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7:ホントのきょうだいのように

初の佑樹以外の視点での話です。難しくて時間がかかってしまいました。


こんばんは。佐樹です。

今日は佑樹の家にお泊まりするということで、


今は着替えやらなにやらをとりにいったん家に戻っています。


「えーっと、パジャマと歯ブラシは持った。あとは……明日すぐ学校行けるように準備しとこう。」


カバンの中を整理し、明日の時間割を見る。


「…あっ、明日英語あるじゃん」


私って英語苦手だから予習ちゃんとやっておかないと授業についていけないんだよね。


今日のイングリッシュタイムも吉田先生のしゃべってること全然わからなかったし……


「よし、じゃあ英語の道具も持っていって佑樹に教えてもらおっと。」


……よし、準備オッケー。


じゃあカギをいったん閉めてと……


「よし、出発っ」


…たたたたたたたっ。


「到着っ」


向かいなので五秒もかからない。


「「おかえりー」」


「うん、ただいま」


「佐樹、もうお風呂おりてるよ。舞と一緒に入ったげて」


「行こっ、佐樹お姉ちゃん。」


「うん、ありがと。………あ、佑樹、」


「何?」


「のぞかないでよ?」


「ぶっ!?」


……あらあら、顔赤くなっちゃって。


「のぞくわけないだろ!!」


佑樹も男の子なんだなー。

小学校低学年ぐらいの時は一緒にお風呂入ったこともあったんだけどね。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

……どうも、佑樹です。


「「あはははははは―」」

風呂場からは舞と佐樹の楽しそうな声が聞こえてくる。


僕は何をしているかというと、茶の間でニュースをみている。


いつもは洗濯をしている時間なのだが、今はちょっと風呂場に近づけないので。


「それにしてもひどいよな、佐樹は。あんなこと言って僕をからかって。」


……ふぅ。


さて、僕も明日の準備でもしとくか。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


またまた佐樹です。


「ふぅー楽しかった―」


今お風呂を上がったところ。


舞と洗い合いっこして、私も楽しかった―。


「さ、体ふいて。」


舞の体をバスタオルでふいてあげる。


少し大きめのそれは小さな舞の体を全部包み込んだ。


「もふもふ―」


「あはは。舞、なんかお化けみたいだよー」


さ、私も体をふいて、パジャマを着て、っと。


「佑樹―、あがったよ。ありがとう」


茶の間に入る。


「うん。じゃあ僕も入ってくるよ」「「行ってらっしゃ―い」」


さ。佑樹があがるまで英語の予習をちょっとしとこうかな。


「舞は今日、宿題ないの?」


「あるよっ。いつもはお兄ちゃんがべんきょうしてる時いっしょにやるの」


「そっか。じゃあ今日は私と一緒にやらない?まあ佑樹もすぐ上がってくると思うけど」


「うん、やる!」


舞はランドセルから計算ドリルを取り出した。


その細長いドリル、懐かしいなぁ。


〜10分後〜


「ふぅー。あがったよー」

「や、佑樹、おかえり」


「ん、もう勉強してるのか。」


「そう、英語の予習。それより、佑樹―、なかなか訳せない文があるの。教えてくれない?」


「うん、いいよ。えーと、これは………」


佑樹は英語だけは得意なので、苦手な私にとっては頼りになるよ。


「………ということ。わかった………かな?、説明下手だったけど」


「ううん、わかりやすかった。ありがとー」


「カリカリ……うーん」


「お、舞も頑張ってるね。じゃ僕も苦手な数学を克服すべく、勉強しますか―」


逆に佑樹は数学がすごーく苦手。


ちなみに私は数学はそれなりにできるので、佑樹によく聞かれる。


これでお互い様。2人で教えあって今までのテストは乗り切ってきている。


「カリカリ……」


……やっぱり一緒に勉強する相手がいるとはかどるね。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「よし、終わりっ」


「舞も終わった―」


「うん、僕もこんなとこかな。」


今は9時。お勉強タイムはこれで終了。


「そろそろ布団しいて寝る準備しよっか」


「はーい」


「……よいしょっ」


佑樹は私の寝る布団を持ってきてくれた。


「ありがとー」


「よいしょ、よいしょっ」

舞も頑張って布団を抱きかかえてはこんでいる。


布団の方が体より大きいので前が見えてない。


……大丈夫なの?


