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東方金神龍  作者: 山餅
第四章 萃夢想〜strength〜
68/74

68話 【      】

 山餅「皆さんどうも山餅です。今回はタイトルがあれでした。まぁ見ていけばその理由はわかるでしょう。少し長めのお話ですが見ていってください。それではどうぞ」

 時と視点は戻しまして紅魔館、銀糸台達が亜流との戦いが終わり、何故か紅魔館が半壊したところに戻るとしよう。


 恵生「悪いとは思っている反省もしている」


 レミリア「だからってこれはないでしょ!!これは!!」


 レミリアが指を指す先には、文字通り半壊状態の紅魔館があった。

 恵生「ちゃんと直すから〜」


 レミリア「…………………」


 銀糸台「そういやそっちは終わったのか?」


 恵生「ん〜………逃げたようだな」


 レミリア「ちょっと!!何逃がしてるのよ!!」


 恵生「いやぁ、すまんすまん」


 銀糸台「まぁ、こっちは降参してるし、逃げた方も今から追えば問題ないだろ」


 恵生「そう………だな」


 銀糸台「………?」


 そのようなことを話している間にこちらへ向かってくる人影が見える。


 恵生「誰か来てるな」


 銀糸台「他のみんなはなんとか無事だったようだな」


 長命や群雲、霊夢たちが揃ってこちらへ向かってきていた。

 そして三人は後ろの建物の惨劇を思い出す。


 恵生「…………………」パチン


 恵生は指を鳴らした。能力を使って紅魔館を直そうとした。


 銀糸台「…………………」


 レミリア「………………」


 恵生(………………あれ?)


 恵生は紅魔館の壊れた部分を直そうとしたが何故か治らなかった。

 というより能力が使えていなかった。


 恵生(おかしいな………)


 もう1度指を鳴らすと紅魔館の姿は元通りになっていた。


 恵生(……………………まぁ、いいか)


