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第6話 幼女の気持ち

side 幼女


ワッチの名前はクラルス・セイン、12歳。領主の娘なのじゃ。

そうつい半年前迄は只の領主の娘じゃった。

村が一つ消え、その村の分の税収をどうするか父上や家臣達が話し合っている時だった。

父上の部屋から父上の大きな声が聞こえる。


「なっ!曲者!護衛兵であえー!!」


ワッチは怖くなり自室に閉じこもりガタガタ震えていたのじゃ。


「ハッハッハッハッハッハッ」


笑い声が聞こえる、父上の声どころか家臣の貴族や兵達の声すら全く聞こえない。

天井から声が聞こえる。


「この街は我が忍者の神の物になった、貴女はこれからこの街の領主になって頂く。何必要な事は指示をする難しい話ではないさ」


首にピタピタと鉄を当てられる。私に拒否権はなかったのじゃ。


「ハッハッハッハッハッハッハッハッ」


笑い声が聞こえるこの街はニンジャと言う魔物に支配されてしまったのじゃ。

領民達よすまんのじゃ、ワッチには力がない。

ワッチは此奴らの機嫌を損ね無いように、傀儡であるしかないのじゃ。


「この街の宗教は何だったかな?」


「ハイ、カリスと言う糞を信仰しています」


街で評判が良かったはずの、敬虔なカリス教徒の牧師様がカリス様を糞と罵っている。


「これからは忍者教だ、忍者教の教えはわかっているな?」


「ダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミコロスベシダメガミ」


壊れた様に繰り返す牧師様。

牧師様はカリス様への怒りや怨みを募らせた眼をしていたのじゃ。

とても怖かったのじゃ。


「ハッハッハッハッハッハッ良し良し良い子だ」


そんな牧師様を見て満足そうに笑う、ニンジャと名乗る集団が何より怖かったのじゃ。


「と言う訳でこれからは忍者教一択だ、わかったな?クラルス・セイン?」


「いっいやでもワッチはカリス教徒で改修はちょっと待っひっ!!」


「悪い子だなクラルス・セイン。君には箱に入って貰おう、何父上や母上も入っている箱じゃ何も怖い事はない。ただ駄女神の助けは無い事を知るが良い」


こうしてワッチは暗い暗い箱に入れられた。

きっと両親もこうして閉じ込められ殺されたのであろう。

ワッチは一生懸命女神カリス様に祈った。

ワッチはこれでも真面目なカリス教徒であったはずじゃ。


祈りは通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じるはず通じる


頭の中に綺麗な女神様が見えた気がした、きっとカリス様だカリス様が助けてくれる。私は頭の中の綺麗な女神様へ祈った。


女神様は悲しい顔をして首を横に振り、小屋のような場所へ帰っていった。


ワッチは女神カリス様にも見離されたのだった。


ワッチ達は良い領主とは言えなかったのであろう。


だから女神カリス様も助けず見捨てたのじゃろう。


『あのー?貴女がどうとか関係無く私も命が惜しいのでこれ以上祈られても困るんで、祈るのやめて貰えます?ゲームに集中できないんで。マジ引きこもりの私に何を過大な期待してるんだか知らないけど助けに行ったら真っ先に私が殺されちゃうんで、行きません絶対に。命大事にですよ(笑)』


糞アマあああああああああああああああ!

100年の恋も一瞬で冷凍されるような態度と言葉で突き放された。

ワッチは悪魔に魂を売ろうともあの悪神カリスを討ちたいと、今まで祈った何よりも強く祈り誓った。


「力が欲しいか?駄女神を殺す力が欲しいか?」


そんな声が聞こえた気がした。


「欲しいのじゃ!力が欲しいのじゃ!げーむとは何かわからんが、今までの信仰を全力で踏み躙られ馬鹿にされたのじゃ!許さないのじゃ!」


「良かろう!では出るが良い!」


暗い場所に光が溢れた。そこに居たのはニンジャと言う集団だったのじゃ。


ワッチは何故か両親と共に修行をさせられた。

両親は自堕落な生活と歳も有り早々に文官にさせられていた。

ワッチは忍術?魔法とは違う才能があると言われた。

ワッチは少し嬉しかった、護身術もまともに出来ず魔法も上手く使え無いワッチが始めて認めて貰えたのだ。


ニンジャ集団がニヤリと笑っていたのだけが気になるが。


ワッチは修行を頑張った。

その間敵対している街との会談があった。

ワッチが領主を継いだ事と、今後の話のはずだった。

ワッチは戦争だけは回避するぞと意気込んでいた。


「忍者になったんでしょ!?良かった!!本当に良かった!頑張って!マジで頑張って!本当に頑張って!戦争?しない!絶対しない!許して!俺は何もしない!俺は悪くない!」


