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第16話 ダンボールヒーロー

「一馬君レベル上がって何か変わった?」


「うーんスキルは増えましたが、この世界ステータスが見える訳ではないので明確にはわかりません、以前より動きやすい感じはありますな」


シャードボクシングをしながら力説する、フルチンの一馬君。お漏らししたズボンとパンツは洗濯中だ。

ぷらぷらと見たくもない物が揺れている


「一馬君どんなスキルが増えたの?」


「試してはいないのですが、変形、着色、召喚ですな!やっとあのゲームの様にできるぞおお!!」


「やってみてよ」


僕はワクワクしていた、勇者の力が見れるから


「了解でござる!先ずは召喚!そして着色赤と黒!」

「更に騎士変形人馬一体ケンタウルスモード!」


おお、かっこいい!赤と黒の配色が素晴らしい!匠の技だ!

けどこれダンボールだよね?

戦えるのかな?


「フォー!!凄いでござる!凄いでござる!龍殿拙者をあそこに乗せて欲しいでござる!」


ケンタウルスモードの馬の部分に一馬を乗せてあげると


「フォー!行くでござる!」


ダンボールは動かない


「あれ?走るでござる!」


ダンボールは動かない


「あっあれ?腕を振るうでござる!」


ダンボールは動かない


そりゃダンボールだから動く訳がない。しばらく叫んでケンタウルスモードから降りる一馬。

いつものダンボールを被り引きこもる


「ウッウッー変形できても!動かないと意味がないでござる!張りぼてでござる!あああああ!」


泣き叫ぶ一馬。可哀想だがかける言葉が見つからない、何故彼はダンボールが動くと思ったのかわからないがかなりショックをうけている。


「あっあのさダンボールだから動かないけど、張りぼてで威嚇には使えるんじゃないかな?」


「結局役立たずのままでござるうう」


「ほっほらダンボールに火薬を詰めて地雷を作ってさ着色して目立たなくしたら強いんじゃないかな?ダンボール地雷的な」


「それなら最初から普通の爆弾作るでござるう!!」


バアルとか言う神様の意地が悪すぎる、ダンボールで戦えない事何て誰でもわかる、ダンボールに使うスキルしか覚えない勇者何て果たして勇者の意味があるのか


「あーそのさヘーパイストスさんが戻ってきたらさ?何かないか聞いてみよ?バアルとか言う神に交渉してもらお?」


困った時のヘーパイストスエモンに何とかして貰おう。ってかこの世界、駄女神とかバアルとかアルテミスとかろくな奴がいない。

ヘーパイストスさんも自由気ままだし、ホルスとか言う神はちゃんと管理してるのか?

