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[詩] 彩 / 致命的他人
『彩』
東北の冬は灰色だ
色彩を失った風景に
誰もが口数少なくなる
だが
その朝は違った
駅前のコンコース
ブルーシートの青
バリケードテープの黄
パトランプの赤
不意に訪れた彩りに
人々は何だ何だと騒ぎ出す
やがて聞こえた
「浮浪者が凍死したらしい」
の一言で
また冬が戻ってきた
『致命的他人』
「アナタなしでは生きられない」
そんな誰かに出逢うこともなく続く暮らしだ
例えばキミが死んだって
ボクは気付きもしないだろう
「人間は一人じゃ生きられない」
なんてよく聞くけれど
誰が何人くたばったら
ボクも生きられなくなるんだろう
偶にそんなことを考えてしまうよ




