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第27話 ホラーかよ!

可愛い幼女2人と、冴えないモブの3人旅。

幼女2人を前と後ろに乗せ安全運転でギルド本部を目指す。

クラルスを前に紐で僕の身体に固定し、ルナを後ろに紐で固定する。

ヘルメットは無いから鉄兜を被せてある。


「通報物の絵面だよねこれ」


「師匠その看板右なのじゃ!」


「りょーかい」


クラルスは女神マップとドワーフの街から貰ったマップを照らし合わせながらナビをする

元祖お漏らしマンは以外に優秀だった。


「・・・ルナは後ろだから役に立ってない」


しょんぼりした気配が伝わってくる


「大丈夫!次の野営地点では頼りにしてるからねっ!」


「・・・とーたんは優しい」


「師匠はたらしなのじゃ!」


「ちがうよ!僕は普通!ノーマルだから!」


ふざけあいながらバイクで走っていると周りの温度が急激に冷えて行く。

そして木々がざわめき出す。


辺りの獣や人の声が一切しなくなる。


「寒っ!なんだ?ここの気候かな?」


ルナの毛が逆立っている。


「・・・とーたん!強い敵来る!」


「かーみーさーま!あーそーぼ?」


いつの間にか、前方に居る黒髪の少年


バイクを急停止する


彼を一言であらわすなら歪。


そこに居るのに居ないような、歪み


悪魔の様な笑顔


純粋なる悪意


だけどおかしい、こいつは勇者殺しとは明らかに顔も歳も違う。


だけどこいつは勇者殺しだと思ってしまう。


身体全体が警戒の鐘を打ち鳴らす


こう言う手合いには三十六計 逃げるが勝ちだ!


「あばよー!」


僕は一も二もなく、全力で逃げ出した。

徒歩ならこの速度には、追いついて来ないはず。


少しでもあの場から距離を取るために


今度は目の前に黒髪の女の子が現れる


「ねえ?かーみーさーま?あーそーぼ?」


「げえっ!?」


先回りとか超スピードとかそんなレベルじゃない


この目の前の女の子も勇者殺しだと認識してしまう。


「逃げ切ってやる!2人共しっかり捕まってて!」


「「はい!」」


僕等は更に逃げる。


目の前には黒髪の獣人がいる。


「かーみーさーま?あーそーぼ?」


「ホラー過ぎるよ!ちくせう!!」


更にバイクで走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る


何処まで行っても何処に行っても奴は現れる、その都度容姿を変えているが、何故だかわかる奴は勇者殺し本人だと


「くっ!やるしかないか!?」


「「あーそーぼ!あーそーぼ!あーそーぼ!あーそーぼ!あーそーぼ!あーそーぼ!あーそーぼ!あーそーぼ!」」


「火遁 火龍炎弾!!」


僕が出した火龍が一気に勇者殺し達を焼き尽くす


「ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」


何処からか笑い声が聞こえてくる


「ねえ?かみさま、ねえ?かみさま?ねえかみさま?ねえかみさま?ねえかみさま?」


「げーむをしよう」


「ゲーム!?やだよ!」


「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」


「このせかいと僕と君とのげーむだよ?楽しいよ?」


急に勇者殺しの気配がぶれた様な不思議な感覚に陥る


「世界!?世界ってなんだよ!他の人を巻き込むつもり!?」


「お客さんがきたからかみさままたね」


会話になっているようで、なっていない


辺りの勇者殺し気配がいきなり全て消える


「なっなんなのじゃ!?姿は違うのに全部同じ奴に見えたのじゃ!」


「・・・臭いが毎回違うのに全部同じ人」


そう見た目や臭いや声は全て違うのに、何故かあいつは勇者殺しだと分かってしまう。

わかりたくないのにわかってしまう。


「チート何てレベルじゃないよ・・」


火龍炎弾で焼かれたはずの死体すらない


「メリーさんより凶悪で恐怖度高すぎだってばよ」


「どうするのじゃ?」


「とりあえず奴が提案してきた、ゲームが何かわからないし世界を巻き込まれるなら否が応でも戦わないと、あれは?幻術だったのかな?」


「いや確かにいたのじゃ!」


「・・・臭いも実態ある幻?」


「そうなんだよなー。咄嗟に焼いたけど死体すらないし頭が変になりそうだよ」


「きっと何かあるのじゃ!次は笛吹くのじゃ!」


「いや、大和さんなら勝てるのか?大和さんなら勝てそうだけど呼んで来てもらうまでのタイムラグが怖いなあ」


「・・・頑張る!」


「やるしかないのじゃ!」


幼女2人はやる気満々だったけど、僕の内心は恐怖や疑問で渦巻いていた。

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