そうだアルテミスを呼ぼう、多分呼んだら来るだろ。

神って皆んな暇そうだし


「アルテミスさんアルテミスさんとりあえず来て!ヘーパイストスさんは忙しいだろうから君に決めた!」


僕が空に向かって叫ぶ。

数分すると空から光が控えめに発光しながら降りてくる。


『あっあのう、私何か気に触る事しましたでしょうか?』


「アルテミスさん、来てくれたんだねありがとう。でも神界から僕等の事見てたよね?見てるよね?それで一馬君なんだけどさ、ダンボールじゃ戦えないし何とかして」


『いっいやあのですね、バアルの管轄の方なので私からは何とも・・』


「えーじゃあバアルに話つけてよ、ダンボールじゃ魔王倒せないぞって!せめて戦える様にしないと、現状魔王倒すぞって気概が少しでもあるの一馬君だけでしょ?」


『いっいやーそのあの』


口籠るアルテミス


「何?キリキリ喋らないと村人呼ぶよ?また捕縛されちゃうよ?」


『ひっひい!あのですね、1人物凄く真っ当に勇者活動されてる方が現れて皆んなそっちに期待してて、バアルさん一馬さんの事多分忘れてるかなってエヘへ』


はにかみ笑う可愛い。可愛いけどそうじゃない、呼んで忘れて放置って扱いが雑過ぎる。


「おいいいい!無責任過ぎるだろ!勝手に呼んどいて放置かよ!」


『あっあのですね?普通神を気軽に呼んだりお願いしたりは出来ないんですよ?貴方が特例なんですうう』


アルテミスが涙目になっている


『そもそもですね、魔王を倒すためにチートを与えられてこの世界に来たのに、魔王より残虐プレイするわ、ハーレム作って動かなくなるわ、調子に乗って雑魚モンスターにやられるわ、びびって最初の国から出なくなるわ、加護がなくて投獄されるわで私達も困ってるんです!』


今までの勇者の愚行がどんどん明かされる


「あっあれでも僕と一緒に来た人達は?」


『最初の国で捕まりました、何か加護も無いから勇者だと信じて貰えず異端認定されて投獄だったかと。明確に罪を犯した訳じゃ無いからとりあえず牢にぶち込んでおけって感じらしいですよ』


「はい?加護が無いから投獄って酷過ぎるだろ!」


『いやーあのですね、この世界の人やこの世界に来た時点で誰もが加護を貰えるんです。魔族や魔王にだって邪神からの加護はあるんですよ?それに牢屋にいた方が安全です、殺される事は無いし衣食住もあるし、あの国は滅びの予定もありませんし』


「いやいやいやいや待って待って!僕等の人権は?」


『ありませんよこの世界に地球みたいな人権何て』


命の価値が低いこの世界で人権何て無いのは仕方ないが神から言われると、何かこうダメージがある。


とりあえずアイアンクローをする。


『痛い!!ばなじでえええ!私間違っでないのに~』


「4人は無事なんだね?あっとステータスの称号欄に苦情や煽りいれたの誰?」


『ぞればベラさんがガリズぢゃんのじりぬぐいさせられてやっだっでざまーみろっでわらっでまじだ!わだじは関与じてないいい』


ベラ?妖怪人間か?


「おい適当な事言うなよ?ベラって妖怪人間だろ?」


『違います!ヘラ!ヘラです!ベラじゃないですう』


とりあえずヘラって奴は捕獲して罰を与えなければ


「アルテミスさんとりあえずカリスの家に火を放ってきて」


『へ!?何故いきなり!?しかも放火じゃないですか!』


「あいつ、ポテチ食いながらダラダラしてるだけだから絶対。ショックでとか都合の良い理由つけて引きこもってるだけだから働きたくないだけだから、火でもつければ出てくるよ」


『さっ流石にそれはカリスちゃんでも・・いやでもありえる?』


「試しに忍び込んでみてよ。あいつは反省とかショックをうけるやつじゃない!カリスのせいで僕がどんだけ苦労してるか!一馬君もカリスの被害者だぞ!」


僕は言葉を強くして言う


『ひっ!わっ私直ぐに確認してきます!バアルさんにも話しをしてきます!』


「サボってたら下界に美味しいお菓子があるとか言えばほいほい出て来るから引っ捕らえてきて!」


『イエッサー!』


ドタバタとアルテミスが去って行く。


「やっやっぱり龍殿は神なのでは!?」


「違うってば!僕は人間!文句言う時は文句を言うだけだよ」


「いや普通神様に文句何て言えない気が・・」


「日本の神様になら言えないかもね、会った事無いし。それにこうこの世界だと神との距離感が近いから言いやすい感じ?」


「完全に龍殿だけです!拙者がどんなに祈っても神様は顕ませんでした!多分この世界の誰でも同じ気がしますぞ、聖女とか居るなら別でしょうが」


フルチンで小難しい話をする一馬。そう言えばアルテミスが来た時もフルチンだったけど恥ずかしくは無いのだろうか?

露出癖なのかな?


「一馬君フルチンで神に会うのは不敬じゃないの?」


「あっああああああああ!拙者ピンチでござる!あの美人な女神に見られたでござる!」


「あっ気づいてなかったんだ・・」

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