61話 見破りし隠したがりし喧嘩をし
山餅「ちょ………無理」
群雲「何死んでるんだ?」
山餅「大⑨州東方祭に行ってきて、金も気力も使い果たした。とりま今日は奥に引っ込んでおく………」
群雲「おい!……って行っちまった………」
長命「おーい……ってなんでお前1人?」
群雲「作者が死んだ」
長命「勝手に殺すなし」
群雲「ほれ、さっさ始めるぞ」
長命「え?さ、さぁどうぞ!!」
ところ変わってここは魔法の森と人里の間にある、何も無い新地。そこに佇んでいる二つの人影。互いに向き合い、どちらとも動こうとはしない。その場に響くのは風が木々を揺らす音だけである。
長命「…………」
怜依「……………」
風がやみ、その場を静寂が支配する。
刹那金属が衝突する音が響く。2人同時に踏み込んだのである。
互いに競り合う。
怜依「………なかなかやるな」
長命「……そりゃどうも」
怜依「だが競り合ったことを後悔するだろう」
長命「なっ………」
長命の刀は切れ、怜の刃が長命の体に刀の跡をのこした。それを見た長命は一歩後ろに下がり、切れた刀を自身に戻す。
長命(くそ……厄介だ…能力は知っていたがあの刀もおかしい……俺の能力を受け付けないときた………)
長命の能力を受け付けないというよりこの場合は刀への干渉を切っていると言った方が正しい。怜が長命を大知、詩音からの情報から推測しだした。
長命(もう一つ気になることがあるが………まぁ今はいいだろう)
怜依「やぁ!」
長命「くそっ!」
長命も怜依の情報はあった。刀をどうにかしてしまえば勝機がある、と考えていたが残念ながらそれが外れてしまっていた。
今は怜依の斬撃を避けるしか手立てかない。
長命(ならばこいつでどうだ!)
長命は斬撃の当たらない位置まで下がり、両手を筒の束、マシンガンの様に変え、前に狙いをつける。
弾符「カノンRT」
弾幕以上に密度の濃い鉄の雨を相手に向かって放つ。しかし怜依は臆することもなく、一つ一つの弾丸を切っていく。
長命「まだまだだ!!」
怜依「うおおお!!」
どちらも引かず、勝負は続いたしかし終わりは来るものである。
長命の弾が切れてしまったのである。
長命「…………」
怜依「はぁ…はぁ…どうだ!!」
長命「ああ、流石だな………」
長命は一枚のカードを取り出す。
長命「どっかの誰かさんみたいに真面目すぎるな」
爆符「テルミットバースト」
怜依「なっ……」
ドオォォォォン!!
怜の周りで爆発が起こった。
長命(これで………どうだ?)
辺りは煙が舞い、視界がかなり悪くなっている。目の前すら視認するのが困難な程に。
長命(まだ安心できねぇな………)
視界が悪いのは相手も同じ、あとは煙が晴れるまで待つだけ、と長命は考えていた。しかし
長命「なにっ………!」
長命の左腕が地面に落ちる。そして第二波が来る前に後退し、上へ飛ぶ。
長命「左腕を切られちまった………しかしどうして見ることか出来たのか……」
怜依「見えたんじゃない……空気の流れさ」
煙が晴れ、ボロボロになっているがしっかりとたっている怜の姿があった。
怜依「煙の中で動けば煙の流れで位置が分かる、流れが変わっていなければ動いてないと分かるただそれだけのこと」
長命「……逆手に取られたってことか」
怜依「ああ、まさか切った弾丸全て爆発させてくるとは思ってなかったよ」
爆発の影響で草すらもなくなっている。
怜依「ただ、腕が回復しないところを見るとお前もジリ貧のようだな」
怜依の指摘通り長命の左腕は切れたままである。左腕を回復させるほどの金属がない。体のほかの部分をそちらに回せれば良いのだがあまりそんな余裕はなかった。
理由は大きさが小さくなる。とすると歩幅が狭くなり敵の攻撃をかわしにくくなる。
そして攻撃がとどきにくくなる。
できれば先ほど切られた左腕を回収したいが、どこかへやられてしまったようだ。
金属を取り込むという手もあるがここにそんな金属はなさそうである。
つまるところ右腕のみで戦うことを強いられてしまった。
長命「………ふっ何を勘違いしてんだ?」
怜依「………何?」
長命「お前ぐらいなら片腕で十分だってことだよお嬢さん」
怜依「………!!」
長命「気づかれないとでも思ったかよ残念ながら俺のおにゃの子センサーからは逃れられんのさぁ!!」