 銀糸台「恵生、お前大丈夫か?」


 恵生「問題ねぇよ………それよりもみんな無事でよかった」


 霊夢達は銀糸台達と合流する。


 恵生「おや………彼女は」


 恵生は長命に背負われている少女を見て、少し前に会っていたことを思い出す。


 妖忌「えぇ、敵側にいたやつですじゃ。こやつが興味深いことを申しておりましたぞ」


 恵生「興味深いことって…………」


 恵生が言い切る前に周りに異変が起こる。

 地面が揺れ始めたのだ。


 優斗「おろ?地震?」


 恵生「……………………」


 霊夢「恵生さん?」


 恵生「皆、ここから離れろ」


 恵生の口調が変わった。

 有無を言わさないような威圧を放っている。


 亜流「やはりこれが狙いっすか………」


 怜依「こうなってしまっては………もうここもおしまいだな」


 優斗「それって………まさかあれか?」


 怜依「それとは別のことだと思うぞ………だがあの方が来てしまったのではどう使用もないがな」


 恵生「………………」


 恵生が見つめる先の空に歪が入る。


 恵生「この気配忘れもしねぇ………………………」




 「……………………お前、なんでなんで…………を、殺したんだ」


 「…………………邪魔だったからさ」


 「貴様ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」




 恵生「まさかまた会うとはな………」


 歪が大きくなり、空に亀裂が入り、そこから一人の人物が降りてくる。

 紫の中羽織を靡かせ恵生達の前に降りてくる。


 ??「それはこちらのセリフだ。まさかまた会うことになろうとはな」


 また別の場所から先ほど恵生と戦っていた男女二人が出てくる。


 ??「夜見よみ様!!」


 先ほど降りてきた男性は夜見と呼ばれ、女の子の方が駆け寄ってくる。


 夜見「おお、花恋かれんか今回はよくやったな」


 花恋「はっ、ありがとうございます」


 夜見「ごうも良くやったな」


 男の子の方は剛と呼ばれ、夜見の前で膝を折った。


 剛「任務を果たすのは当然のことです」


 夜見「そうか………しかしお前達何人かは失敗しているようだが?」


 花恋「そ、それは………」


 夜見「我が求めているのは完璧だ、失敗なぞ許されんのだよ」


 亜流「…………………」


 怜依「…………………」


 恵生「…………………そういうとこも全く変わってねぇな」


 夜見「そして嫌いな顔がそこにあるのも腹立たしい」


 恵生「それに関しては同意だな」


 夜見「まぁ、ちょうど良かった」


 恵生「……………」


 夜見「お前の作ってきたものだろうこれらは」


 恵生「……………」


 夜見「折角だからすべて壊してやろうあの時と同じようにお前の大切なものを」


 恵生「させるかよ」


 恵生はまさに瞬間移動とも言えるスピードで夜見に肉迫する。

 そして拳をくらわせるようとする。


 夜見「…………確かにあの頃以上の力だな」


 恵生「…………お前それは」


 夜見の背中から生えた数本の白い腕に恵生の拳は止められていた。

 骸骨の腕に。


 夜見「流石に1本では受け止められなかった………というより受け止めるのでやっとだな」


  恵生「お前……まさか妖怪を取り込んだのか!?」


 夜見「それがどうした?強くなるためには何でも利用するのが普通だろう?」


 恵生「………………」


 夜見「因みにこんなことも出来るぞ」


 夜見がそう言うと、地中から幾つもの骸が這い上がって来る。


 恵生「……!?」


 夜見「さて、お前はどうするのかな?」


 恵生「くっ………」


 骸達はその数をどんどん増やしていく。

 その光景はまさに地獄絵図と言ったところだろうか。


 霊夢「……………恵生さん!!」


 恵生「…………消えろ」


 骸達は動きを止めバラバラに崩れ去ってしまった。


 夜見「…………数で押すのは不可能か」


 恵生「………………」


 夜見「だが、お前の弱点はわかっているのでな」


 夜見は背中から無数の骸骨の腕を出す。


 夜見「さて、避けるのか、受けるのかどうするかな?」


 夜見はその無数の骸骨の手から弾幕を放つ。

 その中にはいくつか骨が飛んで来ていた。

 恵生はそれを全て弾いていた。


 恵生「くっ…………」


 銀糸台「あいつ……」


 長命「おい、俺達も加勢した方が…………」


 その瞬間、地中からまた骸が出てきた。

 しかも霊夢たちの後ろからである。


 群雲「そういうわけにも行かなさそうだな」




 夜見「どうした?それだけか!!」


 夜見が弾幕を撃つ手を休めることは無い。

 そして恵生もその全てに対処せざるおえなかった。

 何故ならばその全てが恵生ではなく霊夢達を狙ったものだったから。


 恵生「鬱陶しいんだよ!!」


 恵生は目の前に扉を創り出し、その弾幕を全て相手にそっくりそのまま返した。


 夜見「そんなこともできるようになったのか…………」


 弾幕がおさまった後夜見は普通に立っていた。


 恵生「…………………」


 夜見「後ろはいいのかい?」


 恵生「てめぇを倒さなきゃ変わんねぇだろ」


 夜見「いい判断だなぁ……」


 花恋「夜見様………」


 夜見「あ、そうだ」


 夜見はその背中の骨の手の一本を花恋に向ける。


 花恋「……夜見…様?」


 夜見「せめて使える人形になってくれよ」


 恵生「……!!」


