第14話 男の裸踊りは見たくない
sideダンボール勇者
拙者の名前は後藤一馬でござる。
ダンボールで闘う何てシュールなゲームもあったもんでござる。
このゲームにはまりやり込みはじめて3年アニメもDVDもフィギュアも買い漁った程の生粋のマニアでござる。
何と限定フィギュアが隣の駅のおもちゃ屋にあるのをネットで発見し、お年玉を下ろして限定フィギュアを買いに行く真っ最中でござる。
「赤信号よ!」
興奮して小走りになっていた拙者は赤信号を渡ってしまい車に轢かれてしまった。
拙者は悔いた、信号を渡って曲がればおもちゃ屋、後数mで限定フィギュアが買えたのに。
そのまま拙者は意識を失ったのでござる。
気がつくと拙者は知らない場所にいた。
『あーあんた今日から勇者ね、魔王倒してお願い』
は?拙者は精神病院に来てしまったのか?
このイケメンは誰だ?めちゃくちゃ怠そうだけど
『病院じゃないから、マジ説明とかめんどい』
「あっあの拙者死んだはずでは?」
『あーだりい、カリスが引きこもってるからって俺にやらすなよな。そう思わね?』
カリスが誰かわからないけど頷いておこう、少しでも情報を貰わなければ!
「はっはい思います!」
『あんたもそう思うよなー!まっあんたは向こうで死んだんだけどさ、これからあんた達の認識からしたら異世界に行く訳よ。
そこにさ魔王がいるんだけどさー何かどの勇者もボンクラでよ、好き勝手に暴れたり、ひよって引きこもってんのよ!全然魔王倒しに行かないわけよ!ありえないっしょ?
神を相手に力貰って魔王倒さないとか詐欺だぜ詐欺』
拙者より酷い奴らがいたのか!しかし早口ですな、舌を噛まないのが不思議でござる。
「それは酷過ぎますな!」
『だからさ、あんたに魔王倒して欲しいわけよー!マジシクヨロって感じ。スキルもあげっからさ、それに勇者だしモテモテよ?童貞捨てれるよ?やるしかないっしょ』
「はっはい」
『オッケー納得したらあんたのスキルね!
あんたダンボール好きなんでしょ?ダンボール買いに行って死んだとか前代未聞だぜ!だからスキルもダンボール勇者な!ダンボールの勇者とかうけるっしょ?
マジ神センスだわ!後鑑定とアイテムボックスだけは俺からのプレゼントな!俺優しくね?マジ神だわー』
「えとあの」
『適当に魔王倒してきてなー!』
拙者の視界は暗転し、見知らぬ文字が沢山書かれたホールの様な場所にいた。
「こっこは?」
「おお!!勇者様!魔王からこの世界をお救いください!」
威厳たっぷりな髭のおじさんと傍に倒れている少女、中世ヨーロッパの様な鎧を着た沢山の人
「えっ?拙者が?マジで?」
拙者ダンボール勇者ですぞ!無理ゲー過ぎましたぞ
「まじ?娘の力を使い、勇者様をお呼びしたのです!」
拙者を呼んだせいで倒れている。
拙者のようなダンボール勇者とかわけのわからない者のせいで?
これはやばい、実力無しと知れたら打ち首獄門になる!
途端に拙者は怖くなりダンボールを無意識に出してすっぽりと被りました。
某スネー○さんのように隠れて逃げ出せる事を願って。
「勇者様が消えたぞ!?魔族の仕業か!?おのれ魔族!勇者様を探し保護するのだ!」
何やら変な勘違いをしていたので、拙者は全力でGの如くカサカサしながら逃げ出しました。
めちゃくちゃ必死に探してくれるのは有難いがその必死さが拙者には怖すぎました。
その後は無我夢中でした。
ダンボールでやり過ごせるが腹は減るし喉は乾きました。
拙者は盗賊を発見し、金銭や武器を人知れず回収しここまで逃げてきました。
窃盗だとわかっていたのですが、背に腹は変えられませんでした。これが拙者の話です。
ーーーーーーーーーーー
「すっ凄い大変だったんだね」
話を聞いて思った、バアル・ペオルさんは誰か知らないけどカリスが引きこもった余波が彼にまで及んでしまった。何だか凄く悪い事をした気がする。
「拙者ダンボール以外の武器や防具は装備する事も出来ず、コソコソ生きていくしか無いと思っている次第でござる」
悲壮感と哀愁が半端ない
「あっああじゃあ僕のいた村に行く?今すぐとは行かないけどあそこなら僕が言えば多分匿ってくれるよ?」
「言えば匿ってくれるって村でどんなポジションだったんですか!?」
当然のツッコミがきた
「あっああそれは」
「神様よねん?」
エネミー!貴様!言わないで良い事を言いやがってー!
「かっ神!?リュウ殿は神何でござるか!?ヒイイ!まっまさかあのバアル様と同じ!?」
「ちっ違う!確かに呼ばれてるけど、人間だよ!」
「ヒイイ!だから鑑定しても名前以外見えなかったんでござるか!すみませんすみません許してください!」
泣きながら土下座されてしまった。
「裸踊りでも、何でもしますから!お許しください!」
脱ぎ始めようとする一馬君を必死で宥める
「お願い!やめて!ただでさえ、悪目立ちする噂が一人歩きしてるんだからこの上男を裸に剥いたとか噂がついたらまじで生きていけなくなる!」
何とか一馬君を落ち着かせ、僕も深呼吸をする。
「そのさ一馬君、僕って鑑定すると名前しかでないの?」
「はい!普通の人は名前、スキル、レベル、称号が見えるのですが・・。もう一度鑑定しても良いですか?」
「良いよ!むしろお願い!」
名前 進藤龍
レベル ーー
スキル ーー
称号 オカマの旦那 忍びライダー(笑)
忍者の神(苦笑)
幼女キラー 実はMな男(キモっ!)
巻き込まれた人(爆笑)
神をひきこもらせた男(まじ迷惑)
オーガハンター
Sランクニート (失笑)
「あの称号見えたんですがその何というかあの非常に、あっのエネミーさん?ちょっと書き出すので見てもらえますか?拙者これ伝えるのはちょっと・・」
「良いわよん!どれどれ?」
何故か僕と離れて称号の話をしている。不安しかない、碌な称号は無いだろうなあ
あっ何でか一馬君がエネミーにアイアンクローされてる!やばい助けなきゃ!
「エネミーさん!急にどうしたの?」
「なんでもないわん。ただ称号が余りにもね」
****旦那
忍びライダー(笑)
忍者の神(苦笑)
幼女キラー 実はMな男(キモっ!)
巻き込まれた人(爆笑)
神をひきこもらせた男(まじ迷惑)
オーガの天敵
Sランクニート (失笑)
****の旦那の前は何だったんだ?文字が消されてるぞ?
称号の後ろに笑とかキモいとかまじ迷惑とか、蔑みと苦情が入っている。
このステータスを作った神は誰だ!
まず幼女キラーじゃないし、実はMでもない!
Sランクなのは冒険者ランクだ、ニートの事じゃない!
勝手に巻きこんどいて爆笑って何だよ!
引きこもってんのは駄女神の自業自得だろ!ふざけやがって!
「ひっ酷い!こんな称号!なっ内緒にしてね!?特にエネミーさん!村の人に言わないでね!?良くないことに絶対なるから!」
「大丈夫よん、言わないわん!これ作った神様には私も是非お話しがしたいわん!私は乙女なのに!」
「ヘーパイストスさんが来たら絶対に聞き出そう!」
2人は犯人を見つける事を誓った。





