第15話 お漏らしマンマーク2
称号に悪戯したのは駄女神関連だろう、そろそろひっ捕らえて駄女神に罪を償わせないと気が済まない。
それはさておき村に送るにしても一馬君が戦えるのかどうかを聞かなければ
「あのさ、一馬君ってレベルいくつなの?」
「拙者逃げ専なので1ですぞ」
は?え?嘘だろ?
「えっ貴方レベル1なの!?良く生きているわね!レベル1って子供並みの強さよ?」
エネミーさんも僕同様に混乱している
「うわあ、どうしよレベル上げなきゃやばいよね?」
レベル上げなきゃこの世界じゃ直ぐに死んでしまう
「拙者ダンボールに隠れてます!」
「僕の村までさ、結構あるんだよ?途中で雨とか来たらやばくない?」
自信満々に隠れるってそれ、無理があるだろ!しかも僕に見つかってるし
「ふっふっふ拙者のダンボールはそんじゃそこらのダンボールではござらん!耐火性、耐水性、耐衝撃性を兼ね備えているでござる!」
「斬撃は?」
「斬れますぞ普通に。紙なんで、てへぺろ」
てへぺろしてる場合かああああ!男のてへぺろ何て誰得だよ!
斬撃でダンボール斬られてたら、この世界の大抵の攻撃が通じるじゃないか!
「拙者ダンボール以外装備できないし、ダンボールで殴って死ぬ敵なんていませんから、笑うしかないでござる」
たっ確かにダンボールで殴られて死ぬやつなんかいない、妙な説得力がある。
「方法が無いわけじゃないわ。ジョブやスキルは変えられなくても私達で限界まで敵を弱らせて殴ればだんぼーるでも死ぬんじゃないかしら?」
「寄生プレイですな!それならパーティ登録して経験値分配の方がきっと楽ですぞ!」
パーティ登録?そんな要素あんの?聞いてないんだけど!僕が疑問に思っていると
「そんな事が本当にあれば楽よねえ」
エネミーは知らない要素らしい
「え?出来ないんですか?試しにやってみますぞ!」
「ぎゃっ!」
エネミーが男らしい悲鳴をあげる。
「どうしたの?」
「目の前に【承認しますか?YES/NO】って出たわ!何なのこれ?」
僕には出ない、一馬君は僕にパーティ申請を送ってないのだろうか?
「あれ?龍殿に送れませんぞ!?エネミーさんには送れたのに!」
はい出ましたー僕だけ糞仕様。パーティ申請や登録も僕には出来ないらしい。多分駄女神のせいだ。
「あー多分駄女神のせいだね、魔法も使えないし。巻き込まれたとは言え部外者だからじゃないかな?」
エネミーと一馬君が凄く可哀想な目で見てくる。
「僕が敵を弱らせて、エネミーさんが倒すこれならいいのかな?」
「非常に申し訳ないのですが、多分それは駄目ですぞ。あくまでもパーティメンバーで攻撃して終わらせないと」
「あーなるほどなら僕は囮役位しかできないかあ。うーん」
「旦那様が囮役だけでもしてくれたら倒しやすいわん!」
「そういえば旦那様?」
余裕が出てきたのか一馬君が余計な事に気付き始めた。
「そうよん!私達は夫婦で今はここに居ないけどルナって娘がいるわん!」
僕は耳を塞ぎ体育座りをする、必殺現実逃避だ。ルナは良いんだ、ルナは可愛いしお父さんと慕ってくれるし、ただエネミーてめーはだめだ!
そもそも雄×雄じゃ何も生まれない、生まれるのは周りからの侮蔑の目線と精々僕の尻の貞操がぶち抜かれる位だ。
まさに悲劇しか生まない。
「たまーに旦那様こうなってしまうのよん、貴方何かわかるかしらん?」
「いっいやこれは多分・・」
「なあに?何なの?」
「(拙者には分かるこれは現実逃避だ!拙者もよくやるし!ただそのまま言えば殺される!すまない龍殿!拙者死にたくないでござる!)
