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第23話 金髪美女って誰だったの?

ヘーパイストスさんの神殿は控えめに言っても寂れていた。

中には鍛治師の象徴であるハンマーと台座、壁に沢山の武器がかけられている事以外は質素極まりなかった。


「ヘーパイストスさんらしいっちゃ、らしい神殿だなあ」


「拙者は良くわからんでござる、ただ物凄く鍛治が好きなんでござるなあとしか」


『小僧おおおおお!!!!』


大音量と共にヘーパイストスさんと知らない人が降りてきた。


「あっ教官じゃ!おーい!」


「・・・教官!」


ちびっこ達は手を振りはしゃいでいる。

一馬君は気を失ってはいないが身体がスマホのマナーモードよろしくな感じで震えている。

エネミーはルナとクラルスの前に仁王立ちしている、まるで我が子を守る獣の様に


『何してくれたんじゃあああああ!!』


僕の頭を凄い力で掴むヘーパイストスさん、めちゃくちゃ痛い、痛い?痛くない?あれ?


『ヘーパイストス!辞めなさい!』


凛とした声が響き、超絶美人な金髪爆乳のお姉さんがヘーパイストスさんを叱っている。


「あっあのー?痛くないから良いんですけど何で怒られてるのかわからないんですが」


『いっ痛くないんですか!?』


そりゃ老人に頭を掴まれてるだけだし、喋りづらいけど痛くはない


『あー小僧相変わらず規格外の化け物だな』


ヘーパイストスさんが手を離してくれた


「もしかしてヘラの件ですか?あれは僕無実ですよ?」


『そう!そのヘラだ!えっ無実?』


とりあえず事のあらましと通りすがりの異世界人の話をする。


『一介の冒険者がヘラを倒せるなどあり得ないはずですが、すみません記憶をみますね』


そういうと金髪爆乳のお姉さんが僕の額に指を置き突き刺さした。


「ぎゃああああああ!!人殺しいいい!!」


僕がジタバタと騒いでいるとヘーパイストスさんがため息をつきながら


『阿呆、死んでたら喋れんわ。記憶を見ると言っていただろうが』


あれそう言えば痛くない?


少しすると、神殿の壁面にあの時の情景が浮かび上がる。


『あれはイツノオオハバリ、彼の方はまさか大和さん。生きていらしたのですか・・』


金髪爆乳のお姉さんは涙ぐんでいた。


『大和の阿保が生きてるなら便りをよこんさかい』


ヘーパイストスさんも何やら知り合いの様子


『しかし、イツノオオハバリで斬られたのならヘラが完全に消滅したのも仕方ないですね。神童であり勇者であり救世主の彼がした事なら神界は容認するしかありません』


『しかし、ゼウスが黙っておらんだろ?曲がりなりにも妻だし、ゼウスは大和を嫌っておる』


『そこは大和さんに賭けるしかありません、今回の非は確実にヘラにあります。何もしていない、この可愛い幼子達に神罰を与えようとしたのですから。』


やまと、ヤマト、大和?って誰だろう?ってかそんな凄い人ならサクッと魔王倒しちゃえばいいのに


「あのー拙者が思うにヤマトさん?に魔王を倒して頂けないんですか?」


おー!勇者だ!流石一馬君皆んなが空気を読んで聞かなかった事を聞くなんて!


『それはできません。彼には既に二度世界を救って頂いています、そんな彼にこれ以上何かを願うのは私が許しません』


ひええ!こえー!!めっちゃ睨んでるじゃん!一馬君は一馬君で何で笑ってるんだ?

あっ白眼剥いて気絶してやがった!


「あのーそれじゃあ僕等はこのへんでお暇しようかな何て『話は終わってないぞ?小僧』


ああもう!魔王からは逃げられないの神バージョンだよ!

もう僕のライフはゼロよ!


『ごほん。進藤龍さんこの度は地球の神とカリス、バアル、ヘラと神界の者が大変な迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした』


金髪爆乳のお姉さんが土下座してきた。おっぱいがおっぱいがこぼれますよ!


「ひゃい!大丈夫れす!」


『あのあまり胸を見られると恥ずかしいのですが』


ばっばれてーら!すかさずエネミーの手が視界を塞ぐ万力の様な力で。

目玉がこぼれ落ちるううう!


