召喚後
前話ぶりです閑人です。(´・_・`)
長くなってしまった代位四を分けた代位五生です。戦闘しねーなこの小説と思われる方が多いと思います。申し訳ありませんもう少しお待ち下さい。この2章に関してはローレンが成長する前段階ローレンが最高の騎士になる為に必要なピースです暖かく見守ってください。
投稿は2日おき18時投稿です!!9/24
代位四生“転移者”
「グフっ..ふっ.....あははははは!!!」
王城内に一際大きな笑い声がした。
「ローレンさん..ふふっそれはちょっと無いかもです。フフッ」
フラウが笑いを堪える様に言った。女性陣が着替え終わり合流をしたのは良いが中々衣装室から出てこなかったローレンをレイが無理やり引っ張った後、アレクセイが大爆笑をしたのである。
「何で他の服ないんですか!!こんなので国王様の前に出るのは失礼じゃないんですか!!アレクセイさん!!」
ローレンが着ていたのはひらっひらのスカートに白い腰にかけるエプロン上は大体が黒で胸の部分が白い布で出来た言わばメイド服だ。それに猫耳猫尻尾を付けていた。
「いや悪い悪い本当の正装服はこっちな!!でも、ふふっ本気でそんなの来てる奴初めて見たよ、ふっ可笑しいとは思わなかったのか?」
笑いを堪えつつアレクセイが聞いてきた。ローレンとて可笑しいと思っていたしかし部屋に入るなりメイド達に服を脱がされあっというまに着せられてしまったのだ。しかもメイド達は『それが正装です』なんて真顔で言うものだから圧倒されそのまま皆を待っていたのだ。
「可笑しいと思いましたよ!!アレクセイさんが頼んだんですか?こんなイタズラやめて下さい!!」
ローレンが顔を赤らめながらアレクセイの手から正装服を奪い取り再度試着室へ入っていった。
「いや〜俺はそんな事言った覚えはないんだが?それに俺はずっとフィリスやフォレス団長とのやり取りで忙しかったし」
アレクセイや一同は、それでじゃあ誰が指示を出したのであろうと首を傾げて居たら。
「先程は申し訳ありません。新しいメイドの子が到着したのかと思い私めらの清楚服を着させました。」
刺々しくされど静かな声を背後からあげたのはこの国のメイド長エルスであった。
「ああメイド長のエルスさんでしたか。でも何故ローレン君に着せたのですかあからさまではないにしろ貴方の様な方が間違える様なことはない筈ですが?それにあの耳と尻尾は?ふっ」
フィリスがエルスに確認を取る様に言った。
「只の八つ当たりでございます。本日到着予定のメイドがまだ到着しておらず。少しだけ悪戯を実行しました。」
悪びれもせず、淡々と説明をしていくエルスを他所に着替え終わったローレンが試着室から出て来た。
「は〜取り敢えず着替え終わりました。そちらの女性は誰ですか?アレクセイさん。」
ローレンがエルスについてアレクセイに説明を求めた。しかしローレンは帰って来た言葉に肩を落とし、ここではもう弄られ続ける気がしていた。
「皆やっと来たか。そろそろ勇者召喚の儀が執り行われる、今回の召喚は新たに30年前に誕生した魔王を討ち亡ぼす為の物であるから、新しく入団する貴様らと勇者を合わせておきたいのだ。戦場では背中を預ける事になるだろうからな。」
フォレスは一行を迎え入れながら事の詳細を話す。そんな説明を聞いてローレンは疑問に思った事を聞いた。
「30年前に現れた魔王なのに何故今になって勇者召喚を?現れた時すぐにでも召喚していれば討伐はできたんじゃないんですか?勇者ってのは超人なんでしょ?」
そんな単純な話なのに何故今になって行うのだろそういった疑問から出たローレンの質問に皆も同じ事を考え始めた時フォレスが説明を始めた。
「30年前あの魔王が現れた時こちらとしても直ぐに勇者を迎え入れたかったのだが、どこで知ったのか魔王は先手を打ち勇者召喚に必要な人材を片っ端から殺害したのだ。それ故に適正者が再度現れるまで時間がかかってしまった。」
フォレスの説明で一同は納得をしたが、ローレンだけは何か腑に落ちない嫌な気持ちになっていた。
『国王様のおいでである!!皆の者整列し敬礼せよ!!』
王広間中に聞こえる様な声を聞きその場にいた王国騎士団を真似てローレン達も整列敬礼を始めた。