きっと恥ずかしいのでござろう」
「照れ隠しなのねん!可愛いわあ!とりあえず貴方、カズマって呼ぶわよん?私と一緒に狩りに行くわよ。この辺りには強い敵もいないし、旦那様なら1人でも平気だからん!あっ旦那様浮気じゃないのよん?」
顔を赤くしいやんいやんしている、可愛くない不気味すぎる。
浮気とか心底どうでも良い、僕は一馬君に変な気を使われ余計に落ち込んだ。
「行ってらっしゃい・・帰ってきたらドア叩いてください」
僕は土遁で穴を掘り空間を広げた。上部開閉式のドアを木遁で作り引きこもる。
「どうにか神界に行けないかな、行けないよなあ。空飛ぶ方法も次元を超える事もできないし、時遁に至っては使えるけど何が起きるかわからないって感じだしなあ」
僕の忍術には欠点は多々ある。
火遁と水遁と強過ぎるか、弱過ぎるかの極端な事しかできない。
風遁と土遁は盗賊達の一見以来攻撃的な技が何故か使えない。
空遁は物をしまったり出したりか、空間を広げるしか今は思いつかない。
雷遁は当たり前だけど水場で使えば自爆必死、雷耐性スキルが無いから当たり前だけど。
氷遁、嵐遁は一度しか使っていないので未知数。
影遁はかなり便利だけど直接的な攻撃の仕方が思いつかない。
時遁、これがまじでわからない。
D○O様みたいに自在に時が止められたり、移動スピードを速めるクロックアップ的な事も出来るかもしれないが、もし失敗して、自分だけ止まった世界に送られたら、自分だけ速さが違い認識されなくなったら、僕はきっと自害する。
だから使うに使え無い、怖過ぎて。
次に体術関連、この世界の人は訓練や修行でスキルが備わるらしいけど、僕は練習した忍者絡みの物しか使えない。
投擲は暇さえあれば手裏剣を投げてた成果か、忍者になってから直ぐに使えた。
暗殺術や隠密術や密偵術等、この世界で忍者に近い物は訓練して再現出来た。
それ以外は全然ダメ、魔力が絡んできた瞬間お手上げ、だから回復も肉体強化もバフ系の支援技も使えない。
死が身近にある世界でこれほどまでに不安定な力は僕だけだろう。
「せめて、魔力だけでもあればなー。でも無いんだもんなあ。忍術で回復ってサ○ラちゃんみたいに膨大な医療知識を持って成立させてるみたいだし、普通の高校生だった僕にあるのは忍者知識だけだしなー。結構出来ない事だらけだよなあ」
水面歩行はまず無理、普通に溺れたし。
影分身も出来ないし、変わり身や隠れ蓑は出来た。
体術系で派手なのは壁登りと縮地だろう、縮地が出来た時は感動した!
漫画みたいな動きが自分の身体で再現出来たのだから。
少年漫画好きなら誰もが興奮するはず。
「縮地楽しいから修行中めちゃくちゃやったなあ」
そんな事を考えてると、ドアがどんどんと叩かれる
「あれ?随分早いな」
ドアが豪快に開け放たれる。
「んもー!聞いて大変だったのよ!」
一馬君を引きずりながら憤慨したエネミーが降りてくる。
「モンスター倒したらね、それ見て騒いで気絶したり吐いたりするし、途中ダンボールに隠れるから見失うし!一応レベルはかなり上がったみたいだけど!」
モンスターのスプラッタを見て気絶して吐いたのか、漏らさないだけましだな。
「漏らさないだけましじゃない?」
「漏らしてるわよ!むきー!」
エネミーが顎で指す。
こいつ漏らしてやがる!しかも大!気づいたらめちゃくちゃ臭いぞ!
「とりあえず一馬君洗わないとですよね・・」
「私が水浴び終わったらにして!旦那様お願いね!」
エネミーは怒りながら出て行った。
取り残された、大を漏らした一馬君と僕、何とも言えない雰囲気だった。





