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声物を知る  作者: 東郷幸
2/2

常識を知る

「それじゃあエターリフとでも呼んでもらおうか」

「ぜんぜんゼウスレッドと関係ないじゃん。その“えたーりふ”ってなんなのさ?」

「造語…って言っても分からないか。英語の言葉を組み合わせて作ったんだよ」

「へぇ~、そうなんだ。エターリフは物知りなんだね!でもなんで英語にしたの?」

「それは英語の方が響きが良いからな。これで俺の自己紹介は終わりだな。一応知ってはいるが、次はそっちの番だな」

「あっ、すっかり忘れてたね。ぼくの名前は空山契太。よろしくね?」

「おう、それじゃあ契太、改めてよろしくな」


その晩、両親と妹が帰ってきたあと、真っ先に今日の出来事を母に伝えた。

「よかったわね、これからも大切に遊ぶのよ?」

「うん!ぼくのだいじな友だちだからね!」

今思えば親から当たり障りのない返答を貰っただけなのだが、当時はエターリフの存在を認められたと思うと嬉しくて仕方がなかった。

結局夜遅くまでエターリフと話し、興奮も冷めぬまま一緒に布団へ潜り込んだ。


その日を境として、色々な物の声を聞き取れるようになった。

例えば通学路の途中にある郵便ポスト。

こいつに話しかけたら「このショー坊、頭おかしいのか?」となかなかに辛辣な返事を貰った。

どうやらポストの立場から見ても、物に話しかける奴はいかれていると思われるらしい。

国語のテストの時も漢字の読みが分からなく、普段から使っている鉛筆に小声で尋ねたら「ふけいって読むんだよ。分かったらそのトントン机を突く癖やめろ芯が折れるだろうが」と答えを教えてもらったこともあった。


そんなズルい事も覚えていきながら小学3年生になった頃。

初めて物と話せるようになった時と似たようなことを改めて父に伝えたが、返ってきた答えは「もうそんな事を言う歳でもないだろう?少しでも勉強しなさい」と半ば呆れられた様に言われた。

その瞬間、十歳にも満たない自分でも言ってはならないことを口にしたと理解し、同時に二度とこの事は誰にも言わず記憶ごと封印しようと固く誓った。

やっと回想が終わりました……。

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