表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/1

プロローグ

目が覚めたら何も見えなかった。

(ファッ!?)

どうやら声も出せないらしい。俺は酷い怪我でもしているのだろうか?

俺は何とか体を動かそうと踏ん張っていると体がズズッと動いた。

(おっ?体が少し動いたぞ?)

俺は体が動くことに安堵するとともに、なぜ目や耳が働かないのか疑問に思った。

その疑問に答える人もいず、いや声に出していないのだから答えられる訳がないのだが……とりあえず特にやることもないので体を動かし続けた。


~約一ヶ月後~

え?期間が空きすぎ?特に語ることもないので省くよ?なに?俺がただひたすらに体を動かし続けた話を聞きたいかね?


そんな話を誰に話すわけでもなく自分の一ヶ月間を振り返っていた俺は目の前の物に気付くのが遅れた。目は見えないが……。


「グギャ!!」


何かに当たったなーと思っているといきなり投げられた。いや俺ボールじゃないんだが………。って、今さらっと流したけど何で俺をなげられんの?俺68キロはあったよな?


ベチャッ……!


潰れた感触があった。あっ、俺死んだなーと思ったが一向に痛みがない。何?俺もしかして神経切れてんの?でも体動かせるし……。そういえば俺この一ヶ月間何も食べてないなぁ……あれ?俺人間じゃなくね?そう思った瞬間全てが繫がった。

目、耳が働かない・腹が減らない・水っぽい体・軽い体重……そう、俺はスライムに転生していたのだった。

(世界最弱かよ!)

どうせ転生するならチート貰って美少女ハーレムしたかった!


「グギャギャ!」


おっと、ゴブリンのことを忘れてた。まぁ、大丈夫だよね?あっちも弱いから大丈夫だよね?ね?


「ギャギャ!」


俺が半ば現実逃避している内にゴブリンが手に持っている棍棒で殴ってきた。


「プルプル(ってぇな!)」


痛覚あったのかよこの体、っていうかやばいんだが?俺の戦闘力が1ならあっちは100あるんだが……。


「ギャギャ!」


よし逃げろ。真っ正面から戦って勝てる相手じゃねぇ。俺は必死に体をプルプルさせながら逃走を開始する。


「ギャッ!(ガシッ)」


すぐさま捕まりましたね。俺の速度じゃ逃げ切れない。じゃあ戦うしかねぇ!


「プルプル(たいあたり)」


「グギャ」


しかし何も起こらない。

……………コイ◯ングのはねるじゃないんだから何か起こってくれたって良いじゃないか!(血涙)


「ギャギャ!」


俺を捕まえてゴブリンがフルスイングした。

これは見事なホームランですね。どうも思います?実況の加藤さん。

えぇ、見事なホームランですね。今日は調子が良いのかも知れませんね。


俺が一人実況していると木に激突した。

なんという事でしょう。さっきまであった体の半分がきれいさっぱり無くなっているではありませんか。


(って、言ってる場合じゃねぇ)


やっと俺の思考回路が再起動し、ゴブリンからどうやって逃げようかと思っていると、目の前に謎の光を放つ石があった。


(宝石か?)


俺が恐る恐る近づいて触ってみると、体の中に吸い込まれていった。」


(えっ!?)


俺が突然のことに驚いていると後ろからゴブリンが……。


(あっ……\(^o^)/オワタ)


俺は覚悟して目を瞑る。(瞑る目すらないが)

だが、一向に衝撃は来ない。恐る恐る目を開くとゴブリンが跪いているではありませんか。


「シュヨ、サキホドハスイマセンデシタ。ドウカワタシヲオサバキクダサイ」


(えっ?)


どういう事かわからないが、このゴブリンは俺を襲う気はないらしい。

そして、ここで俺はもう一つ重要なことに気づく。


「耳が聞こえるの……喋れるの、目も見えるの……俺は……人間になってしまったの?」

俺は急いで近くの湖に行って姿を確認した。するとそこにいたのは……


「人間みたいだけど少し体が透けてるなの」

黒髪を膝裏まで伸ばした赤眼の美少女だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