 恵生はいち早く花恋の足元に扉を創り出し、自身の後ろに繋げ、花恋を移動させた。


 夜見「…………お節介だな」


 恵生「お前……!!」


 夜見「いらなくなった道具なんだそれをどうしようが俺の勝手だ」


 花恋「………!?」


 夜見「お前らはもう用済みなんだよ」


 花恋「そ、そんな……」


 恵生「…………………」





 優斗「うわぁ……あいつゲスいよぉ………」


 咲夜「それに関しては同感ですね」


 長命「しかしこの骸共どこから来たんだ?」


 骸共はどんどん地中から群がってくる。

 倒したところで出てくる数の方が多いのだ。


 妖忌「多分じゃが……どこかで集めたのか、もしくはここの地にいたものなのかもしれぬ………」


 長命「そうか……まぁどちらにせよ俺達……邪魔になってないか?」


 骸を斬り伏せながら、長命はそんなことを言った。


 妖忌「そうじゃろうな」


 妖忌はそういいながら恵生の方にまた目を向け、骸を倒して行くのだった。





 恵生「クズ野郎め……」


 夜見「そんなこと言える余裕はあるんだなぁ………」


 恵生「…………………」


 夜見「わかってるんだよ、お前が本調子を出せていないことも」


 恵生「あぁ、そうかい………」


 夜見「…………面白くねぇなぁ」


 恵生「面白さなんて求めちゃいねぇよ」


 夜見「そういうやつだったなお前ってやつは」


 恵生「…………」


 夜見「さて、あんまり時間をかけるのもあれだからな……………一番手っ取り早い方法で行くか」


 恵生「…………」


 夜見「あそこで戦っているやつらを……………あいつと同じように殺してやるよ」


 恵生「………てめぇ」


 ??「そのようなことみすみすやらせると思って?」


境符「二次元と三次元の境界」


 どこからともなく夜見に向かって衝撃波が放たれる。

 夜見はそれをギリギリで躱していく。


 恵生「………紫か」


 紫「私も参加してもいいわよね?」


 恵生「どうせ何言っても聞かないんだろう…………」


 夜見「そんなふうに話してていいのか!!」


 夜見は先程と同じように弾幕を放ってきた。


 恵生「芸のないやつ…………」


境符「四重結界」


 夜見の弾幕は全て紫の結界で防がれる。


創剣「不可視なる剣境」

遅斬「残月」



 夜見「なっ……グハッ!!」


 夜見の体からは、血飛沫が上がり、夜見は体制を崩しそうになる。


符の弐「八雲卍傘」


 そこに空間が割れ、中から傘が出てきたと思えば、傘に妖力が卍状に収束し、それが回転し始め、夜見の体を恵生がいた場所に飛ばす。

 飛ばされているにも夜見体は切り刻まれる。


 夜見「ガハッ!!」


 残月のスペルが夜見の体を切り裂くが、夜見はなんとか耐える。


合扉「不滅弾幕」

紫奥義「弾幕結界」


 恵生が夜見の周りに無数の扉を創り出し、そこに紫の弾幕と恵生の弾幕が放たれ、無数の扉に囲まれた内部は強い光で夜見の姿はよく見えなくなっていた。


 恵生「………………」


 紫「………………」




 それを見ていた、その場にいた他の面々はその一連の動作に唖然としていた。

 打ち合わせなど全くせずに、ここまで連携が取れているのだ。

 因みに骸達はその活動を止めていた。


 長命「あの二人が一緒に戦ってるの始めてみた…………」


 群雲「そしていつもの感じからは考えられないぐらいやばいんだが…………………」


 銀糸台「あれは敵にしちゃダメなやつだな……………」


 銀糸台のセリフに一同はこくこくと頷くのであった。




 恵生「……………」


 紫「………恵生?」


 恵生は扉に囲まれた空間の先を見ていた。


 恵生「あいつ、生きてやがる………」


 夜見「グ……グァ………グハッ……」


 しかし、夜見はあれだけされてもまだ起き上がっていた。


 紫「しぶといわね」


 夜見「ここまでとは………な……流石にダメージを受けすぎたようだ………」


 恵生「そうか……それじゃさっさと帰れ、そしてその面二度と見せんな」


 夜見「……………だからお前さんは甘いんだよ」


 夜見は懐に手を入れると、あるスイッチを取り出し、それを押した。

 その瞬間恵生と夜見以外の皆が倒れ出す。


 恵生「みんな!!夜見てめぇ何しやがった!!」


 夜見「ただ、動けなくしただけさ、まぁ、予想通りお前には効果なかった上にこれは別の場所で使うつもりどったのだがこの際仕方がない」


 夜見はもう一度懐に手を伸ばす。

 次に取り出したのは拳銃であった。

 それを紫に向ける。


 紫「くっ……動け……」


 夜見「……………」


 夜見は黙って引き金を引いた。


 紫「……………」


 夜見「…………俺の言った事は間違っちゃいなかったねぇ」


 恵生「…………………」


 夜見の撃った弾丸は紫ではなく、それを庇った恵生の胸の中心に当たる。


 紫「け……恵生……?」


 恵生の体はぐらりと揺れ、倒れる。


 紫「恵生!!」


 夜見「ふ……フハハ……これで」


 恵生「これで………なんだ馬鹿野郎」


 夜見「なっ!?」


 倒れた恵生は夜見の足を掴んで、立ち上がりながら上に持ち上げ、夜見の体制を崩した。


凶扉「地獄門」


 燃え上がる扉を夜見が倒れる場所に創り出し、その中に夜見を落とす。


 夜見「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 そして夜見がその扉に入っていった瞬間その扉は閉められ、消えた。