「皆なのもの楽にして良いぞ、それではこれより勇者召喚の儀を執り行う。皆には召喚された勇者とどうか親身に接して欲しい。向こうからすれば我等は、急に別世界に呼び出した悪党に見えるからの。」
王はそう告げ玉座に座った。瞬間王の目の前のひらけた場所に円を描く様に5人の魔術師が配置した。
「それでは始めろ」
王の合図と共に魔術師達が詠唱を行う
〜我等が世界に救済を我等と共に未来の輝きを悪を討ち亡ぼす絶対なる強者の召喚を我等は望み願う聞き届けよ〜
「モンドデフェンデ・コンボカトリャ」
瞬間何も無い5人の中心から広がる様に魔法陣が構築生成されて行く。その神秘の光に皆一同心を奪われた。
魔法が完成するまで180秒もの時間がかかりその後落雷の様なけたたましい音と共に煙が立ち込めその中から“勇者”は現れる。
「あ?どこだここ?等々頭逝っちまったかクソが。」
唐突にその様な声が響いた。
「頭はおかしくはなっておらなんだ、呼びかけによく馳せ参じてくれた勇者達よ、これから事の説明をさせてくれ。」
国王がそう言うと“勇者”達が姿を見せた。
人数は4人居て1人は少女もう3人が少年だった。
少年3人の服装は黒い服に中央に金色のボタンがしてあってズボンも黒で皆様々な髪の色をして居た。金髪の目付きが悪い少年、銀髪の猫背な少年そして茶髪の少年、2人が服の中央のボタンを全開にしてる中茶髪だけが真ん中のボタンを一つだけつけた。
同じく召喚された少女は、この世界の水兵の服を上に着て下は黒いスカート顔の特徴は丸眼鏡におさげといった感じで少し暗めの女性であったので
「ここどこよおっさん?知ってんだろ?」
茶髪の少年が聞いて来た。
「貴様国王様に無礼だぞ。」
フォレスが一歩前に出て茶髪の少年に一言を言った。その時点で茶髪の少年は一歩後ろに下がり怪訝そうな顔をして押し黙った。
「良い!フォレスよ先程も言ったが我等の方が無礼を働いているのだ、貴公等よ先に謝罪させてくれ、貴公等の世界に無理やり穴を開けこちらに呼び出させてもらった。貴公等はもう元の世界には戻れない故勝手な事をしてすまないと思っている。謝罪の意を込めてこの世界にいる間は私が貴公等の安全を保障する。だから此方の話を聞いて助けてくれ頼む。」
国王が長い謝罪をしてから頭を下げた。しかし少年等3人は興味がないみたいで。
「これあれじゃね!!異世界転生!!!ほらオタク達が言ってたじゃん『異世界行きたいでちゅ〜』って!!」
「俺等がばかにしてたやつぅ〜それで俺等呼ばれるとかまじ笑えるわ〜!」
「まぁ元の世界に未練はねーし良いんじゃね?ここでならあれっしょチート能力くるっしょ?」
等々訳の分からない事を言い始めた。
「貴様等もう一度言う無礼だぞ!」
強めの怒気を交えてフォレスが前に出るが今度は少年達も前に出て来た。
「おっさんさっきっからうぜーの分かる?あんたみたいな雑魚と一緒にしねーで欲しいの?国王?んなので俺等は縛れねーよバーカ!!」
瞬間場に殺気が立ち込めた。少年達も少したじろいだが直ぐに立て直しフォレスと向き合う。そこでフォレスが国王に同意を求めて来た。
「国王様この者共に少しだけ教育をさせて貰えませぬか、ここまで虚仮にされたのに引き下がることは出来ません。」
「うむ、そうだな良かろうフォレス団長と勇者達との模擬戦を行う。勇者達もそれで良かろうな?」
少年達が当たり前だという中で小さい声であの〜と聞こえた。そこで蚊帳の外になって居た少女が話し出す。
「わ...私は、関係ないので...やらなくても良いですよね?」
消え入りそうな声でしかし戦う事が嫌である事をしっかりと伝えた。
「そうだなこれは彼奴らとわしの戦いだ気にせず不参加で良いでしょう国王様」
フォレスがそう言うと、うむと国王様が頷きそして皆で模擬戦の試合用の場所に移動する。
「それでは今から模擬戦を行うルールは簡単だ。相手を戦闘不能にするか降参させた方の勝ちだ。もしわしが勝ったなら貴様等は今後一切我らに逆らうでない。分かったな?」
フォレスがそう宣言すると少年達が自分等の要求をして来た。
「んじゃまぁ俺等が勝ったら自由にさせて貰うぜ?それとこっちが勝った時の自由と一緒に俺等に逆らわねぇようにしろよ?いいな?」
