71話 創造せし理想郷
山餅「さて本日投稿2話目です。見てない人は70話から見て下さい」
妖夢「ちゃんとやるとは思いませんでした」
山餅「え?そんなに俺信用ないの?」
妖夢「はい」
山餅「………それではどうぞ」(*´・ω・`*)グスン
萃香「なんだい………ここは?」
萃香と銀糸台が先程まで戦っていた場所は変わり、周りは草原と化していた。
銀糸台「俺のlastspellの効果だ」
萃香「なるほどねぇ……自分の適した空間に連れてきたってことかい?」
銀糸台「概ね正解だな」
界符「創造理想郷」は変更する能力をフルで使用したスペルである。
まず元々ないはずの空間を変更能力で作り、空間の変更、元の空間を別の空間に変更し、空間自体を自分の適した空間にした。
この空間内において、銀糸台は自分に適した空間を作り出している。
いや、自分が望むことができる空間と化す。
それは本来できないことでさえ出来てしまうのだ。
"竜化"
銀糸台はすぐにその姿を変える。
萃香に見えていたのはそれまで一瞬で銀糸台は姿を消した。
萃香「なっ!?」
銀糸台「くらいな!!」
銀糸台は萃香の後ろに先ほどの一瞬で回り込み、槍を振るった。
萃香「後ろかいっ!!」
疎符「六里霧中」
萃香はまた霧になりその攻撃を躱し、槍が萃香の頭の位置を薙ぎ払った後萃香は霧の状態から元に戻る。
銀糸台「やっぱ、めんどくせぇなそれ」
萃香「この空間作り出したやつも大概だよ」
銀糸台「まだ本領は発揮してないがな」
萃香「…………へぇ、そりゃ楽しみだ」
銀糸台「楽しむ暇はないと思うぜっ!!」
銀糸台は同じように萃香向かって槍で攻撃を仕掛けようとする。
萃香「同じような攻撃効くわけ………っ!?」
萃香は拳で槍を受け止めた。
その顔は何故か驚いた顔をしていた。
萃香「…………ほんと大概な能力だね」
銀糸台「チッ………決めるつもりだったんだがな…………」
萃香は能力での回避を試みたのだが、能力をその一瞬だけ封じられ、慌てて拳で受け止めたのだ。
これまでの行動でこの空間内での相手……銀糸台の異常性はかなりのものだ。
銀糸台「しかしお前の反応の速さもおかしいと思えるがな」
萃香「そりゃ、伊達に妖怪の中の強者と呼ばれてないよ」
銀糸台「だからって槍を拳で止めるってのは流石に………」
萃香「なんかおかしいかい?」
銀糸台「いや……おかしくないか」
銀糸台は群雲や長命でも出来そうだなと考えた。
この時点で比べる基準がおかしいのだが、それに批判を述べることが出来る人はいなかった。
因みにこれを比較対象者に聞いたとすれば答えは否定的なものが返ってくるだろう。
萃香(しかしこのままだとちょいと不味いね…………)
この空間内においては萃香は銀糸台の手のひらの上と言っても過言ではなかった。
ある程度自由が効くのは多分相手がこちらの本気と正々堂々と渡り合う為であろう。
しかしこれが長く続けば恐らく体力が続かないだろう。
この空間内において銀糸台はスタミナなど無限に等しいのだ。
萃香(それなら……早期決着を狙うしかないってことだね)
銀糸台「来ないならこっちから行くぞ!!」
龍符「覇王旋風」
龍翼から放たれる広い範囲に飛ばされる弾幕。
その速度はかなりのもので普通の人ならば目で追うことも難しいだろう。
その分乱雑に飛んでいき、狙って当てるということはしていないようではあるが。
萃香「狙えてないじゃないか……それならこちらに誘導させてやろうじゃないか」
符の参「追儺返しブラックホール」
銀糸台「くっ……こいつは」
萃香を中心にし、黒い渦が形成される。
黒い渦は銀糸台が放った風の弾幕を吸い込み、消してしまう。
しかしそれだけではない。
銀糸台をもその黒い渦は飲み込もうと吸い込む力を緩めない。
銀糸台「クソッ……そいつも消してしまえばいいだけだっ!!」
萃香「その前に行動させてもらうよ!!」
鬼神「ミッシングパープルパワー」
黒い渦はそのままに萃香は次のスペルを発動する。
その場で両手を天に突き出し、密と疎を操る程度の能力を使い巨大化した。
そしてその足元にいる銀糸台は驚愕した。
銀糸台「はああああ!?」
それもそのはずだろういきなり目の前に巨大な足が迫ってくれば誰でも驚くだろう。
そしてそのまま蹴り飛ばされる銀糸台。
銀糸台「グハッ………!?」
地に転がされた銀糸台が止まった時に見た光景は先程と似たような光景であった。
銀糸台「ちょっ………まっ!!」
否応なしに銀糸台はその足に踏み潰されてしまう。
萃香「さらにこうしてやるよ!!」
萃香は更に巨大化したまま何度も何度も踏みつける。
土煙で何がどうなっているのかは視認出来なくなっている。
そして踏みつけるのをやめ、土煙が収まった後…………
そこには何も無かった。
萃香「…………一体どこに?」