「妻がいるのに浮気はだめよん!」


「師匠は母様のおっぱいも見ていたのじゃ!おっぱいが好きとは子供なのじゃ!」


妻じゃないし、母様のおっぱいってあああ!!あれだけ否定したのに見ていた事実がきちんと娘に覚えられてるううう。


「・・・とーたんはおっぱい好き?」


グハッ!オーバーキル過ぎるだろ、自分の子供にキラキラした目でおっぱいが好きですか?って聞いてまともな精神でいれる人がいたら紹介してほしい。

僕には無理だ。


「あばばばばばばばばばばばばば」


「師匠がまた壊れたのじゃ!あばばばなのじゃ!」


『謝罪は受け入れて頂いたのでしょうか?』


『ああ、大丈夫だろ。小僧の周りはいつもこんな感じだし』


金髪美人がパチンと指を鳴らし一馬君の気絶を治した


『後藤一馬さん、バアルのせいで非常に不遇な力しか与えられず申し訳ありませんでした』


「あっあいえ、あの拙者ダンボールであの」


超絶美人を前にしてテンパりまくる一馬君


『本当はダンボール以外も装備できるようにしてあげたかったのですが、どうにも難しくダンボール勇者のダンボール枠を強化致しました。

具体的にはダンボールの強度をオリハルコン以上に、貴方がダンボールで作ったゴーレムを操作できるようにしました。ただ力に見合う器も必要となりますのでレベルを上げて頂けないといけないのですが宜しいですか?』


「ダンボール以外装備出来ないのは変わらないんですねはははは。でもレベルが上がればダンボールでも戦えるんですよね?オリハルコン以上って事は斬撃も大丈夫ですよね?」


『斬撃も効きません、私に出来る最大限の力をダンボールに与えましたから』


「ぴゃああああああああありがとうございます!ありがとうございます!貴方を一生信仰します!」


僕が現実逃避から戻って来ると一馬君が跪いておっぱいに信仰を捧げていた


「あっあのー僕も強くなりたいんですけど?」


2人の神が心底驚いた顔をしながら僕を見ていた。


『こっ小僧世界を壊すつもりか?』


『貴方の力をそれ以上伸ばすと流石に世界が耐えきれなくなってしまうのですが』


「へ?だって雷火も防げなかったし、狐のパンチで顔面腫れたし、ついこないだ脚の腱切れましたよ?」


『まず、ヘラの雷火のスピードに追いつけるのは大和さんとゼウスのみです。追いつけなくて普通です。

狐のパンチと言うのは私はよくわかりません、ヘーパイストスの方が詳しいでしょう?

それと脚の腱については本来人間が出せる速度を遥かに逸脱して動いて更に負荷を加えれば腱位切れます、逆に腱だけ済んだのが驚きですよ!』


え?縮地ってそんなにヤバイワザだったの?漫画とかじゃ皆んな使ってるのに?


『進藤龍さん、ここは貴方や後藤一馬さんからしたら異世界のそうまるで物語の中の様な世界ですが、死んだら終わりの紛れも無い現実です。

だから無茶をすれば身体は壊れます。例え貴方が神であろうと、ヘラを見たでしょう?ヘラだって死んだのです、だから無茶はだめですよ?』


確かにヘラは死んだ、真っ二つにされて。うーんじゃああの速度には抵抗出来ないって事になる。

僕が苦虫を噛み潰したような顔をして悩んでいると。


『はあ。わかりましたなら一つだけサービスです。縮地の上、神速を使えるようにします。大サービスですからね!だから私のお願いも聞いてください』


「おっお願いですか?」


『ええ、貴方と共に召喚された方々を救って頂きヘーパイストスか私の神殿に連れて来て欲しいのです。彼等は加護が無いため投獄されています。直ぐにとは言いません、貴方の用事が終わり次第助けてください。』


「動きがないと思ってたら捕まってんのかあああああい!!」


「捕まってたら動けないでござるな!納得でござる」


『動けない現状をご存知だったのですか?』


「ええまあ、ダメガあっカリスの女神マップ貰ってきたんで」


『あの子は!女神マップを人に渡すなんて!』


あっこれは下手したら返せって言われるフラグだ!早急に話を変えなければ!


「あっ後女神の証ラーメンの汁でギトギトにしてましたよ」


『なっなななななななんて事を!!』


トマトみたいに顔を真っ赤にして怒っている。可愛い。


『後ですね、貴方の使徒の村人達にカリスの信者と神殿を潰して回るのを止めて貰えますようお願いできますか?』


「それはまあ、一応言うだけは言いますけど多分笑って流されますよ?」


『言うだけでもいいのでお願いします!!私は女神の証を確認しなければ!ヘーパイストス遊んでないで帰りますよ!』


チビ達を肩車して遊んでいたヘーパイストスさんが怒られている。


『おう!またなチビ達!修行しろよ!小僧は自重しろよ!狐の件はまた今度な!』


そう言うと2人は消えていった。

ドワーフの神官達は神の使徒だと後ろで僕等を見ながら騒いでいた。


「ところであの金髪美女って誰だったんだろ?」


「ホルスお姉さんじゃ!」


あれ?おかしいな聞こえなかった


「・・・ホルスお姉ちゃん」


「はい!つんだああああああ!」

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