怜依「…………………」すっ
長命「ちょ…………ガチで引かないでよ…………」
怜依「………………………ちょっと近づかないで欲しい」
長命「ひどぅい…………」
怜依「これが普通の対応かと」
長命「まぁいいんだがな本当みたいだし」
怜依「私が女だから片腕で十分ってことか……いいだろうそこまで言うなら勝ってみるがいい!」
怜依が横に刀を振るう。長命はそれを後ろに下がり、躱す。
連続で切りかかってくるのを、長命は後ろに下がりながら躱すことしかできない
怜依「大口叩いておいてその程度か!」
長命「ちっ……」
??「全く情けないのう」
長命と怜依の間に割って入る人物が1人
怜依「おまえはあの時の……」
??「ほほっ久しいのぅ」
長命「クソジジイ何してんだ?」
その人物は魂魄妖忌であった。
妖忌「何ピンチになっとるんじゃ」
長命「ピンチになんてなってねーよこのクソジジイ」
妖忌「さっきから聞いていればクソジジイとはなんじゃ!お前さんの方が年取っとるじゃろ!!」
長命「てめぇみたいにジジイ口調じゃねぇんだよ帰れ!!」
妖忌「純粋な妖怪のお前と違い年をとるんじゃこのド変態!!」
長命「てめぇ俺はド変態じゃねぇ紳士だコノヤロウ!!半霊地面に叩きつけるぞ!!」
妖忌「そんなことをしてみろこの刀の錆にしてくれる!このブリキ野郎!!」
長命「なんだとぉ!!先にてめぇから倒してやるよおじいさんw」
妖忌「よくわかったいいだろう。ただの鉄くずにしてやる」
怜依「お前ら………人を無視するんじゃない!!」
2人の言い合いを聞いていた怜だったがついに耐えきれなくなった。勝負を邪魔されたことや完全に自分のことを無視されたためであろう。
怒りに任せた刀からは横一線の衝撃波が生まれ、2人へ向かっていく。
長命「!、くらえジジイ!!」
長命は妖忌の腹辺りを蹴り無理やり避けさせ、その反動で長命も後ろへ倒れる。
長命「ふぅ、良かったな」
妖忌「ああ…………そうじゃのぅ」
長命「先にお前より先にあっちを相手しなけりゃいけねぇみたいだな」
妖忌「カンに障るが仕方ないのぅ………」
長命「さっさと済ませていい加減てめぇとの決着をつけねぇとな」
妖忌「ならば行くぞ」
妖忌は持っていた刀を構え直す。長命も同じく構える。
長命「女の子相手に二対一ってのも気が引けるけどな………」
妖忌「お前さんはいつでも女子に甘いのぅ」
長命「お前は孫に甘そうだけどな」
妖忌「それは間違っているな」
長命「先に俺か行こう。その後に合わせてくれ」
妖忌「いいだろう」
長命が先に怜に向かって突っ込んでいく。それにワンテンポ遅れて妖忌が走り出す。
怜依「…………………」
怜依は構えをといた。
長命(どうい………!)
妖忌「いかんっ!」
2人には何が起こったのか分からなかった。長命の胸の部分に刃物でできた傷が、そして妖忌が何かを察知し、刀を前に持ってきた瞬間、衝撃が走る。
怜依「タオスタオスタオス」
長命「これは………!」
怜依「タオサナケレバタオサナケレバ
………!!」
長命はこのような状態を前に見た。そうフランの狂気に似た状態である。ただ1つ違うのは
怜依「スベテ切る!!そう、それがそれだけが私に出来ることだ!!」
長命(押さえ込んだ……だと!?)
怜依「さぁ、かかってこい。ここからが私の本気、いや、本当の力だ」
山餅「………………」( ºωº )チーン…
銀糸台「電気ショック!!(という名のサンダーブレス)」
山餅「あばばばば!!」
銀糸台「ふぅ……これで」
一同『良くねぇよ!!』
山餅「まぁ取り敢えず今から荷物の整理をせねばな」←戻った
群雲「取り敢えず奥に引っ込んどくんじゃなかったのか?」
山餅「まぁいいかな、と思いましてね。また次回もありますし」
群雲「…………お金は?」
山餅「…………」(´;ω;`)ブワッ!
群雲「貯めればいいだろ」
山餅「そうですね………」
優斗「てか、この話またぐの!?」
山餅「1話に収めようとしたら字数がすごいことになりそうだったので………」
群雲「しかもなんか雲行きの悪い終わり方………」
山餅「おっと、それ以上はいけない」
長命「それにあのクソジジイ出すなし」
妖忌「おっとまたやりたいようじゃのう」
長命「いいぜ、やってやるぜぇ!!」
山餅「ちょ、あぶな!!そ、それではまたー」