[詩] 貧困(+作者注)
『貧困』
夜勤バイトの休憩時間
事務所でカップ麺を啜りながら
漫然と眺める深夜番組
生活保護世帯を追った
辛気臭いドキュメンタリー
苦しい暮らしの中で
数少ない贅沢は
月に一度の焼肉なんだとか
こいつら全員餓死しちまえばいいのに
伸びきった麺が尚更不味い
あぁもう持ち場に戻る時間だ
**************以下作者注**************
過激な作品を書いてしまったので、少し補足を
弱肉強食的な競争原理と資本主義的な価値観がくっつくと
「稼げない奴に価値は無い」
という発想に繋がり、それが先鋭化すると
「無価値なものを維持するためにコストを掛けるのは無駄」
と、社会的弱者を排除する方向に進んでしまうのではないかなと危惧しています
余裕のない人ほど他者に不寛容になるのはある種当然で、実際に世の中を見ていると
「働いているけれど生活が苦しい」
という人ほど、生活保護の受給者に対してネガティブな意見を持っている印象が伝わってきます
本作に登場する夜勤バイトの男性は、そういった背景から人物像を設定しました
不安定な雇用、生活保護受給者未満の生活水準、他罰的な人格
彼を「不満をより弱い存在に向けている卑怯者」と見るのか「誰からも救いの手を差し伸べられない本当の弱者」と見るのか……本作では、単純な善悪観では処理しきれない、現代の淀みのようなものを書き残したく、筆を執りました
過激な内容ですが、生活保護受給者の方を攻撃する意図を持った作品ではございませんので、その点は何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願い申し上げます
長文失礼いたしました