「……ボフッ」


あ、そのまま前に倒れた。


「今日もちゃんとしけた―」


「うん、前が見えないのによくいつもジャストでしけるよね、舞は」


……いつものことなのね。


「ところで、舞はいつも何時に寝てるの?」


「えーと、9時半、遅くとも10時には寝てるよ。」


「じゃあ、寝るまで少し何かして遊ぼーよ」


「おっけー。じゃトランプでもやろう」


「やるやる―」


――――――――――――


それから私たちは、ばばぬきやしんけいすいじゃくなど、舞にもわかる簡単なトランプ遊びをした。


「あ、そろそろ10時になるね」


「ねむーい」


舞が眠たそうに目をこする。


「じゃあそろそろ終わって寝よっか。舞、歯磨きするよ」


「はーい」


とととととっ


「あ、わたしもっ」


さっき家から持ってきていた歯磨きを出してついていく。


「しゃかしゃか……」


舞はほんとに眠たそうで、目は半開きのまま歯を磨いている。


やっぱり小学二年じゃ夜更かしは無理なんだね。


「あ、しまった。歯磨き粉は持ってきてなかったよ」


「あぁ、じゃあこれ使って。」


「うん、ありがと。」


「しゃかしゃか……」


しかし佑樹も眠そうな顔してるなー。


こいつはいまだに夜更かしはできないタイプだね。


…今日も寝付くのめちゃくちゃ早いんだろうな―。


泊まりに来るといっつも2人とも早く寝ちゃって、わたしだけ寂しい思いするんだよね。


――――――――――――


「よし、寝よう。舞、明日の準備は大丈夫?」


「うん。明日は入学式だから勉強はないの。」


「そうだったね。じゃあ電気消すよ。」


わたしと舞が布団に入る。


「「いいよ―」」


「…カチッ」


電気が消える。


「おやすみなさ〜い」


「おやすみ〜」


「うん、おやすみ」


佑樹も布団に入った。


さぁ、5、4、3、2、1、


「すぴー……」


「すー―、すー……」


「………はぁ。」


もう寝たよ。相変わらず早いね、この兄妹は。

こういう時って、

「わたしをおいていくなよぅ」みたいな感じになるよね。


はぁ、わたしも寝付きが早くなりたいな。


いや、別に遅いわけじゃないんだよ?ただこの人たちが早すぎるからそう感じるだけで……


「……うん、寝よう」



……実際、わたしは佑樹の家に来た時の方が、よく眠れる。



何でだろ。なんか安心するっていうか、…………いや、逆にこっちが普通で、1人で寝る方が寂しいから……?



わたしも……きょうだいが欲しいな。



そしたら、今日みたいに、一緒に楽しくご飯食べて、お風呂はいって、



勉強は早く終わらせて、あとは寝るまで遊んで………


……そして、一緒にぐっすり寝て。




毎日がどんなに楽しくなることか。




「……やっぱり、1人は寂しいよ……」


なんだか急に少し悲しくなり、独り言をつぶやいた、……その時。




「………いつでも来ていいんだよ、佐樹。」


佑樹の優しい声が聞こえた。


「……!!!、、、佑樹、起きてたの!?」


「……

「今度は先にねちゃダメだよ」って言ったのは、佐樹じゃないか」


……あ。前最後に泊まった日の朝、そんなこと言ったっけ。


「それに、佐樹はいつ頃寝るのかな―と思ったから、寝たふりしてたんだよ」


「そう…」


「そんなことより、いつでも来ていいんだよ、佐樹。僕と舞は佐樹のこと、本当のきょうだいだと思ってる。」


!………嬉しい。


「だから、佐樹が家に1人で寂しい思いをしてることがわかった以上、ほっとくわけにはいかないよ。」


「……ありがとう、佑樹……」


「まぁ、ただでさえ寂しがり屋の僕が一人っ子だったら、孤独死してるかもだしね」


「はは、それ言えてる」

「さぁ、僕の眠気もそろそろヤバいし、早く寝よう」


「うん、おやすみ」


「すー、すー……」



…………あ、もう寝たなこりゃ。


よっぽど眠いのを我慢してたんだ。



大人なんだか、子どもなんだかわかんないね、この子は。



「……おやすみ、佑樹。」


わたしはその後、佑樹の優しさにふれて安心したのか、すぐに眠れた。




ありがとう、佑樹、舞。


でも、そんなに甘えてばかりはいれない。



だから、本当に寂しくなったとき………その時はまた、よろしくね。

僕には兄弟がいますが、もしいなかったとしたらと考えると、ゾッとします。 ……だって、絶対寂しいじゃないですか。 もしわたしが結婚したとしたら子どもは絶対2人以上ですよ!(←気が早い)

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