強く強く励まされた。

励ましてくれた、彼の目は虚で以前会った時よりガリガリに痩せ細っていたし何かに怯えていた。

ワッチには彼に何があったかはわからないがニンジャが関係しているのだろう。

最近胃が痛い。


王都より今年度の税額の使者が来た、大臣様らしい、ワッチも初めて見た。

街に入らず門前で大臣様に土下座された。


「今年度から税は無いから頼むから忍者を王都に嗾けないで下さい!お願いします!」


大臣様や護衛兵の方々に土下座されお願いされてしまった。

胃に穴が開きそうだ。


辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い


そんな辛い時期を乗り越えた時新たな試練がやってきた。


そうニンジャが信仰する神が来た


神は何故か荷車の上で股間や胸が強調されるような縛り方をされていた。


怖過ぎる。


変態だと思った。


不敬だと言われ、ニンジャの皆様に殺気と刃物を向けられ死を覚悟した。


オシッコは盛大に漏れてしまった。


神と言われている男は弁明してくる。

ワッチの母上の胸に興味津々で股間を膨らませる様な男だやはり変態で信用はできない。


そんな時オーガの大群が迫って来ると知らせが来た。

ワッチはこの世の終わりだと思った。


変態は何やらニンジャ達と言い争い根負けし「変身!」と叫んだ。


真っ黒な身体の戦士が現れた。


カッコいい!ワッチはあの変態だと言う事も忘れ、ニンジャ達とニンジャコールをした!


彼なら助けてくれる、そんな確信があった。

黒い鉄の塊に跨り猛スピードでオーガ達の元へ行き、色々な魔法?を使い最後はオーガの王を単身で斬り伏せた。背後の森ごと。


ワッチは感動した、神の強さに。変身した真の姿に。

ワッチは神の真の姿に憧れた。

ワッチもああなりたい、ワッチも変身したい。

神に師事をしよう。不敬になるかもしれないけど、それでもワッチは強くなりたい。


神はニンジャ集団の声援の中で膝を抱えて座っていた。怖かったのかもしれない、でも彼はワッチ達を護ってくれた。

神であり勇者、ワッチの中で彼は正しく勇者だった。

彼に抱きついて御礼を言った。

彼は何故か微妙な顔をしていた。

恥ずかしいのだろうか?


それよりワッチはハラハラしていた。何故ならニンジャ達に不敬だと怒られるか不安だったからだ。


side 進藤龍


体育座りしている僕に幼女が抱きついてきた。

お漏らしでビショビショなまま。

こんな時主人公なら優しく抱きしめたり頭を撫でたりを笑顔でするんだろうけど、僕には出来なかった。

何故ならオシッコの匂いが余りに強烈だったから。

僕にオシッコで喜ぶ性癖は無い、いつも不敬だと騒ぐ村人達は笑顔で見守っている。

それが非常に腹立たしい、微妙に僕と幼女から距離まで置いてやがる。

そりゃ臭いだろうよ!

僕だって臭いの我慢してるんだから我慢しろよと叫びたい衝動にかられる。


ニヤニヤニヤニヤしやがって!だけど生来の弱気な僕は、幼女を傷つけるかもしれないのと単純に村人達が怖くて何も言えない。


ああ空が青いなあ。


現実逃避するしか僕にはできなかった。


「ハッハッハッハッ少女のハートまで掴むとは流石は忍びライダーですな!」


こいつ!ちょいちょい煽りやがって!


でもこいつが一番怖い。


「ははは。とりあえず倒せてよかったよ」


とりあえず笑って誤魔化した。


「良かったのじゃ!ありがとうなのじゃ!ワッチも忍びライダーになりたいのじゃ!」


え?今不思議な言葉が聞こえた気がした。


「忍者になりたいんだよね?」


言い間違いだろうから、華麗にスルーしてあげた。


「忍者じゃなく忍びライダー!忍びライダー!忍びライダー!忍びライダーになりたいのじゃ!」


「えっなっなんで?」


「カッコよかったのじゃ!強かったのじゃ!スパーーンって斬ってたのじゃ!魔法?もバーンってなってたのじゃ!」


「いっいやあのね?」


「黒かったのじゃ!ブーンって凄い速さだったのじゃ!」


「あっあのね!?」


「忍びライダーの弟子にして下さいのじゃ!」


「いっ??!!弟子っ!?」


「お願いしますのじゃ!」


土下座するお漏らし幼女に僕は頷く事しか出来なかった。


「やったのじゃ!不敬じゃないのじゃ!?」


「不敬じゃないよ・・」


忍びライダーという呼び名が既に僕の中では不敬なのだが、不敬だと言うと村人達に殺されかねない。

幼女は興奮して気付いていないが、僕が認めるまで村人の殺気が凄かった。

もう本当に怖かった。

冷や汗ダラダラだった。

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