神槍「スピア・ザ・グングニル」
萃香が辺りを見回していると、真紅の槍が飛んできていた。
それを萃香は小さくなって躱す。
??「呼ぶのが遅いのよ………全く」
銀糸台「本来なら呼べ無かったんだがな………」
無傷の銀糸台の隣には、蝙蝠のような羽がある少女、レミリア・スカーレットが何故か居るのだ。
銀糸台「ま、レミリアに関しては気にしなくてもいい。
ギャラリーがいた方が何かといいだろう?」
レミリア「どうせ言ったって聞かないんでしょうしね……………」
萃香「あんたの考えは分から無いけど…………まぁ、いいよ」
銀糸台「それじゃ…………」
萃香「これで終わりにさせてもらうよ……………!!」
「百万鬼夜行」
萃香の周りを霧が覆い、その姿が見えなくなってしまう。
直後霧からは楕円型の弾幕が銀糸台に向かって飛んでいく。
銀糸台「…………そう言えばさっきの種明かしをしてなかったな」
銀糸台に向かって飛んで行っていた弾幕は全て消滅してしまう。
というよりまるで見えない壁に馴染んでしまったかのように消え去ってしまった。
虚扉「不可視成幻想之入口」
さらに萃香の周りの霧も消えてしまう。
萃香「なっ!?」
銀糸台「こいつでしめぇだ!!」
槍符「八岐大蛇」
槍に変化が起こる。
槍の矛の部分からは黄色の光がもれだす。
光の刃と形容するのがピッタリである。
槍の中心にある赤い石。
恵生が創り出したその石は想龍石と名付けた。
銀糸台の龍闘気を媒体とし、その刃を作り出す。
その槍その物が銀糸台の想いを受け取り、真の姿と化す。
方天戟に属せしその槍その真名は想牙龍戟。
持ち主の闘気に呼応せしこの槍から放たれた8体の巨龍は一人の鬼を飲み込み、天に昇り、消滅する。
銀糸台「や、やった……ぜ…」
殆どの力を今の一撃に込めた為、体に力が入らなくなった銀糸台はゆっくりと地に降り、竜化が解け、地に膝をつく。
レミリア「ほんと誰かついてなかったらどうするつもりだったのよ」
銀糸台「……すまねぇな」
銀糸台はレミリア支えてもらい立ち上がる。
辺りはまだ暗い。
lastspellの効果は消えており、風景は来た時と元通りである。
萃香「…………ははっ、流石…だねぇ」
銀糸台「………あれでよくその傷ですんだな」
歩いてきた萃香は服が多少破れていたり、傷が少しあるぐらいであった。
萃香「鬼は頑丈なのさ…………と言いたいところだけど流石に私も疲れたよ」
銀糸台「あれでまだやるとか言ったら流石に無理…………」
萃香「私も流石にこの状態であんたの相手は骨が折れるよ………怖い顔した吸血鬼もいるしね」
レミリア「……………」
萃香「そんなに睨まないでくれるかい?」
レミリア「ま、何もしないなら私は何も言わないわ」
萃香「そりゃ有難い………だけど一つだけ気になることがあるんだ」
銀糸台「………なんだ?」
萃香「私のスペルを防いだスペルの事さ」
銀糸台「………あのお人好しが手伝ってくれただけさ」
萃香に踏み潰されそうになった瞬間あるスペルを銀糸台は発動させた。
乱符「知らぬ世界」それは一時的な自己能力の変更。ランダムで一時的に自分以外の誰かの能力とスペルカードが使えるようになるというスペルだ。
その時選ばれたのは別の能力だったがそれがあらゆるものを創造する程度の能力に変わったのだ。
つまり誰かが銀糸台のスペルに介入してきたという事だ。
萃香「………それって」
レミリア「…………」
萃香「やられた………」
銀糸台「………」
萃香「悔しいねぇ!!またあいつにやられたよ!!それもいなくなった後で!!」
萃香の顔は悔しそうに笑っていた。
銀糸台とレミリアはその萃香の台詞に苦笑する。
前もこんなことされたのかぁ………という意味を込めて。
萃香「まぁ、どちらにせよ私の負けにゃ変わりないね………」
あの空間内において、あの程度は誤差の範囲ではある。
それほど銀糸台のあのスペルの効果は大きかった。
銀糸台「lastspellなしでも勝てるようになってやるよ」
萃香「言うねぇ……ま、その時が来るのを楽しみにしてるよ」
そう言い残し、萃香は霧になって消えてゆくのだった。
この戦いの翌日、雨雲は晴れ、皆その陽の光を浴び、喜びあっていた。
そして幻想郷の日々は何事もなかったかの様に過ぎ行くのだった。
山餅「ひとまず萃夢想編は完結です。まぁ、あと1話ありますが」
妖夢「銀糸台さんのスペルカードの説明はいらないんですか?」
山餅「コラボの時にでもまた使うだろうからその時ね」
妖夢「あ、そうなんですか」
山餅「ぶっちゃけ余裕が無いので」
妖夢「それ言っちゃダメですよね?」
山餅「コラボを執筆して行かなきゃいけないので」
妖夢「頑張ってくださいね」
山餅「素直に応援してくれるの君だけだよ………それでは今日もう1話投稿する予定ですのでお楽しみに」( っ*˘ω˘ )ノ