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[歌詞] 獣蟲
『獣蟲』
人間は独りでは生きていけないと誰もが信じるなら
孤立者を放置することはつまり社会的他殺である
外壁がカビた旧い集合住宅の朽ちかけたドアの向こう
名前を呼ばれることも無くなった肉塊が横たわる
胡乱なまま眺めていた真っ黒なテレビ画面
窓を塞いだ突板の隙間から差し込む朝の陽射し
PTP包装シートが散乱している掃溜めを照らし出す
腐乱したゴミの饐えた臭いと飛び回る蠅の羽音
倒れたストロングチューハイの缶から零れた人間性
通学する子供たちの笑い声 耳を塞ぐ
誰かが手を差し伸べてくれると卑しくも期待して
ここでまた一人待っている
今もまだ一人待っている
そして空費されていく日常に失望を重ねては
寂しさも他人のせいにする
いつだって他人のせいにする
人間は独りでは生きていけないと誰もが信じるなら
孤立者は生きていくために人間を諦めざるを得ないだろう




