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第10話 ぶらり3人旅

旅、旅かあ。口寄せして、黒い龍を出せば一瞬で終わるんじゃないかな?

歩き旅とか僕にはできないし、幼女はもっと無理だしなあ。


「くちよ・・召喚獣で飛んでったらだめなの?多分場所はどこか知らないけど直ぐ着くよ」


「あらん?修行するんじゃないのん?飛んで行ったら修行にならないわよん?」


「あははそっそうですよね?修行ですもんね・・」


嫌だなあ、トラブルしか起きない気がする。


「修行!修行なのじゃ♪」


ルンルンなお漏らしマン、何が楽しいのか全くわからない。これから辛い旅路が始まるのに。


「ギルド本部ってここからどれくらいの距離なの?」


「私の足で何のトラブルも無ければ半年くらいかしらん?」


じゃあ普通に行ったら1年は確定だな。エネミーとお漏らしマンを連れて修行?しながら行くんだからもっとかかるはずだ。


「僕はさっき村人に渡されたお金と食料と薬をもらったけどこれだけでいいのかな?」


「だめよん、野営の物がないわん。ポーターがいないなら私達で分けて持たないと」


村人がポーターやれば解決だけど、あいつら僕を厄介払いして絶対良からぬ事をするつもりだ。


「ハッハッハッハ私達は着いていけませんが、野営の物は領主の娘に渡しましたぞ?修行するというなら師匠の荷物を持つのは当たり前ですからな」


「でも、荷物の山があるだけであの子居なくない?別れの挨拶でもしてるのかな?」


「・・・たしゅ」


「たしゅ?」


まっまさか、荷物の下敷きなんて下手な展開が・・僕は恐る恐る荷物の下を見た。

幼女が轢かれたカエルになっていた。


「ちょ!早く助けないと!」


幼女を急いで荷物の下から引っ張りだすと


「ひっぐ、ニンジャの人達が荷物持ちも出来ないなら弟子失格だってひっぐひっぐ」


「あああああ、荷物は僕が持つから!」


急いで荷物を空遁でしまう

また泣かれたら更に評判が落ちる


「リュウちゃん!貴方勇者なの!?アイテムボックスは勇者しか使えないのよん!」


エネミーが急接近してきて僕の肩をガクガク揺らす


「ひゃっ!アッアイテムボックチュじゃないれす!」


「じゃあ空間魔術が使えるの!?でも魔力を感じないし、そういえばさっき依頼中に魔法を使ってた時も魔力が一切感じられなかったわん!」


「師匠はニンジャだからよ!」


泣き止んだお漏らしマンが無い胸をはり踏ん反りかえっている。


「ニンジャ?不思議な響きね~気になるわあ。この街みたいな場所じゃ私を含め鑑定石持ちなんていないし」


「神を鑑定するなんて!!恐れ多い事を!ですがもし万が一神が鑑定をどーしてもしたいと言って鑑定したら鑑定結果を我々に教えてください!」


僕を庇うふりして僕の情報を貪欲に欲しがる村人。

疲れる、出発前からこれだ。


「僕はThe Faceless Godに乗ってくけど、エネミーや君はどうする?」


「あらん!黒くて硬い馬なんて素敵ねん!私は私の馬がいるけどお嬢ちゃんは、リュウちゃんに乗せてもらいなさい?私の馬女の子は私以外乗せないのよん」


「師匠乗せてくれますか?」


お漏らしマンが目を輝かせている。

村人達はギリギリと歯ぎしりをしている、まるで天国と地獄だ


「あっあー村人達でバイク欲しい人いる?欲しい人の人数と身長を纏めといて?ヘーパイストスさんに頼むからさ」


「「ヘーパイストス様!?」」


エネミーとお漏らしマンが何故か驚いている。神様だからかな?あの人やたら現れるから有り難みないけど、鍛治の腕とかは超一流だから尊敬してるのかも。


