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第20話 神々の憂鬱

『ホルス様、進藤龍に制裁を下すのかい?』


『え?何で?むしろ迷惑かけてしまった、進藤龍さんと後藤一馬さんと加護が与えられずに迷惑をかけた宮藤慶次さん須藤亜美さん伊藤浩二さん雨空美咲さんにはお詫びをしようとは思いますけど』


『ガハハなら良かったわい!』


『はあ、カリスとバアルを私は甘やかし過ぎました。今回の件はカリスだけでなくあの子の向こうでの不手際も原因と言えば原因なのですが、進藤龍さんと願石の適合具合には驚きました。普通あんな事にはならないのですが』


『生い立ちも何もかも普通のあの小僧が選ばれるとは誰も思わんだろう。小僧は自分を脇役だと思い込んでるみたいだが、ありゃ異常だ。身の内に願石どころか神獣まで宿し修行もせず神具を扱う』


『それ故に危ういのです、貴方やアルテミスを監視に置いても足りないくらいに。邪神や邪神の眷属も彼に気づいています。今回のヴェノムロードを焼き払った件で』


『あの様子じゃ意図せずだろうがな。邪神の領域を神獣のブレスで消し飛ばすなんて喧嘩を売るにしても程があるわ』


『そうなんですよ、こちらが彼を全力で庇おうと斜め上をいかれますからね。困ったものです。』


『カリスがあの子に加護10倍とか言っていたのは大丈夫なのかい?』


『ええ、普通なら身が耐え切れず死ぬ所を願石が無効にしました。彼はカリスを嫌っているのを汲んだんでしょう。彼にはカリスの加護と貴方の加護とあちらの神のウカノミタマの加護があります。稲荷明神の狐が作った神具を渡したのも彼の中の願石を護る為でしょうし』


『小僧にはびっくりさせらるわ。小僧の娘達も異質な力と加護を持っているしな』


『その事で貴方にも言いたい事があります!村人は彼を護る為と妥協しましたが、彼女達の運命まで変えては駄目でしょう?彼女達は幸せになる道がありました。神の眷属ではなく人としてです!それを貴方は!』


『いっいやーあのそれはな、ついな。ほらあれだそのすまん』


『はあ。もう済んでしまいましたけどもうよしてくださいね!

ただでさえ、バアルが気に入り力を与え過ぎて暴走している勇者の剣崎茂さんも気になります。別の大陸にいるからそうそう会わないでしょうけど、既に勇者を2人消して力を奪っています。』


『奴さんはバアルは気づいていないだろうが、バアルの力も一部かすめ取っているしなあ』


『もう問題が多過ぎて私は頭が痛いです』


『宮藤慶次さん須藤亜美さん伊藤浩二さん雨空美咲さんには世界を救うために呼んだのに牢屋暮らしと言う酷い扱いをしていますし、それに雨空美咲さんは多分進藤龍さんの力に気づいています。

彼女だけは実際に目の前で見ていましたしね、進藤龍さんの事を言いふらしたりはしないでしょうけど、進藤龍さんに助けを求めているのは事実です。』


『小僧に助けねえ、自分達は小僧の事を気にかける事もせず、小僧にだけ助けを乞うなんて浅ましい人間だな』


『彼女は内に秘めた想いがあるのですよ。貴方に乙女心を分かれとは言いませんが』


『ガハハ乙女心何てわからんわ。小僧と小娘と村人は気に入ってるがそれ以外の人間何て亡ぼうが何しようが知ったこっちゃないな』


『はあ。それでは困るのですよ。私達神は平等でなければなりません』


『なら邪神のつけはホルス様が解決するんだな、小僧にやらせずに』


『わかっています。ですが邪神は神界に居ない以上あちらに居るものに助力を願わなければいけないのです』


『小僧にやらせるなって言ってるのがわからん訳でもないだろ?』


『わかっています、わかっていますよ・・後ヘラは何処行ったのですか?ヘラにも称号の面で悪戯した件を聞きたいのですが』


『ヘラなら逃げたぞ、書き置きを残して』


『書き置きですか?』


『ああ確か『私の苦情や想いは当然ですーう!怒られる言われはありませーん』だったかな』


『ぐっあの子は!ゼウスに言って叱って貰わないと!』


『ゼウスも大変な奴を嫁にしたもんだわ』



神界でのこんなやり取りを知るのはホルスさんに会ってからなのである。


その頃僕は


「あばばばばばばばばホルス様って偉い神様でしょ!?」


「そうじゃ!一番偉いのじゃ!」


「のじゃじゃないよー!身の潔白を訴えてきてくれたよね?」


「?師匠は強くて!駄女神から眷属を取り上げ簀巻きに出来るから舐めるなって言ってきたのじゃ!」


「ばっばがやろー!!」


「・・・とーたんは強くて神すら下僕にするって宣伝してきた!」


ふんすと胸を張る愛娘と弟子、彼女達は悪気はないんであろう、単純に僕は強いんだーって宣伝してきただけななであろう、だけどそれで裁かれるのは僕だ。

一番偉い神様とか、駄女神やアルテミスやヘーパイストスさんの比じゃないくらい強くて怖いんだろう、一瞬でパチュんと頭を消される。


「一馬君、エネミーさん僕の戦いはこれまでのようだ、頑張って魔王倒してね」


涙ながら2人に伝える。


「龍殿!?まだ断罪されるとは決まってないでござるよ!?諦めたら試合終了でござろう!?」


「旦那様!大丈夫よんきっと!ヘーパイストスさんやアルテミスさんも助けてくれるわん!」


「ワッチも護るのじゃ!」


「・・・とーたんは殺させない」


皆んなの気持ちが嬉しいけど、実際問題アルテミスには無茶振りをして眷属を取り上げてるし、ヘーパイストスさんは小僧実力を見せてみろ!的な感じで助けてくれなそうだし、味方の神様が1人もいない。確実に詰んでる。


いっいや!1人だけいる筈この小狐丸の神様なら刀くれたんだし庇ってくれるはず!


僕は小狐丸を持ち祈った。


僕の弁護をよろしくお願いしますと油揚げあったらあげますからと。


『油揚げおーくれ!』


「ひっひい!いきなりでた!」


『油揚げおーくれ!』


「あっあのう」


『油揚げおーくれ!』


「無いです・・」


『クソ野朗ー!!!』


「べぶらっ!?」


九尾の狐に頬をぶん殴られた。

痛い!めちゃくちゃ痛い!今まで神の技的なの効かなかったのに!


「もしかして?もしかすると小狐丸くれた神様!?」


『後悔させてやる』


九尾狐の後ろからものすごいオーラが出てる


「もしかしておらおら的な奴ですか!?」


『おらおらおらおらー!!!!』


悲鳴をあげるまもなく猛烈なラッシュを浴びた。


「じゅびまぜん、油揚げは見つけたら奉納ずるぢゅもりでちた」


『紛らわしい!奉納する時に願いを言え!』


「じゅびまぜんでした」


「イナリ様!もうやめて!師匠の命が無くなっちゃうのじゃ!」


「・・・ごめんなさい」


子供2人に庇われるなんて、すさまじく情けない。

顔が2倍以上に腫れている事実も拍車をかけて辛くなる。

もう少しだけ早く助けて欲しかった何てきっとワガママなのだろう。

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