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欲望の先に  作者: 閑人桜花
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父親

お久しぶりです閑人です。(´・_・`)

今回と次回はフォレスの過去ローレンの父親が存命の頃にあった話です。本編を引き立てる為に必要なお話になります。良ければご参照下さいな(o^^o)


2日間置きに投稿しております。時間は18:00です。よろしくお願い申し上げます。(´・_・`)9/26日

代位五生“父親”


今から十年前フォレスはある町にやって来ていた。自分を助けてくれた恩師の居る町この王国最強の“冒険者”ウェルベック・クルージが住んで居る町。フォレスはウェルベックに会いにこの町まで来ていた。


ウェル家に向かっている道中フォレスは怪しい人影を見つける。いかにもな風貌の濃い緑色のローブに身を包んだそいつは前の方を歩いている女性を明らかに付けていた。女性が裏路地に入った辺りでローブの男は早足になり、女性と同じ角を曲がっていった。直後


「きゃぁあああ」


女性の叫び声が聞こえた。しかし奴は先程曲がったばかりだが追いつくのが速いぞ?フォレスはそう思いながら全速力で叫び声の方へ走り出す。


「ざけんじゃねーぞクソアマ!!テメーの所為で俺はもう終わりなんだよ!!最後にテメーの身体をたっぷり堪能してあの世へ先に送ってやる!!どうせ此処の全員死ぬんだ!!最後の行為を一緒に楽しんで仲良くイこうや!!」


ローブの男はそういうと女性の身体に手を掛けようとしたその時


「貴様そこで何をしている!その女性から手を離したまへ屑が!!」


後ろから物凄い怒気と共に右拳が飛んでくる。ローブの男は身軽な動きで避ける。右拳は女性の目の前で止まり女性はへたり込んでしまう。


「すまんな君に怖い思いをさせて直ぐに済ませるからそこにいてくれ。目は閉じてた方が良いぞ見たくないものを見せてしまうからな」


女性はそう言われるとコクコクと涙目で頷き

目を瞑りついでに耳を塞いだ。


「へぇ〜お偉い騎士様も居たもんだねぇつまらない事に命を賭けるなんて良くねぇーぞ?どうだ、俺と一緒にそいつを犯さねぇか?終わったらテメェ〜にくれてやるからよ。騎士様ってのはそう言う事が大好きなんだろ?」