「おお!教官に頼んでくれるならクソガキが乗る事も心臓が張り裂ける思いですが認めます!」


村人達がうんうん頷いている。


「胸じゃなくて心臓が張り裂けるのかよ・・」


「へーパイストス様って神様よねん?同じ名前の人じゃなく?」


「へ?ああ神様ですよ、物作りと戦闘にしか興味ない老人ですけど」


「コラ!神様を老人呼ばわりしないの!神様は敬うべきものよ?」


「ハッハッハッハなら我が神を敬いなさい」


「いや僕人間だし・・」


「ハッハッハッハ」


「はあ、リュウちゃん貴方本当に何ものなの?老人呼ばわりしても神罰が当てられる気配もないし」


「神罰?そんなものあるんですか?」


「神よあれですよ、教官にした雷のような。余りに不敬だったりすると神罰が起こるらしいですよ?まあ神には関係ないですがな、ハッハッハッハ」


神罰かあ駄女神ならやりかねないな、あいつ頭おかしいし、ヘーパイストスさんは無害だろうしアルテミスは何だかんだ分別つきそうだしな。

やはり駄女神許すまじ!


「とりあえず冒険に行きましょうか、ここでグダグダして日が暮れても困るし、私の愛馬赤王も痺れを切らしちゃうしね」


真っ赤な鬣の体躯の良い馬が何故か僕の尻を見て舌舐めずりしている。

主人が主人なら馬も馬か。


「良し、お漏・・君は僕の前に座ってね、落ちたら大変だし危ないからね。複座があれば良いんだけどね、ないから仕方ない!レッツゴー!」


「ごーなのじゃー!」


ブォンブォン

アクセルを回して一気に進む、赤王とエネミーを置きざりにして。


「速いのじゃ!凄いのじゃ!」


お漏らしマンは満面の笑みだ。

後ろを振り返ると街がもう見えない、見えないどころかエネミーもいない。

あれ?おかしいな置いてきたかな?


エネミーを待つ事30分。


「エネミー遅いのじゃ~」


バイクの上で足をパタパタするお漏らしマン

絵になるなーとか考えていたら、呂布を思わせるような迫力で、エネミーが現れる。


「ちょっとリュウちゃん!!速すぎるわよ!」


赤王が物凄く息を切らしている。


「すっすいません。思ったよりスピード出て調子に乗ってしました」


僕は綺麗な土下座をした。

お漏らしマンは面白がって真似している。


「あのね、急ぐ旅じゃないしこんなスピードで走ったら事故も怖いし何より!私の赤王が潰れちゃうわん!今日はもう赤王休めないとだめよん!近くに川があるわん、その近くで野営準備よ!」


「はい」


「わかったのじゃ!」


近くの川の側に移動する。赤王が凄い勢いで川の水を飲んでいる。

そんなに疲れたのか、申し訳なくなる。

簡単なテントを設営し、火を起こす。

火遁の術 種火を使う。

猛火の術を見せたら火事になるからやめろって全力で怒られた。

お漏らしマンと僕はそんなに疲れていないがエネミーは全速力で赤王を走らせた為体力を消費していた。

乗馬は疲れるらしい、初めて知った。


「魚捕まえた事あるかしらん?」


「無いです、さばいた事もないです」


「無いのじゃ!」


僕は申し訳なさそうに、お漏らしマンは元気よく言った。


「う~んじゃあ2人で捕まえてごらんなさい!」


エネミーに言われ2人で川に入る、川の深さは僕の膝下位だから深くなく流れも緩やかだ。

お漏らしマンは溺れかけていたが。

僕はお漏らしマンを救助し川岸に放置して雷遁 小雷を使う。

釣り道具なんてないしこれが一番手っ取り早いと思ったからだ。


「「あばばばばばばばばばばばばば」」


懲りずに川に入ろうと足を入れていたお漏らしマンと一緒に感電する。

僕は異世界で初めて感電をした。


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