絶望
どうも閑人です!(´・_・`)
ここまで読んでくれて有難う御座います。
後書きの方にご報告がございますのでどうぞ最後までご覧ください。
代位十三生“絶望”
ローレン達は二人の村へと向かっている途中で馬達を休ませる為に川辺で休憩をしていた。
「あんた盗賊系忍系のスキル上げてるんだろ?聞くにそれ系統上げてるやつ等は馬使うより早いっていうじゃ無いか?だったら走った方がはえーんじゃねーの?あたしゃダーリンと乗るからさ!!」
邪魔だと言わんばかりにヴェネスが明音に冗談半分本気半分で聞いた。
「はぁ?ふざけないで!私が上げているのは探索系だけよ!それにあんたが重いから馬が疲れるんでしょ?!これだから筋肉ばかりが取り柄の戦士様は....」
首を横に振りながら言った明音になんだと!とヴェネスがずいっと近寄って来た。
「やめろって!此処で変な体力使うなよ?向こうで何が起こるか分からないんだぞ?確かに馬に三人乗るってのは馬の疲労に繋がるがそこまで言うんだったら俺が走るよ....魔法使えば馬と同じ速度で走れるし。」
ローレンがそう言いながら魔法の準備に取り掛かる。そんなローレンを見て二人は慌てて止めに入った。
「いやいやダーリンがそこまでしなくてもねぇ明音?!」
「そうそう!それより装備を魔法で軽くすれば良いんじゃ無いかしらね!どう思うヴェネス!!」
明音の言葉にヴェネスがそうそうと同調しているところを見てやれやれと思うローレンにカレナが
「仲が良いんですね...羨ましいです」
と二人とローレンを見ながら言った。
「カレナ!!まさかお前!!ローレンさんの事が?!」
ノルが慌ててカレナの両肩を掴み大声でそう言うと明音とヴェネスもカレナの方に顔を向けその答えを待っていた。
「お兄様!!失礼ですよ!!それに私が羨ましいと思ったのは喧嘩の出来る友達がいる事にです!!確かにローレン様は優しいですがもう二人も婚約者がおられますしそれに私の好みは騎士様みたいな人です!!」
その言葉を放ちながらカレナはそれにと言いノルを正座させ説教が始まった。
カレナの言葉を聞いたノルは説教をされているのに何処か嬉しいそうな顔をしていた事をローレンは少しだけよく知っている人物に似ていると感じたのだった。何処からか聞こえて来た溜息は聞かなかった事にはしたが。
馬達も休憩を終えて出発しようと準備を進めていたところローレンがノルに後どれぐらいなのかを尋ねた。
「このままのペースで行きますと夜遅くには着けます。」
そう言ったノルは次に
「ですが向こうがどう言った仕掛けをしているのか分かりませんので朝方に着くようにした方が良いのでは?」
と提案をして来た。確かにこのまま何も分からないまま視界の悪い夜に敵陣に突撃する阿呆は居ないだろうしかしこの提案にローレンは
「いや逆に好機かも知れない、俺の魔法でなるたけ夜目が効くようには出来るし、明音の探索スキルがあるからこのまま奇襲しよう、女性達がどうなっているか分からないし。」
ローレンの提案にノルは悩む、そんなノルを見てカレナが真っ直ぐと向かって
「お兄様、大丈夫ですよ。この方の戦闘は昨日後拝見させて貰って居ますし明音さんから聞いたんですが此処の王国の騎士団にも所属して居たとか!なので大丈夫だと思います。」
真剣なカレナの表情は何処か悲しげで、でもしっかりとした意思が感じられていた。
そんなカレナを見てノルも賛同をして出発の準備を再開させた。
出発する際に明音とヴェネスが今度はどちらが前でどちらが後ろかを争い出したので、ローレンがノルと、二人がカレナといった感じに振り分けて出発した。その際に後ろから聞こえて来た声は聞かなかった事にした。
ローレン等は川辺を後にして村へ向かっている途中ローレンがノルに二人の事を聞き出した。
「二人は兄妹みたいなだけど、なんかカレナの方はお姫様って感じだよな?村の村長の子供とかか?」