 恵生「…………遠い宇宙にでも飛ばしたから当分は………戻って………こねぇ………だ………ろ………」


 恵生はそういいながら両膝から崩れ落ちた。


 紫「恵生!!」


 紫は恵生の元に駆け寄り、恵生を抱き起こした。

 弾丸が撃ち込まれた場所……つまり胸の中心から何故か恵生の体が結晶化しだしていたのだ。



 恵生「あー………これは……冗談抜きでやばいな………」


 紫以外の皆も起き上がれるようになり、恵生の元に駆け寄る。


 霊夢「恵生さん!!」


 恵生「あはは………やっちまったなぁ……………」


 紫「恵生!!」


 恵生「お前ら…………うるさい」


 話をしている間にも、恵生の体の結晶化はどんどん進んでいく。


 長命「どうにかなんないのか!?」


 フラン「私の能力で………」


 恵生「無理だな………わざわざこんなもん持ってきたところ見るとな…………」


 群雲「何諦めてんだ!!」


 恵生「こいつぁ…………俺でもどうにもできねぇんだよ………」


 結晶化はどんどん進んでいく、それは体から、腕、脚にまで……


 フラン「そんな…………」


 恵生「みんな………俺がいなくても大丈夫だろ?」


 紫「そんな事………そんな事言わないでよ!!」


 フラン「そうだよ!!」


 恵生「………………全く、そんなひどい顔してんじゃねぇよ」


 紫「………………」


 恵生が見た紫の顔は泣きそうな顔になっていた。


 恵生「何………泣きそうになってんだ?」


 紫「わかってるくせに!!貴方がどれだけ…………どれだけっ……!!」


 恵生「ばーか………」


 紫「っ………!!」


 恵生「………………大丈夫だ」


 紫「………え?」


 恵生「紫……お前にこれを渡してやるよ……」


 恵生が手渡したのは、一つの小さな箱。


 紫「これは………?」


 恵生「中は……御守りさ……それじゃあ………バイビー」


 恵生が笑いながらそんなことを言い、次の瞬間恵生の姿が消えた。

 そしてそれと同時か少し遅くか、霧の湖には水晶の山が出来上がっていた。



 紫が箱を開ける。

 中に入っていたのは特に装飾のされていない指輪であった。

 この指輪にはどういう意味があったのだろうか。


 紫「……………本当に……本当に…………馬鹿なんだから……………」


 霊夢「紫……………」


 魔理沙「…………………」


 レミリア「…………………」


 フラン「……………どうして、こんなことになったの?」


 長命「……………」


 群雲「……………」


 銀糸台「……………」


 優斗「……………」


 言葉が出なかった。

 いつもは適当だったが、頼りになるやつだった。

 それがいなくなってしまった。


 咲夜「……………雨が降り出しそうですね」


 咲夜の言う通り空からは、水滴が落ち始めていた。


 美鈴「………お嬢様方、皆様、館に入られた方が良いです」


 長命「そう………だな………」


 皆は紅魔館の方へ入っていく。一人を除いて。


 霊夢「………………紫」


 紫「少し………一人にさせてちょうだい」


 霊夢「………………」


 霊夢は言われたまま、紅魔館の中に入っていった。


 紫「……………………なんで」


 雨は降り出す。悲しみを表すかのように。


 紫「あなたがいなくなったら………私は………」


 両膝を地につき、両手で顔を押さえる。


 紫「うっ………うっ………………」


 雨は激しさを増す。

 それはまるで幻想郷が泣いているかのようだった。

 雨音なのか一人の少女の泣き声なのか………

 その音の真実を知るものはいない。



 68話 【大事な物を失いし日】

 山餅「今回上げるのを躊躇したのはこういうことでした。まぁ、読者的にはどうなんでしょうね?とりあえず次回どうなることやら………楽しみに待っていただけると嬉しいですそれでは………」


 山餅(なんか一人だけだと寂しいなぁ…………)


 スペル紹介

 創剣「不可視なる剣境」

 見えない剣を辺り一面に配置するスペル。

 攻撃というよりはトラップ型のスペル。

 因みに操作も可能。


 合扉「不滅弾幕」

 相手の周りに相手を中心にし、球体状に扉を創り出す。

 そしてありったけの弾幕を浴びせつける。

 相手が弾幕を出したとしても弾幕を避けたとしても、扉を通りその弾幕が別の扉から出てくる。

 弾幕を相殺させればいいのだがそんな暇なく弾幕を張るので、今回のように内側が光で真っ白に見える。


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