薄ら笑みを浮かべて舌舐めずりをしてローブの男がフォレスに言った。


「下衆め、貴様には牢獄に行って貰うぞ!この騎士団副団長フォレスの名にかけて」


フォレスがそこまで言うと男に殴りかかるがどんなに殴ろうとも男は軽やかな足取りで躱す。


「そんな大振りじゃ当たらねーよのろま!!当ててーなら速度を磨けバーカ!!それでも俺に当てられねーけどな!!」


ゲラゲラと笑いながらフォレスを翻弄して行く。何か速さに関する加護持ちなのは間違いないな、フォレスはそう思いながらフェイントを混ぜて攻撃を繰り出した。


「木偶の坊が知恵を使っても当たらねーよ!!」


ローブの男がそう言った瞬間フォレスの右頬が切れる。攻撃のモーションすら見えない事に少しだけ驚きつつも目の前のローブの男を睨みつける。


「イテェだろ?間抜けお前の事は知ってるよ不動のフォレス一定時間相手の攻撃を受け付けないだけじゃなく返す事もな!!」


今度は右脇腹と左腕に傷がついた。


「予備動作のない攻撃見事だな何故ここまで底辺に落ちれるのやら。やり直そうとは思わないのか?」


フォレスがそう問いかけ右の大振りでローブの男に殴りかかった。


「言葉で釣る作戦ならきかねーよ!!しかもそんなデケェーモーションで本当に頭が足りねーな脳筋が!!」


フォレスの攻撃を避けた後ローブの男は低い体勢をとった。


「これでは拉致があかんな、用事もあるので次で決めさせて貰う。」


フォレスがそう言うとゲラゲラとローブの男が笑い出す。


「無理だね!!お前じゃ俺には勝てねぇーよ!のろ...」


そうローブの男が言いかけた瞬間ローブの男は後ろの壁に激突して居た。


「ガハッ!?テメェー....何...しや....がっ..た?」


意識が薄れゆく中でローブの男がフォレスに聞く。


「何簡単な事だ。魔法を使用したのだよ単純な移動魔法をな。」


フォレスが簡単に答えるとローブの男は呆れたような声でざけんじゃねーと言い気絶した。


その後フォレスはローブの男を町に居合わせた騎士に渡した、連れていかれる前にローブの男はフォレスに耳打ちで言う


「覚悟しておけ、もう手遅れだお前が正義の味方ゴッコをした所為で此処は戦場になるぜ?精々町の皆んなを護りな騎士団副団長様」


フォレスは言い様の無い不安感に駆られウェル家に向かう


「遅かったじゃんフォレスなんかあった?」


そう言ってお気楽に話すウェルに先程の事の顛末を簡潔に伝えた。


「成る程。良く勝てたな!!速さ勝負じゃ部が悪かったろ?フォレスは攻撃防御が強いだけで速さは無いんだからさ!」


悪びれる事なく笑顔で言ったウェルに少しだけ傷つきつつ確かにとフォレスは答えた。


「貴方から教えてもらった魔法を使ったんですよ。移動型魔法を相手にかける貴方が作った魔法で」


そう言うとウェルが、ああ!と思い出したようになって叫んだ。


「へぇ〜そんな使い方するなんて面白いな!!あれは魔法詠唱がめちゃくちゃ短いし無詠唱でも速度が落ちる事はないからな!!確かにあれなら速さは関係無いわな!!」


俺ってやっぱすげーなと目を輝かせて喜んでいるウェルにフォレスがローブの男に言われた妙な事を話した。


「そりゃ困ったなぁ今日お前を呼び出したのもそれ関係だったんだが。まさか...」


ウェルが真剣な表情になりフォレスが額に汗を垂らす。


「フォレスそのローブの男に合わせてくれないか?お前を呼び出した事に関係があるしその言葉が本当なら直ぐに会わなきゃ行けない。」


そう言うとウェルは直ぐに身支度を済ませフォレスと一緒に王都へ向かう。


「だから!!今日収容されたローブの男に会いたいんだってもう来てるだろ?」


「何度も言って居ますがそんな人物は収容されて居ません。今日の逮捕者は居ないんですって!!」


ウェルと看守が言い合いをして居た。


「そんな筈は無い俺が捕縛し騎士に渡したぞ?本当に居ないのか?」


フォレスはそう言う。


「副団長には悪いですが本当に来てないんですよ!牢屋の中見てみますか?」


看守がそう言いウェル達は同行するがローブの男は見当たらない。


「だから言ったでしょ?来てないんですよ!それに騎士団は副団長が王都を出た時に召集がかかって副団長以外は皆団長と先程まで会議をして居ましたからまず騎士が外に出ている事はあり得ません。」


看守がそう言いフォレスは困惑しながらウェルとその場で別れ王城にある団長室に急いで向かった。


「今回の会議何故私に召集が掛けられなかったのですか?貴方が私を毛嫌いしているのは理解していますが流石にこれはどうかと思います。」


フォレスが団長室に入るなりそう切り出した。


「知らんがね君が王都内に居ないのが悪いんでは無いかな?先程看守からも苦情が来たよ居ない者を出せって言う横暴な君の態度への苦情がね!!」


騎士団長は机を思いっきり叩きフォレスを睨みつける。


「御言葉ですがそれとこれとは別ですその事に関してであれば後程処罰を受けますが、会議に関して言えば、今朝の時点で全員に伝えるべきではないのですかな?」


憮然として態度を変えないフォレスを前に騎士団長は苛立ちを募らせて居た。


「うるさい!国王に取り入り副団長になった貴様の意見などいちいち聞いて居られるか!!今すぐにでも貴様を騎士団から排除したいというのに国王は何故この様な愚物を副団長にしたのやら貴様ももう良いぞ先の一件は不問にする異論は無かろ?早く消えろ顔も見たくない」


団長はブツブツと愚痴をこぼしながら早く出て行けとフォレスに言った。フォレスは部屋出てから溜息をつき再度ウェルの家に赴いた。


その夜ウェル家に到着したフォレスは事の顛末を話した。


「オメーがいるから俺が副団長何だよって言ってやりゃ良かったのに、フォレスのチキン!!そうだ今日はチキンなんだよ食ってけ!」


フォレスは今日何度目か分からない溜息を吐きウェルに聞いた。


「ローブの男の所在は掴めましたか?やはり俺がしっかりと牢屋に叩き込むべきでした、申し訳無い」


フォレスが頭を下げて言った。


「んにゃ!もうみっけたよそいつ」


チキンを食べながらウェルが言った一言に驚愕をしながらどこで見つけたのかフォレスは聞いた。


「あっこの川に黒焦げにされてたよ、焦がされながら四肢を切り落とされたっぽい」


呟く様にウェルは告げる。フォレスは知っていたこの人はどんな罪人にでも手を差し伸べる聖人だという事を、人の死が人一倍嫌いである事を、十年前のあの日罪人であった自分を助けてくれた事を知っていた。


「貴方の所為ではありません、自分の責任です。」


フォレスは俯きそして沈黙が流れる。


「ねぇお母さん!!お父さんとでっかい人暗いね!」


「そうね暗いわね...励まして来なさい!」


そんなやり取りが聞こえフォレスが頭をあげる。


「お父さん!!でっかい人!!元気になる御呪いを教えてあげるね!!お母さんから教えてもらったから他の人にはしーだかんね!」


人差し指を口に当ててヒシシと笑いながらその子供は御呪いを唱える。


〜願い聞いてよ届けてよ真っ白お化けが助けてくれるお日様光に照らされてお月様夜にこんにちは二人に元気を届けてよ〜


「ヒール!!」


その瞬間フォレスとウェルは暖かな光に照らされ驚いた。詠唱は長いが確かにヒールの光を浴びて居た。


「ミ...ミレイさん?!ローレンが...ローレンが魔法を使ったよ!!俺の子供がもう魔法を使ったんだ!!」


ウェルは叫ぶ様にローレンを抱き抱えた。


「私もビックリしたの!!今日の朝私が指を切った時にこの子が急に唱え出してね!どこで覚えたのって聞いたら白いおばけから聞いたって言ってね!泣きそうになっちゃった。お父さんだと思ったんだだってほら王城にある絵あれ描いたのお父さんでしょ白いおばけとして出て来たんじゃ無いかしら!!」


二人が喜んでいるのを見てフォレスが自然と笑顔になる。


「あーデッカイ人が笑ったー!!やったー」


フォレスはその夜ずっとローレンと遊び続けたのだった。

どうも先程ぶりです。(´・_・`)

フォレスさん10年前は俺だったんすねと作者である私も思いました。きっと老け込んだんでしょう。それでは飽きた方も飽きて居ない方もこれからも良ければお付き合い下さい!!(o^^o)



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