15.女子会はまだまだ続く
「ところで、今度の第二王子様の誕生パーティには参加するでしょう?」
レティシアが話を切り替える。
そうか、あと一月後だっけ。
ティエラは第二王子の側近だから、パーティの準備とかそんなのが立て込んでて今日来れなかったんだろうな、きっと。忙しそう。
「パートナーはやっぱり公爵様?」
「あら!いいわね!素敵じゃない!」
へ、パートナー?
そうか!パーティに出るなら婚約者とパートナーを組むのは常識。
今まではお兄様にも私にも婚約者が居なかったから、2人でパーティに出ていたけど、今回からは違う。
「うーん、まだ何も決めてないから、今度会う時に話そうかな」
「あら、もう次の約束まで決めてるのね。案外うまくいってるのかしら?」
レティシアが悪戯っぽく笑いながらそんな冗談を言う。
いやいや、うまくいくもなにも、あっちの圧に押されてるだけだから。
「そういえば、レティシアも婚約が決まったのでしょう?」
シルビアから話を振られるレティシア。
前に会った時は婚約の話が来てる、くらいだったけど、決定してたんだ。
レティシアは眉を下げながら顎に手を当てる。
「そうなんだけどね、まだ顔合わせも出来てないのよ。」
「あら、それはどうしてなの?お相手はどなた?」
「あ、それ私も気になる〜」
「サレド・クラレンス侯爵子息よ」
クラレンス侯爵子息かあ〜
うん、誰だ?
一時期、夜会とかパーティに沢山出てたから、公の場に出てくる貴族には詳しいつもりだったんだけどな。
「また珍しい方と婚約したわね。クラレンス侯爵の御子息だなんて。クラレンス家と言えば医学や薬学に精通した家系よね。確か大きな病院も王都に持っていたはずよ。」
「へえ〜、全然知らなかった。」
「凄い人見知りだそうでね、公の場に出てくることは全く無いそうよ。」
あらら。また難儀な人と婚約してしまったな、レティシアも。
「レティシア…お互い頑張ろうね」
「…ええ、そうね」
「あら2人とも、恋愛で悩めるなんて羨ましいわ。私にも婚約者でも出来ないかしら。」
シルビアのその一言は、一見とても明るく聞こえていたが、私もレティシアには分かる。これはシルビアの機嫌が悪い証拠だと。
ここで一つ確かなのは、婚約の相手がどんなに難をもつ殿方であって悩んでいても、婚約者の居ない人が1番悩んでいるのだと。




