加護
前話ぶりです閑人です。
今回はやっと見つけたか獣ちゃん編です。
試行錯誤してみましたどうぞご覧下さいませ。
代位一生“加護”
この世界には稀に神に見初められた人に加護が付く、その加護は強い加護であったり、弱い加護であったりする。
深い森の中で獣を探す中レイはローレンに加護の事を聞き始めた。
「そういやローレンの加護ってさ幸運ってやつだよないつも助けてられてっけど詳しい事は知らんから教えてぇ!!!」
上目遣いで聞いてくるレイに悪寒を感じながらローレンは答え始めた。
「俺の加護は実際戦闘向きじゃないし、なんで戦闘職になったか分かんないけど、レイの加護の方が良いよ。俺の加護は通常の人の幸運より二倍幸運が強いだけだから、この職業だけで見たらレイの身体強化の方が断然いいよ」
そうバツが悪そうな笑顔で言うローレンに向かってレイは叱るように言い始めた。
「加護持ちってだけで優遇されんのに、そんな贅沢な事言うなよな?しかもお前の場合は稀なケースで産まれて出現した訳じゃ無くって成長して出現したんだからよ!お前の場合さらに稀だろう?成長してから出現するにしても大体がみんな五歳以下お前の場合は十歳なんだからよ〜」
レイの言う通りローレンは珍しく通常であれば加護持ちは生まれた時から持っている。
しかしながら稀に五歳以下の幼児期に加護を持っていない者が加護を持つようになる。
だがローレンは十歳で加護を手に入れた、しかもそれは記憶が蘇った日、きっと記憶と関係していたのであろうとローレンは考えを巡らせていた時、不意にレイが立ち止まった。
「ローレン伏せろ....見つけた!!でけーなアイツの体長は.....四〜五メートル位か?確かに猪の見た目だが...それになんかおかしいな....狩人の付けた弾丸の跡がないんだ...」
姿勢を低くして声を殺しながらそう語るレイを真似てローレンも姿勢を低くしながら告げる。
「あれは本で見た事があるぞ!!魔の門の書で見たな、あれは魔物だよレイ!!こんな王都に近い町で出るなんて珍しいけど。」
ローレンは小さく唸る様に呟いた。
それにレイが少し驚いた様な喜んで居る様な感じで聞き返す
「魔物??マジかよ!大物だな!!しっかし厄介だな〜たまにやってくる魔族が放った魔物かね?それとも....突発的に変異した猪の可能性もあるな」
レイがそう言いながら戦闘態勢に入る。
「それは戦って見ないと分からんね!突発的であれば苦戦はしないが、魔族に飼われていたのであれば苦戦するかもね!」
そう言いローレンも戦闘態勢に入った。
レイはそんなローレンを横目に魔物の前に走り出た。
〜火よ....風に掬われ炎火とかせ....〜
「ファイア!!!」
ローレンは呪文を唱え炎火を出した。炎火はレイの横を通り過ぎ魔物に直撃する。瞬間けたたましい叫び声が聞こえた。
「ヴォグガァァァァアッァァ」
その叫び声の隙にレイは剣を強く握り低い姿勢から剣を上に向かって振り抜いた。
振り抜いた剣は焦げた魔物の皮膚を切り裂く
しかし切り裂かれた魔物は雄叫びを上げレイに角を突き立てた。レイは上に上げた剣を流れるまま下に落としその牙を止める。
「ローレン!!今だ!!お前の特大魔法を横っ腹に叩け!!」
レイが叫んだ瞬間、ローレンが分かってると言う言葉とともに詠唱を始めた。
〜水よ凍り....我が敵をその槍で貫け.....〜
「アイスシェルランス!!」
詠唱が終わると同時に1メートルの氷の槍が魔物の横っ腹を貫く....そうなる筈だった。
『パキッ』
そんな情けない音と共にローレンの魔法は砕かれた。
一瞬二人は何が起きたのか分からなかった、しかしそんな考えは魔物の一撃で消え去った。
呆気に取られていたレイの右の横っ腹に角を突き付けられレイはそのまま貫かれた。そして先程と違って汚い口調でレイが叫ぶ。
「うがぁああぁぁぁ!!畜生ふざけんじゃねーよこの畜生如きが!!!っんなに貫きたきゃ女に突き刺せクソ野郎!!」
「レイ!!んなこと言ってる場合じゃねーだろ!!一旦引け此処は俺が前に出る!!」
〜紅の劔よ...我が血を喰らいて顕現せよ....〜
「ブラッドブレード!!」
その刹那レイの襟足を掴み後ろに引きながらローレンは前に出た。
(ああクッソこんな怪物の前に出るなんて恐いわ〜レイはよくこんな奴の前に出れんな)
そんな事を思いながらローレンは魔物に一閃を入れようとした。
しかしながらその攻撃は容易く受けられ、ローレンはその後の魔物の攻撃に飛ばされた。
「あ〜〜レイさん?こりゃ魔族が飼ってた奴で間違いねーわ」
そう言いながらローレンはレイに回復魔法を施す。
〜光よ照らせ....闇よ隠せ....かの者の痛手を〜
「キュアヒール」
「ああっくっそつえーなおいこら!!まだやれそうかローレン?!」
「ああ行けるぞ!!お前はどうだレイ!回復魔法っつっても擦り傷直す程度しかねー魔法だから無理すんな!」
「騎士選考舐めんじゃねーよ!!これ如きでやられてたまるかクソ!!!」
唇から滴る血を拭いながらレイはそう言い又も戦闘態勢に入る。
違った....ここは逃げるべきだった....2人がそう思った時にはすでに遅かった。
《グボゴガァアァアアアアアアア》
“それ”は目の前にいる奴の背後から現れた。
もう一体の魔物.....いや違う先程までと対峙していた魔物と違い“それ”は目の前の魔物のニ倍はあろう巨体であった。
「ウソだろ.....!くそ!!」
絶望が混じった声でレイが言う。
「は...はは.......笑えねーよ....」
苦虫を噛み潰したような顔でローレンが言った。
二人の中に有るのは逃げられるかどうか。ではなく苦痛なく死ぬにはどうしたらいいかであった。
「あ〜あこんなとこに一般人居てさぁ〜あぶねーだろ?全く上もさもう少し気にかけて欲しいぜ!」
ローレンとレイは声のする背後を振り返る、その刹那....風が強く吹き荒れた。
先程ぶりです閑人です。(´・_・`)
今回は前回より少し短いですね。次回は頑張ります。次回は何と!!有名な職業ジョブの方の出番ですやったぁ〜(๑˃̵ᴗ˂̵)
すみません調子に乗りました。(´・_・`)
次回投稿は2日後のこの時間帯に投稿します。宜しければどうぞご覧下さいませ。