?これいじめられちゃってる?
まあ心当たりしかないけど。
周りの人は見てみぬふりをしている。
そして、主犯だろうマルロは仲間と一緒にこっちを見て笑っていた。
これだ。
私が一番恐れていた教室。
過去のトラウマ。
と、とりあえず片付けないと。
片付け終わるととりあえず席についた。
机の中を見ると刃物みたいなものも入っていた。
これは……
入学三日目にしてもう心が折れかけていた。
そして、そのまま授業が終わった。
《寮》
なにこれ?
部屋の中に入ると布団も切り裂かれ、服も全部投げ出されていた。
ここまで来るか。
よし、反撃しますか。
この状況を見ると、私はライニアの部屋へいって泣きながら今日起きたことを話した。
「え?もういじめが起こったのですか?」
ライニアは驚いた様子だった。
そしてライニアは考え込んでしまった。
そしてしばらくすると、口を開いた。
「このまま行ったら確実に泣き寝入りになっちゃいますからね。しかも、私達はいじめはもっと後に起こると思って作戦考えて来ましたし、このいじめの恐怖を体験した人も少ないので同志も集えないですしね。」
あれ?ライニアにまとめてもらったけど、これ詰み状況じゃね?
「今は何も出来ないですが、あと一ヶ月くらいまで待てれば良いんですけど……
待てそうもないですしね。
とりあえずしばらくは私の部屋で生活して下さい。」
「え?そんなことしたらライニアまで巻き込まれる。そんな事はできな…」
「そんなことはどうでもいいんです。私達一緒に学園生活楽しもうって約束したじゃないですか。だから
楽しむために私がしたいからするんです。だから泣かないでください。いっしょにがんばりましょう!」
そう言うと昔のように体を優しく擦ってくれた。
そのせいでもっと大泣きしてしまったのはまた違う話。