フォレスが野蛮なと呟いた後でそれでいいだろうと要求を呑んだ。
「それではいつでも始めてよいぞ」
国王がそう宣言した瞬間、少年達はフォレスに殴りかかった。
「ショウ!!マサシ!!テメー等左右に回れコイツと正面で俺がやり合う!!」
そう茶髪の少年が叫んだ後金髪と銀髪の少年は左右に分かれた
「シャラァア!!死ねやおっさん!!」
茶髪が大振りで右の拳を出す。フォレスはそれを右側にいなして茶髪の左側に来ていた銀髪が顔面からそれを貰う。
「邪魔だショウ!!クソが!!」
茶髪がそう叫びそのまま銀髪を吹っ飛ばして左の拳をフォレスの下から顔に向けて打ち上げた。瞬間フォレスはそれを右で受けようとするが背後から金髪が飛び蹴りをかまして来た。
「終わりだおっさん!!」
金髪がそう叫びながら突っ込んでくる。その時フォレスは構えて居た右を下ろし少し腰を落とす体制をとった。直後に茶髪の下からの拳金髪の飛び蹴りをまともに貰った。
場は騒然となり騎士団の連中が団長に一発入れたと驚いて居たが直後けたたましい悲鳴が聞こえた。
「うぎゃああああああ」
「がああああああああ」
その二つの声は少年達から上がったものだった。
「この程度か、自分等が上だと見ているから貴様等は弱いのだよ。」
フォレスがそう言い戦いを終わらせた。
「いや〜凄かったっすねフォレス団長!!最後のあれってなんすか?攻撃した方の骨が折れるって!!無敵なんすか?!」
目を輝かせてレイがアレクセイに聞いた。
「いやあれは団長の持ってる加護さ!!不動って言ってな!!一時的に相手の攻撃を受けてもダメージ通らないんだよ!!すげーだろ?」
アレクセイも興奮した様子でフォレストの話をして居た。そこにローレンが疑問を持って聞いて来た。
「でもそれってダメージ通らないだけですよね?なんで相手の骨がそれで折れるんですか?倍に反射している様に自分は見えましたけど?」
そう言ったローレンに答えたのはフォレスであった。
「素晴らしい目をしているじゃないかローレン、だが少し違う。お前の言った通りわしの不動は相手のダメージを相手に直接返しているのだ、倍ではなく数十倍にしてな。」
ローレンは絶句した。それではこの人にどうやっても勝てないのだと。しかしこの人を持ってしてでも越えられない壁があるのだとレイのフォレスへの質問で知る事になる。
「フォレス団長なら魔人倒せるんじゃね〜の?」
そう言ったレイにフォレスは眉間にしわを寄せそして見て聞かせた。
「お前等これを見ろ」
そう言ってフォレスが服をたくし上げるとそこには無数の傷跡と背中には大きな火傷の跡があった。
「魔人は魔族の中でも地位の高い存在だ、奴らは無闇に人に害をなさない魔王の命令が無ければな。しかし中にはそれに反発して人間を襲ってくる奴もいるわしは其奴に出くわしそして瀕死の重傷を負った。」
一同が絶句してる中フラウがあることに気づく。
「そんな存在を倒したのですか?フォレスさんが生きているって事はそう言う事ですよね?」
帰って来たのは違うの一言そしてフォレスは重い口を開いた。
「奴を撃退したのはローレン君のお父様だ」
衝撃だった父がフォレスを救ったのだと言うしかし疑問が残った。
「父さんはそれで死んだのですか?」
ローレンが俯きそう呟いた。
「違うぞ、これは20年程前に付けられた傷だその時お前の父親に救って貰った、彼は父親ローレンのお爺様に教わった魔法剣技で相手を圧倒して居たよ。そうそうあそこの真っ白な絵あれはローレンお前のお爺様が描いた絵なんだ。そうお爺様は勇者だったんだよローレン」
あの巌の様な人が悲しく俯きしかし憮然とする姿にやるせなさを覚えそしてローレンは呟いた。
「それじゃあどうして父さんは死んだんですか?そんなに強いのであれば何故?」
消え入る様に覚悟を決めた様にローレンはフォレスに聞いた。物心ついた頃から居なかった父がフォレスを救った強い人物が一体どうやって故人になったのか。
フォレスは語り出すこれからを担う子ども達に恐怖を知って貰うために。
どうも先程ぶりです。閑人です(´・_・`)
今回は戦闘の描写は少な目です。申し訳ありません。次回は戦闘描写が必然的に増えますので宜しければご覧ください!!
それでは今後ともよろしくお願いします。(´・_・`)