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[詩] おやすみ / ダイバーシティ
『おやすみ』
Sugar Landの黒猫のマグに
ぬくめたミルクを注いで
バニラエッセンスを一滴
琥珀色をしたしずくは
甘い香りだけを残して
白い水面に消えていった
そして
控えめに上る湯気を
ぼんやりと眺めながら
静かに口を付ける
それが今日を眠らせるためにする
私のささやかな儀式なのです
『ダイバーシティ』
かつてこの街が
灰色だった頃
人々は皆一様に
表情を失って歩いていた
だが時代は流れ
街は今
鮮やかな色を手に入れた
そこかしこに
真新しい血液
乾いた吐瀉物
スプレーの落書き
防犯カラーボールの蓄光塗料
人々の顔には
悲哀
恐怖
憤怒
冷笑
様々な表情が貼り付いた