「ええ、確かに俺等は村長の子供です。」
覚悟は出来ていると言う風にノルはローレンに語り出す。
「助けて貰うのでこれだけは言って置かなければなりません。自分はカレナの兄であり護衛です。なのでもし自分かカレナのどちらかが危なかったら迷わずカレナを救ってください。」
そう言いノルはカレナの村の秘密を語り出す。
「カレナは我等の村で生まれてくる初代村長の先祖返りなんです。初代村長はある加護を持っていて、初代村長が亡くなられてからも村ではひっそりとその加護を持つ己が生まれて行きました。」
加護が他者に移動するなど初めて聞いたとローレンは思い、少し前にフィリスに言われた加護は未だに分からない事が多い未知の物という言葉がローレンの頭をよぎった。
「その加護と言うのは最悪の未来を見通せる力なのです。それで村は色々な厄災を乗り越えました。しかしカレナの代になり自体は急変しました。加護を受け継いだカレナが見るのはいつも最悪の結果です、回避の仕様のない厄災が毎年降り注ぎました。」
そこまでノルが言った後ローレンが疑問の思った事を聞いた。
「今までは回避出来てたんだろうなんで出来なくなったんだ?」
素朴な疑問しかし言われてみると可笑しな話だ今まで回避出来ていたのに何故今回はダメなんだ?そこまでローレンが思考をしたところでノルが少しだけ暗い声になり続けた。
「正確には回避は出来たのです、しかし回避したと思ったら別の厄災が降り注ぎ、更に不幸になりました。全部で12回、今回で13回目の厄災で流石に受け入れるしかないと思い今までの経験から被害の少ない最初の厄災に掛けたのですが、カレナが観た未来とは何故か違う結果になってしまったのです。」
ノルは唇を噛み締めながらローレンに伝える。そして更にノルは
「こんな事は初めてだそうです。なのでカレナは厄病神として刺激しないように育てられました。不甲斐ない話ですが皆年端も行かない子の事を恐怖していたのです。」
それを聞いてローレンは、この世界に加護といった不可思議な力を持って稀に生まれてくる人々が力の使い方を間違えれば、何も持っていない人々からすればそれは“魔人”と何も変わらないのではないかと。
勇者召喚で来る勇者は魔王さえ倒せる力があり、もしそれを民に振るわれれば最早成すすべなど無いのではないかと、勇者召喚で来たのがあいつ等で無く、もしフォレス団長ですら敵わない怪物だったのならばと、想像をして身を震わせた。
そんな事を思っていると、ノルがもうそろそろで着きますと言い、ローレンが顔を上げると辺りはすっかり暗くなって居て、目の前には村に繋がっている道が見え始めていた。
「此処で馬を降りて慎重に向かおう」
ローレンが提案し皆が賛同した。
皆この先に彼奴等が居て非道を繰り返して居るのだろうと思うと居ても立っても居られないが、もし協力者に合流されたら、人数も分からないので危険だと分かっている。
だがやはり皆の足は少しばかり速くなってしまう
「ローレンさんの魔法のお陰で少し早い到着でしたがあそこが村です」
ノルがそう言った瞬間ローレン等全員に悪寒が走る。言い表せない絶望感が彼等を包んだ。
「.......」
そしてローレン等は初めて邂逅する本物の“魔人”と
先程ぶりです!閑人です!(`・ω・´)
今回で最終話?!そんなわけ....
と言うわけで11月まで少しの間ですが二日置きから一週間置きに返させていただきます。!!!!
と言うのも小説を書いていて自分の実力ではまだ足りないところも有りますが挑戦したいと思い何処かの新人賞に出させてもらうための準備期間として少しの間ですが一週間置きにさせて頂きます!!
まだまだ続きますので何卒よろしくお願い致します!
次回の投稿は来週の金曜日の18時に変更になります!
これからもよろしくお願い致します。