表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天パ令嬢と変態公爵の結婚記。  作者: あんでん
2/24

2.パーティに行くのも一苦労





ここはテルトマージ王国にある王都の貴族街。


基本的に領地を持たない貴族は王都に城を構えている。領地を持つ貴族も、豊かな層は王都に別荘を構えるのが通例。


貴族街の中心には王城があり、そこに王様や王子さま達が住まれている。

貴族街の周囲には城下町が広がっており、平民の中でも裕福なものが住んでいる。


私、エリアナ・ケイトルも何を隠そう貴族で、わりと裕福な伯爵の娘。普段はケイトル伯爵領地の城に住んでいるのだが、今日は王城でパーティがあり、出席の為王都のケイトル家別荘に来ていた。



「ねえ、マーサ!どうしよう!!」


王都の別荘で自室をウロウロしながら騒ぐ私と、名を呼ばれた私の専属侍女のマーサ。


「どうしようと言われましても、それは私にはどうにも……」


マーサは片手で口元を覆い泣く真似事をする。


「で、でもマーサ!ほら、こうやって髪飾りをたくさん付ければ…」


宝石箱から髪飾りをいくつか取り出し頭に当てる。


「ジャラジャラして上品ではありません」


「うっっ!じゃあこうやって一つにまとめれば…!」


今度は髪をまとめて手で後ろにやってみせる。


「あなたの髪がまとまった事などないでしょう」


「ううっっ!」


マーサの的確な言葉が胸に刺さっていく。


「はあ、なんでこんなに私天パなのよおおおおおおおおおおおおおお」


私は今、史上最強の自身の天然パーマで悩んでいるのであった。


正直顔も悪くないし、スタイルだって身長が少し低いくらいでなんの問題もない。髪色だって家系特有の桃色で綺麗だと評判。


……しかし、絶望的なまでに天然パーマなのだ。


何を着ても、頭に何をつけても、その天然パーマが隠れる事はない。

私が普段住む領地の領民は、その天然パーマを神のよう崇める者も少なくなく、私の肖像画や人形まで売り出される始末。

領民から支持されるのは嬉しいが、流石にやり過ぎだと思い、父であるケイトル伯爵に辞めさせるよう言いに行った事もあった。しかし、父も相当の親バカで、部屋には私の肖像画と人形が沢山あり「それだけは出来ないんだ」と言われてしまった。

みんなこの天パのどこがいいのかさっぱりわからない。


私は気を取り直して、ドレスを選ぶ。


自分には淡い色のものが似合うと自負している為、クローゼットには原色ドレスは基本置いていない。


今日はお城だし少し派手でもいいよね、と手にとったのは髪色より少し強めのピンク色で、花が沢山ついたドレス。


「マーサ、ドレスはこれでいいよね?」


マーサに一応確認を取ると、マーサも「いいですね」と賛成してくれる。


あとは髪だ…


「マーサ…どうしよう…」


私が力なく助けを求めると、マーサは仕方ないですねと整えてくれる。

まあ整えると言っても軽くくしでとかす程度だが。髪飾りもマーサが選ぶ。

数多くある中からマーサが選んだのはピンクと紫の大きな花をモチーフにした髪飾り。


「出来ましたよ、凄く綺麗です、お嬢様」


マーサは笑顔でそう言って終わらそうとするが、いやいや待て。


天パ解決してないじゃん、と思う私であった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