最恐
どうも閑人です.....(°▽°)
今回は特に書くことはない(´・_・`)
ので短く3ー6生あたりの修正を致します宜しければご覧下さいませ。
代位十六生“最恐”
「ああクソ!!奴めしくじりやがって!!しかも彼奴等に逃げられただと?!ふざけるな!!早く探せ!!」
魔界として隔離されたこの場所で玉座に座る男がひれ伏して居る兵士風のガタイの良い男に怒鳴り散らしていた。
「ああマズイ!!彼奴等が力を取り戻し攻めて来たら我が軍は....」
玉座に座り直し頭を抱える男は手鏡を持ち自分が映る背後から幻想的で女神とも見紛う様な美女が姿を見せ男の耳元で囁く。
「大丈夫ですわ...貴方はこのまま玉座に座って居るだけで良いんですの.....コマは上手に使いませんと....」
ねっとりとした色気のある声に男はゴクリと喉を鳴らす。
「本当か?!お主が言うなら間違いはあるまい....」
不安げだった男は手鏡を話し勢いよく振り向くが女の姿はもう無い
「三十年前から手を出せずに居たんですもの....大丈夫ですわ....」
何処からか聞こえる声に男は心を奪われながら玉座の上でため息をつき目を閉じる
自分の輝かしい栄光の姿を思い浮かべて。
ローレン等は魔人を倒した後村の中を探索したが人の気配は無い。
「みんなは何処へ行ってしまったのだ...」
「お兄様!!しっかりしてください!!村の皆様はきっと無事です!」
膝から崩れ去るノルの両肩を抱きしめる様にカレナが支え立たせ、そう強く言ったカレナの顔は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「このままここに居ても意味が無い、魔人の言って居た集合場所に行こう。」
ローレンがそう言うと皆が不安そうな顔を向ける。
「大丈夫だよ!もし彼の言葉が嘘だとしても街の中だし暴れられるのは困るけど、この先の街って確か、この国の端っこだから強力な冒険者が居るはずだよねヴェネス?」
ヴェネスはそう聞かれ確かにと手を顎に当てて考え出す。
「そんな街の中で暴れてもメリットは一つもないし、集合場所をそこにした理由こそがそれなんじゃないかな?」
ローレンがそう言うとカレナやノルも追われて居るのであれば確かにと思案する。
「明音も早く安全な場所に連れて行きたいし急ごうか!」
ローレンはそう言って明音をお姫様抱っこで抱え歩き出す。
ノル達の町を離れ次の町に着いたのが正午過ぎだった、道中皆周りを警戒しながら進み続け町に着く頃には疲労で倒れそうになって居たので町に入って直ぐに宿を探し皆各々休息に入った。
「ノルみんなをお願い....ぼ...俺はちょっと魔人の言って居た人達を探しに言ってくるから」
ローレンはそう言って直ぐに宿を後にする。
「あの人魔人に腹やられてから強くなったなー」
ノルは一人になった部屋でポツリとつぶやいて居た。
「んー探すって言ってもどっから探すかねー」
背伸びをしながらローレンは街の中をブラブラと歩きながらそう呟いた。
ある程度散策し終わり、まだこの町に着いて居ないのだろうと思い、宿に戻ろうとすると、あの魔人からもらったペンダントがポケットの中で熱くなり始める。
「あっついなぁ〜」
そう言いながらローレンはポケットからペンダントを取り出すと何かに吸い寄せられる様に左側に引っ張られて居た。
「都合が良いな〜」
そう口に出しながらペンダントが引っ張られて居る方向へローレンは足を運んでいく、ある程度進み急にペンダントがへたりと重量が戻った様に下へと重さが変わった。
「ここかぁ〜」
そう顔を上げたローレンの前には少し古びた宿が立って居た。
意を決して扉に触れた瞬間に中から通りに聞こえる様な大きな声が聞こえて来た。
「私は魔王だぁああああ」
それを聞いたローレンは慌てて宿の中に入るとメイド服を着た美少女とも美少年とも呼べる子供が机の上に仁王立ちで立ち、お酒の入ったジョッキを天高く掲げ周りは大きな笑い声を上げそれはそれは楽しそうにしていた。
「いらっしゃい驚いたろ?!」
そう言って来たふくよかな女性は説明をしてくれた。
野垂れ死そうになっていたあの子と厨房にもう一人付き添いの男が居て、それを見かねて雇ったらあの子が私は魔王だぞーっと叫び出し何故かそれが盛況で繁盛してこの有様なのだと.....ん?説明されてもわけわからん....
そんな訳の分からないままローレンはお店で一杯の水と少しの食事を注文し今仁王立ちしているその子供に視線を戻す。
その子は周りから頭をこねくり回されたり、お菓子を貰ったり、あのジョッキの中にあるビールらしきものを飲み皆から笑いを取って居るのを見て居ると注文した品が来る。
「あの子まだ小さいですけどビール飲ませて良いんですか?」
ローレンがそう言うとふくよかな女性は首を振り
「ありゃビールに似せたサイダーだから大丈夫だよ!」
と満面の笑みで答えてくれた。
そうして店が終わりに近づき厨房から手が空いたお付きの人とやらが出てきてローレンの前に座った。
「貴方からノーマに渡したペンダントの力を感じるのですが」
直球で来たその男に少し警戒しながらローレンは事の顛末を伝える。
「成る程そうでしたか....ノーマ.....死んでしまったのですね....」
男は唇を噛み締めながら悔しそうに俯いた。
「それでぼ...俺が匿う様に言われて来たんだが....元気そうでなにより」
ローレンは苦笑いで客の少なくなったテーブルをこまめに拭いている子供を見てそう言った。
「ええ私も運が良かったと思います。遅くなりましたが、私は魔王様の護衛役ドルマと言います。そしてあちらが我等が魔王アリシェファ様です。」
そう自己紹介をされローレンも名乗る。
「俺は今は何処にも所属していない無身分冒険者のローレンだよろしくな!」
ローレンの笑顔を見て少しホッとした様な顔をしたドルマはこれからの事を語る
「私達は一刻も早く魔王様に力を付けていただきたいのですが....アリシェ様は今までの魔王様方と違い畏怖や恐怖では強くなれないのです。」
そう言うドルマは何処かそれでも良いと思って居る様な雰囲気を出しながら何故こうなったのかの経緯を話始めた。
「あの方は先代の魔王の子でありながら先代には余りにも似ない優しい子で、魔人の中では忌み子として忌み嫌われました。しかし彼の方の優しさに触れた者達は皆何故か彼の方が魔王様に相応しい人物だと告げるのです。根拠は有りませんが、最恐の存在として謳われた魔王様に魅入られた者達は彼の方を魔王とは認めず牢に閉じ込めてしまったのです。」
そしてドルマは魔人は永遠の命に近い寿命の物も居れば短命の物も居る、あの子は永遠に近い命を与えられそうでなかったものに嫉妬をされ牢に閉じ込められた哀れな子供なのだと語った。
最恐の魔王に憧れそれになりたいと願うものの手によって優しい魔王であるあの子は殺されかけたのだとローレンは遣る瀬無い気持ちになった。
どうも閑人です(´・_・`)
そろそろ皆様忘れてると思うので桜花です(´・_・`)で行きます。
今回の話はどうだったでしょうか?優しい魔王いても良いんでね?と思い書いて見ましたそろそろ新しい小説の方も基盤ができるので投稿していけたらと思いますではまた
次回登校日は火曜日18時です